即応力

明日は、ルーテル市ヶ谷ホールで、ルーサーさんのリサイタルがあります。

男性だけのデュエットや、シェイクスピアの爆笑コメディ場面の演読や、現代面白新作合唱や、と盛りだくさんのプログラムで、私もモーツァルトのかわいいデュエットを歌わせていただきます。

最近のリハーサルで、シェイクスピアの演読場面と、ヴェルディのオペラのデュエット場面とを、初合わせの際に、演出もつけました。

みんな、素直に受け入れて、表現を変化させていくのもすごいです。

学びごと、習い事、練習を重ねて、人は上手くなっていきますが、なかでも、練習が積み重なってこそできるようになるのが、その場での即応力です。

今回のチームのみんなは、なかなかの即応力を持っていて、演出に「なるほど」とついてくる。

反論はあって良い。

ただ、私に言わせれば、反論の元は、演者が「自分の意見を変えたくない」というエゴと、即応ができない能力不足の裏返しの場合が多いのです。

エゴがなく、即応力もある人は、まずやってみる。

やってみてから、
「今、やってみたけど、いまひとつしっくりこない。演出家の解釈の真意を自分はちゃんと理解しているか確認したい。自分の解釈のどこがズレているのか確認したい」
と話し合いになるわけです。

で、話し合うと演出家のほうも、演者と歩み寄って、さらに良いものへ昇華させることができます。

言い換えれば、即応力は冒険力とも言える。

冒険する勇気があると、作品作りは楽しくなる。

今回のルーサーチームは、即応力・冒険力を持ち、かつ、それらを楽しんでやっている。最強だ。

台風一過になるはずの明日、10月2日の土曜日。緊急事態宣言もなしになったし、ぜひルーテル市ヶ谷へ17時に。

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焦っているキャラクターは早口か?

焦っているキャラクターは早口だと思うんですが、早口で演じると何を言っているかわからないと言われてしまいます。どうしたら良いですか?

という質問をいただきました。

日常で、焦っているとき、どうなっているか、観察してみましょう。

自分のことだと、自分が焦っている時は観察しにくいでしょうから、誰か焦っている人を観察すると良いです。

すると、おそらく、早口というよりも、思考の混乱があり、その中でも「これは言わなくちゃ」との思いが強い単語が強調されて言われることに気づくでしょう。

焦っている人は、早口にはなれないのです。

舌と唇の動きをよくする練習は必要ですが、「暗記」をつらつら口から捻り出しては、せりふになりません。必ず「思考とともに進む」ことを忘れないようにしましょう。

朗読でも同じです。台本が手元にあっても、思考が置いてけぼりになる時は、噛んだり滑ったりします。

思考を伝えようとする。それが大事です。

歌も同じです。

フレージングが思考と離れると、音とメロディは綺麗な声と響きで聞こえてくるかもしれませんが、そこに意味が見出せなくなってしまいます。

でも、ルーサーさんの歌を聞いてください。何を言いたいのか、歌から気持ちと意味と心と感情が伝わってくるすごい歌い手なんです。

緊急事態宣言も解除になりますし、土曜日には台風一過。ぜひ、ルーテル市ヶ谷にお越しください。

コーラスもシェイクスピアもある、盛りだくさんのプログラムは、
まさに「欲張り満腹セット」

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次はデュエット!

池袋演劇祭でコロナ禍で生まれた演劇『Plays 4 COVID』に出演してから1週間が経ちました。舞台写真を3枚ご紹介して一段落といたします。

巻物を色とりどりの和紙にしたおかげで、白一色の衣裳と鬘に場面ごとのアクセントをつけることができました。


さて、こうして『さあ、未知の劇場の姿とともに』は無事に閉幕したわけですが、すぐに今週末は、コンサートへの客演が迫っています。
それはこちら

ルーサーさんの素晴らしい歌声に、僭越ながら1曲だけデュエット参加させていただきます。
あと、字幕を担当します。

先日は、上演するホールでリハーサルがありました。そのとき初めて、自分の声がホールの中をめぐって自分に帰ってくるのが感じられました。ピアノや共演者の声と同じ波長にいるかどうかが聞こえてきて、調整しながら合わせることができたと感じています。

これ、私にはすごいことで。歌への苦手意識が無くなり、できないところとできているところが少しずつわかってきたわけです。

れはともかく、ルーサーさんの歌が、本当に素晴らしいので、緊急事態宣言も終わるようですし、ぜひいらしてください。


2021年10月2日17:00開演予定 多彩なゲストを迎えてお送りいたします! チケットお申し込みは
https://bit.ly/2WKqNbd

感想は色々あるのが良い

先週の池袋での公演、コロナ禍において書かれた新作を集めた『Plays4COVID』シリーズから、今日も舞台写真の続きを紹介しながらお話ししますね。舞台写真撮影は全て渡辺格さんによるものです。

髪の毛を白にしたのは、照明を綺麗に見せるため。この鬘は、髪の毛の量もたっぷりで、カールもしっかりしていて、気に入っています。3月の『テンペスト:大嵐』でエリアルを演じた際に着用していた青い鬘とおなじところの製品です。

たくさん、お褒めの言葉をいただいていて、感涙です。

劇作家本人もライブ配信をご覧くださり、感動したと言っていましたよ、と翻訳家から連絡をいただきました。

このキャラクター設定での解釈は、もしかしたら作家の意に沿わないかもしれない、と思いつつ、演出家としての本能を信じて、正直に演じました。それが伝わって嬉しい。

嫌いな人もいると思います。私自身、最初に思いついたのはTED風の、博物学的スライドショーで、その方が好きだと思う人もまた、いるかもしれない。

淡々と演じるのが好きな人と、熱く演じるのが好きな人。いろいろあって良い。

よくないのは、大衆迎合。

「こんなことをしたら、どう思われるか、怖いからやめておこう」と安全策を選ぶのもダメ。

というか、私のスタイルではない。

どちらかと言うと、「なにそれ!」が好きで、最終的にはそれを選んでしまう。

使った巻物は、円の中に置いていきます。

ギリシャ演劇では、演者は仮面をつけ、頭を大きくし、そのバランスを撮るために、上底ブーツを履きました。
私は仮面こそつけませんでしたが、上底ブーツで少し存在を大きくしています。ちなみにギリシャ演劇の厚底は、20センチ以上あったようですよ。


おまけ:
ワクチン接種も終わったし、演劇祭も終わったので、乗馬に行ってきましたよ。その記事はお写真満載のブログでご覧いただけます。よかったら
https://elicamiwa.com/blog/2021/09/25/horseriding1/

初乗馬:HorseRiding#1

2021年9月25日、日本で初めての乗馬!八王子乗馬クラブの体験レッスンに行ってきました。

通っている(といってもコロナ禍でお休み中)修験道の道場から多摩川を隔てた川向こうにある馬場。

今年の6月ごろ、奥多摩におうどんを食べに行った帰り道で、たまたま通りかかり、「こんなところに馬場が!」と、びっくりしたのでした。

実は英国時代、ウィンブルドンの馬場に通っていました。2週間に一度くらいの割合で、バスにぽつねんと座って。

当時学んだことは、薄ぼんやりと;
Girth(腹帯)を調節し、
Bit(はみ)をつける頭からかける革紐 Bridle(頭絡)を被せる
あたりまでやった記憶がある。

Walk(並足なみあし)、
Trot(速歩はやあし)、
Posting Trot(軽速歩)、
Canter(駈歩かけあし)まで行き、
Circling(輪乗り)でどちらの脚を先に出すかをコントロールする
・・・あたりまでやった記憶がある。

しかし!
それももう30年も前のこと。

日本に帰国してから、国立にあった馬場に通おうかとずいぶん迷ったけれど、演劇と講師業とで、寝る間も、友達を作る間も、まして恋人を作る間もない状態で、「まあいづれまたイギリスへすぐ戻るだろう」と思っているうちに国立にあった馬場は温泉になり、気づけばもう30年も経ってしまった。

ちょうど通りかかったのも何かの縁。コロナ禍でしばらくイギリスには行けそうもないし。オンラインで時間も確保できるようになったし。行こうかな。

しまってあった馬具を取り出してみる。
ヘルメット、手袋、ブーツ。
手袋は健在!

しかしヘルメットはがーん!

クッションが粉になっていた・・・。
そこでヘルメットを解体し、クッションを詰め直す。

どんなもんだい。たまに、私って天才なんじゃないかと思う時があるんだぜ。


夏の間、ワクチン接種の完了を待ち、池袋演劇祭の閉幕を待ち、いよいよ体験レッスンを予約して、到着!

今日はデニムジャケットにしました。30年前のブーツと乗馬パンツを履いています。よくぞ保ってくれました!

「体験乗馬のプログラムは、乗り方や降り方、手綱の持ち方ですよ。物足りなさすぎるかもしれません」と、電話予約の際に担当管が心配してくれましたが、いやいや、30年前だし、馬は生き物だし、私は運動音痴だし、と不安だらけなので、1からやり直しのつもりで、この体験レッスンを申し込みました。

30分前に到着してください、とのことでしたが、1時間近く前に到着し、着替えた後は馬場で他の組のレッスンを見学。

八王子乗馬クラブは、Show Jumping(障害飛越競技)でたくさん賞をとっていて、フランスやドイツ、オランダにも定型馬場を持つ、すごいところです。

会員のクラスは大勢の人がいましたが、私の体験レッスンタイムはほかに人がおらず、N先生というかたがついてのマンツーマンという贅沢さ。

乗せてもらうのは、ジークくん。茶色の大きなひとなつこい馬で、連れてこられたらすぐに私の方へ顔を向けてきて、私も、おでことおでこをごっつんこ。

Hello, ジーク! 今日はよろしくね〜

と、たくさん撫でる。なんだかずっと知っているカジュアルな仲のような気分だ。

N先生のレッスンは、膝や踵の位置、手首の位置など、こまかく指摘してくれて、ありがたい。

ものごとを教える時、自由に楽しませるタイプと、きっちり基礎を押さえるタイプがあると思うが、私は生徒としては後者が好きなのだ。

それにしても、進めの指示も全く効かず。つまり、内股で締めつつ、踵を落としつつ、膝から下を内側に「トン」とすることが・・・できない。「へとん」という感じになる。

先生が指示を出してくれて歩き出すと、前足を出すタイミングで次に出すべき脚を「トン」しなくてはならない。(右足が前に出た時に、左側を「トン」)それをしないと、歩くのをやめちゃうんですって。なるほど。

乗馬基礎覚書1

・方向を指示する手綱:左へ行きたい時は、左の手綱を左へ開く感じ。
・止まる時は、両方を同時に引く。止まってくれたら、必ず首をぽんぽんしてお礼を伝える。
・腕は鞍の上で休めず、前気味に浮かせておく。
  ↑ これはきっと、いずれ、もっとコントロールをハミに伝えるために常にactiveにしておくためだろうと想像する。西部劇なんかだと鞍の上で休めているけれど、あれは長距離を移動した後の場面が多いから、「休んでいる」状態なのだろう。
・視線は、馬を眺めず、行く先を見ること。

しばらく歩き、たまに左右の指示出しがうまく行っているらしい時は、N先生が「お、ちゃんと歩いてますねー。馬は乗り手が軽く歩きやすいなーと思うと歩くんですよ」と感想を述べてくださる。

「では、速歩、いってみますか」

え〜まだ心の準備が・・・と私は内心ひやひや。

先に、鎧の上で立つ・座るを練習。

乗馬基礎覚書2

踵の位置は、もっと後ろ。
小指に乗らないように、常に親指側に。だからちょっと内股になる感じ。
首、股関節、膝、までは縦ラインに並ばせつつ、足首は後ろにあるようなイメージ?

どうしても踏ん張って踵が前方に出てしまうなあ。ごめんねー、ジーク、背中の上でタイミング悪くゴツンゴツンして。よく我慢してくれました。

と、30分のレッスンはなかなか盛りだくさんでした。
2回の体験レッスンというセットになっているので、次回は、今日の学びが身につけられるように意識したい。

(すでに、椅子に座る時、腰を前方に置いて、踵が坐骨の下にくるような座り方をして、椅子の脚を締める練習をしながらこれを書いておる)

馬場全景

この奥にも向こう側にももっとあるんです、すごいですね!

本日乗せてもらったお馬さん、ジークくんがちょうど、Twitterに上がっていました。

https://twitter.com/hachiojirc_twi/status/1441390515367251972

マルゼンスキー産ってなに?!
初めて目にする単語。
調べてみると:
1974年に日本で生まれたサラブレッド「マルゼンスキー号」は無敗を誇るものすごい競走馬だったそうな。

ジーク君は、その血を引くっていう意味ですよね。す、すごい。なんかのっけからものすごい体験をさせてもらってしまった。

次回を楽しみにしています!