ELICA's IKI

タグ: チェーホフ

  • 公開中です。お早めに!

    公開中です。お早めに!

    演劇の人なら知っておきたい、チェーホフの作品『かもめ』と『三人姉妹』。

    どう演じるか、どう心理を表現するか、セリフと身体表現の双方から、スタニスラフスキイ・システムを使って追求するプロジェクトです。

    三輪えり花は、『かもめ』のアルカージナとして出演。公開リハーサルの様子をお届けします。

    アルカージナと息子、アルカージナと恋人、の場面。

    初顔合わせ・初稽古という、究極の「はじめて」状況でのリハーサル。

    すっごく面白い、と、ご覧になっていた方々からの評判です。
    中身拝見動画をご紹介しますね。

    作品ご視聴はこちらから

    https://idealon8888.peatix.com/

  • スタニスラフスキイの台本読解はこんなに凄い

    スタニスラフスキイの台本読解はこんなに凄い

    演技や演出をする上で欠かせないのが、キャラクターたちの行動をナチュラルで信憑性のあるものにする、台本読解。
    これがどれだけ凄いか、三輪えり花の実体験をちょっとお話させてください。

    スタニスラフスキイと三輪えり花の出会い

    台本読解という概念自体は、かなり新しくて、19世紀の末、帝政ロシアで生まれました。
    モスクワ芸術座に入ったばかりの新人演出家コンスタンティン・スタニスラフスキイが確立したもので、スタニスラフスキイ・システムと呼ばれます。

    三輪えり花も、英国王立演劇アカデミーRoyal Academy of Dramatic Art (RADA) の通訳をした際、実は初めて知りました。

    (はいはい、カナダ留学時代は、1年生の科目しか取れなかったので、スタニスラフスキイに触れる機会がなく。イギリス大学院留学時代は、前衛的な実験劇の方向に行っていたので、これまた触れる機会がなく。とほほの無知だったんですのえ)

    で、イギリスへの2回目の留学、つまりRADA 留学の半年前、日本人のための四週間ワークショップが RADA で開かれ、私はそれに通訳としてではなく、俳優として参加。

    そこで、チェーホフの『桜の園』を取り上げていました。

    それまでも、チェーホフは台本として読んだことはありました。
    ピーター・ブルックが銀座セゾン劇場(というのがバブル時代の1980年代にはあったんだよ)に『桜の園』をもってきたときも、朝から並んでチケットを取って観ました。

    けれど、いまひとつ、いったい何が面白いのか、よくわからないことも多かったのです。

    が、その4週間ワークショップで、担当のブリジット・パネ先生が、こう尋ねます。

    地主はなぜ眠ってしまったのか

    「このト書(台本の中で、セリフ以外で俳優が行わなくてはならない動きの指示が書いてあるところ)に、”地主は寝ている”とありますね。なんで?」

    は?

    眠いから、とか、話が退屈だから、とか、昨日遅くまで飲んでいたからではないのか、とか、今朝が早かったからじゃないのか、とか。日本人たちは答えます。

    ブリジット
    「この地主は、眠ってしまう前は何をしていましたか?」

    みんな、あわてて台本をめくって、
    話をしています、女主人ラネーフスカヤに会いに来ました、とか答えます。

    ブリジット
    「ええ、ええ。でも、寝てしまう前に何をしていましたか?彼はなんて言っている?」

    みんな、あわてて台本をめくって
    「まだそんなものを飲んでいるのですか、およこしなさい。ト書:地主、それを全部飲んでしまう。他のキャラクターが言う。おやおや」

    ブリジット
    「飲んだのはなんですか?何を飲んだの?」

    みんな、あわてて台本をめくって
    「ラネーフスカヤ夫人の薬です」

    「ええ、でも、なんの薬?」
    「なんだろう、頭痛薬?酔い止め?」

    ブリジット
    「ラネーフスカヤ夫人は、薬を飲む前に、なにがあったの?」

    みんな、あわてて台本をめくって
    「昔の家庭教師に会って、ずいぶん老けたこと、と言って泣きました」

    「その家庭教師は誰の家庭教師?」
    「ラネーフスカヤ夫人の息子のです」

    「息子はどうなったの?」
    「その家庭教師と川で水遊びをしているときに溺れて死にました」

    「そのあと、ラネーフスカヤ夫人はどうしたの?」
    「・・・」
    「ラネーフスカヤ夫人は今までどこにいたの?今日はどこから帰ってきたの?」
    「パリです」

    「なんでパリに行ったの?」
    「・・・」
    「息子の死を思い出させるこの家にはいたくなかったんじゃない?」
    「なるほど」

    「帰ってきて、この家庭教師に会ったらなんと思うの?」
    「息子を思い出すかも」

    「でしょ。しかも、老けたのよ、この家庭教師」
    「それだけ時間が経ったということを思い知らされる」

    「でしょ。で、なんでここで薬を飲むの?」
    「あ。精神安定剤?」

    「その通り! 当時の精神安定剤とは?」
    「???」

    「アヘンです。」

    (三輪えり花は世界史専攻だったので、阿片戦争やアヘンの害について知っていた。でも、上流階級の人までが、精神安定剤として使用していたとは! びっくりした。)

    「当時、すでに、アヘンは、ロシアの上流階級のあいだでも、危険すぎると禁止されていました。でも、みんな辞められなくて、なんとか手に入れようとしていたのね。当然、値が張ります。ラネーフスカヤはパリでもこれを常用していたんでしょう。地主は、ラネーフスカヤがアヘンを持っているのを見て、「まだそんなものを飲んでいるのですか」と、危険だからやめなさい、と、表向きは彼女のために取り上げる、と、自分で全部飲んでしまったんです」

    This is 台本読解!

    台本読解のおもしろさに初めて取り込まれたのがまさにこの瞬間でした。

    何ページも前の行動が、何ページも後に繋がってくる。

    世界の動向が、その時の社会が、人々の気持ちが、欲求が、ページの中に隠されている。

    世界史を知り、地方史を知り、天候や気候がキャラクターの行動にいかに影響を及ぼすかを想像し、社会常識やタブーが彼らの言葉の奥に漂っている。

    なんて面白いんだ!!!

    劇団昴に送ってもらい、皆様の税金でいかせていただいた、文化庁新進芸術家在外研修員としての学びの始まりが、このとき生まれたのです。

    半年後、私はイギリス演出家協会の二週間ワークショップで、シェイクスピア演技と演出のおもしろさに初めて気づく体験もし、そして、いよいよRADAの寮に入って、ほんものの学びを始めたわけです。

    ブリジットによって明かされた、スタニスラフスキイの台本読解は、今でも私の台本読解の元となっています。

    台本と歴史と社会の中に、キャラクターの行動の鍵がある。

    スタニスラフスキイの台本読解は、表現力を支える

    2年間の研修を終えて帰国後、三輪えり花は劇団昴の演出家として活動を始めます。
    演劇学校でもスタニスラフスキイを教え、また、シェイクスピアやモリエールやギリシャ劇を教えてきました。

    その三輪えり花が、ついにチェーホフの名作『かもめ』に挑戦します。

    プーチンのウクライナ侵攻前の2月、まだロシアがロシアだった頃、ロシア人の優秀な演出家ヴィクトル・ニジェリスコイが三輪えり花を『かもめ』のアルカージナに抜擢してくれました。

    いずれ公演をするつもりで、公開稽古からスタートすることにしました。

    しかし
    あの後、ロシアがこんなことになるとは思いもよりませんでした。

    私たちはアーティストとして、人間の尊厳と、相手への尊重を大事にしており、ヴィクトルさんともそれを確認しています。
    公開稽古を含め、表現力とは何か、それを支えるものは何か、を追求するIDEAL プロジェクトとして、みなさんにその端緒をご覧いただけるようにしました。

  • チェーホフの白樺

    チェーホフの白樺

    バイカル湖日記6はこちら

    ブログのバイカル日記も6回目にして、やっと、イルクーツクに到着。

    マイナス17度のイルクーツクの深夜。

    空港から街までのバスの窓から見える景色が、白樺並木で、大感激。

    なぜかというと、チェーホフの世界ですから。白樺。

    チェーホフの戯曲『かもめ』の冒頭、
    女優を目指すティーンエイジャーの
    ニーナちゃんに惚れ込んでいる、
    劇作家になりたい中二病のトレプレフ君。

    トレプレフがニーナにキスを迫ろうとしてる場面で、

    ニーナ:あの黒い木は何かしら、気味が悪い。あれ、何の木?

    トレプレフ:楡の木。

    他の木は白い中で、一本だけ黒い木があるんですね。象徴的ですね。

    一本だけ違う。
    黒い(暗い)。
    気味が悪い。

    『かもめ』は、「かもめ」の象徴がよく解説されますが、こういうちょっとしたところに、この戯曲の通奏低音があるのです。

    バイカル湖日記6はこちら

    【遊び心Today】
    チェーホフの戯曲『かもめ』を読んでみよう。

    そして、この場面を探してみてね。

  • バイカル湖6:イルクーツクはマイナス17度

    バイカル湖6:イルクーツクはマイナス17度

    バイカル湖日記、やっとイルクーツクの空港に到着!

    Irkutsk Airport

    2020年2月18日の夜の22時時45分。
    日本とは時差が2時間マイナスです。

    Irkutsk Night Air View
    イルクーツク到着前。ロシア、明るい!
    Souvenir Shop at Irkutsk Airport
    イルクーツク空港のお土産屋さん

    通訳ガイドのターニャさんが迎えにきていて、バスでホテルまで移動します。

    このバスで、明日は、バイカル湖までいくのです!!

    そもそも、なぜにバイカル湖に行こうと思ったのですか?
    との質問をいただくので、回答します。

    答:凍ってるから。

    世界一深くて、大きさも東京から青森までの長さと幅を持つバイカル湖が全部ぎしっと凍るのですよ!!

    そして、湖の中の、唯一人が住んでいる島まで、氷の上を四駆で行くんですよ!!

    こんなのこの時期のバイカル湖しかできないじゃないですか。

    というわけで、極寒のシベリアへきてみたわけです。

    ターニャさんによれば、日の出前が一番寒くてマイナス20度くらいだそうだ。
    マイナスが当たり前なので、マイナスを付けずに温度を言う。

    お手洗いなどバスの出入りだけでも寒いから帽子必須。

    何もかも凍っているので、足元も本当に気をつけて!

    雪はあまり多くありません。

    青森や新潟のように町全体が雪に覆われている冬の街を想像したら、全然違います。

    ツアーガイド日本人は、吉田よしかずさん。
    ロシア人は、ターニャさん。
    運転手は、イーゴリさん、

    一応、ルーブルに両替はしましたが、3000円あれば多すぎるくらいでしょう、とのこと。

    今回のツアーは全て込みなので、食事中のドリンクや露店のお土産などにしかお金は要らないのです。

    バスで、市内のイルクーツクホテルへ。

    道路の周りは白樺だよー。
    チェーホフだ!
    興奮する。

    白樺で興奮するのは私くらいかもしれない。

    チェーホフの白樺のイメージに憧れ続けてきたから。

    Concierge of Hotel Irkutsk
    ホテル・イルクーツクの受付

    明日の予定:
    明日の朝の出発は8時です。
    朝食は7時。
    モーニングコールは6時。
    スーツケースは7時から7時半に部屋外に出してポーターが取りに来るシステム。
    バスはオリホン島まで4時間。
    湖畔で昼飯。
    そこから四駆で湖を渡る。
    オリホン島の南半分を見学午前中はバスだが、午後から湖上なので靴の滑り止め準備。
    配布されたイヤホンは、寒すぎて電池がすぐに無くなるので、指示された時以外は使わないでね、だって。
    意味がわかりません。← この意味はやっと最終日に、わかりました。
    生水禁止。
    ペットボトルの水が🧴配布される。
    バイカル湖の水、と書いてあります。わー。

    イルクーツクはシルクロードで、紅茶ビジネスで栄えた商業都市。
    劇場や教会もビジネス会社が造った、んですって!!!!
    ↑ 
    この話も詳しくは最終日に聞くことになります。

    ホテルはガガーリン通りにある。
    アンガラ川の川沿い。

    アンガラ川は流れが早いので凍らない。
    明け方の霧が綺麗。

    などの情報をターニャさんがバスの中で教えてくれて、ホテル・イルクーツクに到着。

    ホテルの中には、ヒグマの剥製。

    The bear for sale at Hotel Irkutsk


    売り物です。

    お部屋は7階の角部屋。
    うわー、めちゃくちゃ広いです。
    全面窓で、夜景が綺麗!!!


    こんなに窓だらけなのに、暖かすぎるくらい、暖かいんですよ。
    すごいぞ、ロシア。

    お湯もじゅうぶん、出ました。
    ロンドンよりすごいかもしれない。

    気持ちの良いベッド。

    あしたがとっても楽しみです。

    To be continued…

    View from the room, Hotel Irkutsk
    ホテルの部屋からの眺め。なんだか感激しています。
    1. 始まるよバイカル湖日記
    2. 出発から到着までを動画で
    3. 未来の量子力学者の話
    4. ロシアの東京、ウラジオストック
    5. ソヴィエト時代の回想
    6. イルクーツクはマイナス17度
    7. マイナス19度のイルクーツクの夜明け
    8. 幹線道路のトイレ事情
    9. イルクーツクからバイカル湖に到着する4時間を8分の動画に
    10. バイカル湖でいただくモンゴル料理
    11. モンゴルの暮らしを絵で見てみよう
    12. 世にも美しいバイカル湖の動画を追加しました
    13. 馬首岩の鏡面凍湖
    14. 磨いたかのように丸っこくツルツルになる氷
    15. 不思議な凍った光景たち
    16. 巨大な氷柱と異世界への入口
    17. キラキラの氷の洞窟!
    18. オリホン島に泊まってみたよ
    19. 生まれ変わる息ストレッチ
    20. 夢のように美しい氷の洞窟!
    21. 聖地パワースポット氷の洞窟へ
    22. 動画で奇巌をEnjoy!
    23. 北の岬でここでしか味わえない魚を食す
    24. 世界で一番美しいクリスタル氷の山に埋もれてみたよ
    25. バイカル湖でウォッカと回転
    26. 心が先祖返りするほど美しいブリャート共和国の文化
    27. なんて美しいイルクーツク!
    28. ロマンのシベリア鉄道と超可愛いバイカルアザラシ
    29. シベリアにいた日本人と美しく楽しい湖のくらし
    30. ウラジオストック
    31. お食事特集
    32. お土産特集

      アテンドさん、通訳さん、運転手さん、ツアーの仲間の皆さん、ありがとうございました! また必ず会いましょう!