hanged flags beside building

ロンドンの馬具屋 W & H Giddenと19世紀の店たち

乗馬ブーツの手入れをしていて、そういえば、このブーツを買った W & H Gidden はどうなっているのかな、と気になって調べてみた。

W & H Gidden. 1806年創業。ウェリントン公爵がここの鞍に跨ってフランスを蹴散らしたなど、イギリス貴族の馬と切っても切れない仲にある優秀な馬具屋。エリザベス女王とその家族たちもここで鞍やブーツなど馬具一才を注文し、王室を警護する馬たちも全てここの馬具。

74, New Oxford Street, London WC1

住所を眺めるだけで、当時のワクワクでいっぱいのイギリス時代が思い出され胸が熱くなる。

なのに何と1999年にドイツの Schneider Boots に買収されてしまった・・・。

ロンドン留学中に乗馬をたしなみ、帰国間際に乗馬ブーツ、乗馬手袋、乗馬ズボンを購入したのは1997年。

私が持っているのはこちら⇩

それがわずか2年後、ミレニアム前には買収されてしまったのか。

90年代のロンドンは、まだまだ19世紀の大英帝国を堪能できた。

James Smith & Sons の傘(これはまだ健在)
Smython の文房具、名刺、カードホルダー、名入りの便箋封筒セット(これもまだ健在)

分厚い手刺繍のスモーキングジャケットを作っていたBurlington Arcade にあった店(この店は見つからない。当時、高かったけど、一着、買っておけばよかった!)

クリスマスになると何月何日に何名でパーティーやるので、ガチョウを一羽お願い、と注文すると、その大きさのものを森で撃ってきて血抜き・内蔵抜きをして軒先に私の名札をつけてぶら下げておいてくれた肉屋。

Covent Garden も Camden も全く商業化されておらず、個人店がそれぞれてんでに好きなものを売っていた。

もう一度ロンドンへ行って、当時、目を丸くして圧倒されなが歩いた道を辿り、昔あった店を訪ねてみたい。

2019年にロンドンを訪ねた時は、紅茶を出すカフェやサンドイッチをその場で作ってくれる店が全く姿を消してしまったことに呆然とした。アメリカ風のコーヒーハウスばかりだ。なんてこった。

なんてこったと思いつつ、19世紀の残るロンドンを知ることができたのだと思うと、本当に本当に貴重な経験、宝石のような経験をしてきたものだ。これについては、もっとじっくり書き出してもいいかもしれない。自分の記憶のために。


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