舞台での演技 せりふのない時間の使い方

連続してお伝えして来た、舞台での演技シリーズ、今回が一応最終回です。
舞台でせりふがない時間の使いかたですので、舞台での演技が必要のない場合はスルーしてください。
良い戯曲には、せりふがたくさんある登場人物もいますが、せりふのない時間も多くあります。
本当は、せりふのない時間の演技がいちばんたいへん。
休んでいいわけでもないし。
せりふを言っている限りは、することがあるので、そこに集中すればよいだけです。
が、せりふがなければ、いったいなにをして時間を潰せば良いのでしょう???
登場人物像を深めればいいのです!
たとえば、ある題材の女性二人は親友同士。
そして、あるのいたずらを仕掛けた相棒同士でもあります。
交わすセリフはなくても、視線を交わすことはできますよね。
書かれていないからといって、してはいけないわけではないのです。
自分の演じる登場人物は、誰とどんな関係にあるのか、その話題をどれほど共有できるのか、などなどを考えてみてくださいね。
【今日のライブインタラクション】

How to Use Your Legs on Stage: Performance on Stage

I teach opera and classical singers at National Tokyo University of Arts and Music.  In the class, they perform a short scene from an 18th century play.  I find it so important that I decided to tell those important skills on this blog.
First, remind your legs.
To be natural on stage is probably the most important skill.
But in most cases, people themselves who are so tensed and panicked are naturally there, rather than the character whom they need to show.
The key is the legs.
First, stop stepping up and down and walking about.
Especially at some dramatic momentum, amateur actors use their legs to show how much they are in trouble.
Stop that.
Because, the character’s frustration are probably more still and condensed; if they are adult characters, they could be quieter.
But when you yourself are panicked and if the character you are portraying are not, what should you do?
To be continued…
【Today’s Live Interaction】
Recognize how you use your legs normally.

舞台での演技 ストップモーションのコツ

観客の目を引き付けるために、ストップモーションは役に立ちます。
今日は、ストップモーションのコツをお伝えします。
さて、ストップモーションのコツは2点。
1  息をゆっくり細く長く吸い続けること。
息を止めてはいけません。ゆっくり細く長く吸い続けることで、その場の求心力が消えずにすむのです。
2  手の指先にエネルギーを集めること
ストップモーションの手が死んでしまうのはダメ。ストップモーションだけではなく、表現する際の指先のエネルギーは最高に大事です。爪の先に、言いたいこと、気持ち、あなたの感情があると思ってください。そして爪の先で表現するくらいのつもりで。
【今日のライブインタラクション】
友達と、ストップモーションを遊んでみよう

舞台での演技 顔を見せる

舞台初心者のかた、スピーチやプレゼン初心者のかたにお届けします。
顔を見せてください!!
まず、女性は両脇の髪の毛、前髪をとにかく上げること。
照明の陰になって顔が暗くなってしまいます。前髪や横髪のために、瞳が見えないと表情が伝わりません。だから観客は見る気を失ってしまうのです。
前髪と横髪がすっきりしていると、たとえ横を向いていても表現がよく伝わります。
照明にも映えて、日本人の黒髪・茶髪でも、顔が暗くならず、しっかり存在感をもつようになります。
前髪と両脇の髪を下げておくスタイルが求められる演出の場合は、顔が前と上を向かなくてはなりません。が、そのために演技から真実味が消える危険性があります。できるだけ顔の輪郭がはっきりと出るデザインが可能か、演出家や衣装デザイナーと相談してくださいね。
ところで!
なぜ日本人女性は、前髪を下ろすスタイルが好きなのでしょう? 電車の中で見かける中学生、高校生、大学生なんて、前髪が瞳の前まで垂れてきて、ほとんど目が外から見えない女性が多いのに気がつきます。
その人たちに、授業でもリハーサルでも、前髪をあげておでこをしっかりみせるように、と伝えると、一斉に「え〜〜〜〜!やだ、恥ずかしー」と大騒ぎになります。
前髪は、心を隠してくれます。安心しますよね。
でも、おでこは古来から、美と知性の象徴です。
(知性とは、学歴のことではありません。人間誰もが持っているものです)
おでこを出すと、その人の本当の輝くパワーが出てくるので、その人の力を見くびっていた人は驚いてしまうでしょう。たとえば、おでこを出している女性が苦手な男性がいます。それは、その女性の方が自分より強いと感じられてしまうから。
おでこを出すことに慣れると、気持ちは晴れるし、前向きになれます。
映画俳優やモデルたちはおでこを出しているスタイルがほとんどですよね。
(もちろん、例外あり。ショートカットのときは前髪ありも多いです)
舞台に立つ機会の多い人は、ぜひ、普段の生活から、おでこを出してみてください。
人生が明るくなること請け合いです。
今日はスピーチがある、人前で発表がある、という場合も、勇気をだしておでこを出す髪型にしてみましょう。
男性も同様です。
【今日のライブインタラクション】
今日はおでこを出してくらしてみよう

舞台での演技 アドリブは大切か

初めて人前で演技する、それだけでもかなり上がると思います。
上がると失敗も生まれます。
(上がらなくても失敗は生まれます)
自分の失敗や相手の失敗に対処していくには、その場での即応力が必要ですね。
ところで、その場の即応力というと、つい、アドリブ、と思いがちですが、実はアドリブは大切ではありません。
アドリブ、というのは、「勝手にやって」というもの。
ジャズプレイヤーやお笑いのような、「あなた自身のやりたいこと」ができる状況下で可能なものです。
いっぽう、台本のあるドラマでは、その登場人物が観客の幻想を壊さずに登場人物のままでいることが第一。
アドリブに頼ろうというマインドがあると、確実にポシャります。
では、舞台では失敗がおきたときの対処はアドリブではないのか?
ないです。
舞台の上では、登場人物の即応力 Spontenaiety と言います。
即応力とは、登場人物としての咄嗟の反応のこと。
そのためには、
その登場人物像をつかむこと、その場面の流れを知っていること。
それが本当にできれば、本当にリアルな登場人物ができ、本当にナチュラルな反応ができ、なにが起きても本当にナチュラルでリアルな即応力を発揮して、その事態にその登場人物が対処する、ことができるようになります。
実は私は、お笑いでさえ、アドリブではなく、即応力の賜物、と思っているのです。お客様に見せているタレントとしての自分というキャラを崩さずに対応していくわけですから。
登場人物解釈、大事ですね。
【今日のライブインタラクション】
演じているキャラがありますか?

舞台での演技 独白のエネルギーの方向

オペラやミュージカルのアリア(独唱)にも使えるテクニックを紹介します。
独白(以下、アリア含む)は、観客への告白です。
必ず、視線を客席に向けましょう。
観客に対して話しかけているという気持ちです。
とはいえ、前を向いているだけで、視線が死んでしまっていたり、自分が喋っているところをみせているだけになってしまうときがあります。
グループで練習する機会があれば、観客席で見てくれる人に、登場人物として舞台から話しかけるようにせりふを言いましょう。
そのうちに、大勢の観客ひとりひとりの顔を見なくても、観客に話しかけている、という感じをつかむことができるようになります。
補足:
18世紀〜19世紀に形作られたオペラの場合は、まだナチュラルな演技という概念がなかったので、「悲しそうにしているところを見せる」演技が中心でした。写真に撮ったら美しかろう、というすがたかたちを、それらしく見せる、という演技スタイルだったのです。
しかも、その演技スタイルは、「それらしくするだけ」で良かったので、とても簡単。演技に関してズブの素人でもできます。
現代の観客に対して上演するオペラでは、ナチュラルな演技を求めるプロダクションなのか、心理描写はどうでもいい表面的な登場人物を美しく見せるだけで良いプロダクションなのか、プロデューサーと演出家の意向を聞いて、対処しましょう。
世界のスタンダードは、かなり実験的なオペラでも、心理描写を深めるリアルな登場人物像で勝負するのが基本となっています。
【今日のライブインタラクション】
相手の目を見て話しかけてみよう

今年も桜にありがとう🌸

2月、3月と年明けから怒涛の舞台が続き、その合間に執筆、書道、歌、そして春からの舞台の準備と充実して過ごしています。

忙しくしてるだけじゃ、なんのために生きているのかわかりません。旧約聖書でさえ休むことを推奨しています。

私は先週は梅見。

昨日は浜離宮庭園へ桜を見に行きました。

青空に満開の桜。

花のひとつひとつに命があります。

この蜜蜂は🐝大量の花粉を太腿に溜め込んで、重くて動きがノロノロでした。

【今日のライブインタラクション】

さわやかな自然に触れて、それを言葉にしてみましょう

舞台での演技 足の置き方

 舞台の上での足の使い方を連続してお届けしています。
立っている時の足の置き方を工夫して、そこで体重移動を使うと、足音の邪魔なく、沢山の表現が可能だと、前回、お伝えしました。
今日は、脚の形について、です。
まず女性!
ロングスカートで見えないからといって気を抜いて欲しくないのが、つま先の置き方です。
日本の女子学生は、バレエを習っている人以外はほぼ全員つま先を内側に向けてしまっています。
つま先が内向きだと
非常に子供っぽく見えます。
体重が安定しませんので、何かあるとコケます。
背中を安定させることができないので、歌にも声にもストレスがかかります。
膝を硬直させないとしっかり立てないので、歌や声に必要な安定したリラクゼーションができません。
膝が硬直するので、動きが硬くなり、自然な反応も抑えられてしまい、演技が下手に見えます。
良いことがひとつもありませんね。
つま先の内向きは絶対にやめてください。
続いて、男性です。
男性はズボンなので脚の形が見えます。
でも、日本人の多くはO脚。。。
まだ若い人は、バレエダンサーの立ち方を勉強してください。
ゆっくりですが膝がスッと伸びていき、背も高く見えるようになるでしょう。
もう無理、と思う人は、脚を前後にクロスさせ、膝と膝の隙間が見えない立ち方を工夫してみましょう。
もちろん、常にその立ち方では幅広い演技や、堂々たる動きは制限されてしまうので、常に、というわけではないのですが、上品な上流階級の役の時は気をつけるとずいぶん違います。
そうね、やはりバレエの立ち方は男女ともに、年齢を問わずにやった方が良いです。
立ち方、歩き方、歩数など、舞台に生きる脚関連の表現を伝えてきました。
質問があればお気軽にこのメールに返信してきださいな。
【今日のライブインタラクション】
バレエの基礎訓練に行ってみよう!
あ、バレエの先生には、舞台での足の形を綺麗にしたいんです、と目的をお伝えすると良いと思います。

舞台での演技 ステップの数(続編)

舞台上で足音をさせない。
オペラやミュージカルでは音楽の邪魔になるから。
台詞劇では場面に集中できなくなるから。
ではいったいどうやって?
靴の裏に吸音材を貼るのも良いでしょう。
でも、演者が踵からカツカツ着地する歩き方しかできないと、ハイヒールや硬い革靴は本当にお手上げです。
足音を立てない歩き方はぜひマスターしてください。
とはいえ、私がここで言いたいのは、歩く足音以上に、演技をしている最中の足音です。
先日の東京芸大での演技発表会は、コメディの場面が題材でした。
登場人物は、慌てふためいていたり、早く部屋から出て行こうとしたり、それを止める人がいたり、引っ張って行こうとする人がいたり。
さあ、こんな場面で足音はどうすりゃいいの?
舞台上で踏む歩数を調整すること。
歩数が少なくても舞台を広く使ったり、登場人物を大きく見せたり、様々な表現ができるのです。
相手と喋るとき、足を前後に開いて立っておけば、足を踏み変えなくても、体重移動だけで、かなりたくさんのことが表現できます。
ぜひお試しあれ。
【今日のライブインタラクション】
前重心と後ろ重心とで、気分はどう違いますか?

舞台の演技 ステップの数

前回、足をドタバタさせるな、という話をしましたね。
舞台では全身が見えてしまうのに、胸から上だけで演じたつもりになってしまう人が多いのです。
どんな風に足を使うのか、いつも考えておきましょう。
さて、オペラやミュージカルなど音楽が背景に流れている作品で、足音が音楽の邪魔をしたら大変です!
もちろん、台詞劇でも。
舞台では、足音がしないほうが良い。
そのため、私は靴底にもめちゃくちゃ気を遣います。
床の素材に合わせて靴の裏にフェルトを貼ったり、ゴムを貼ったり。
余談ですが、床に足を投げ出して座る場面や、喧嘩で倒れる場面、なにかを拾うのに跪くことも考え、靴の裏にも登場人物の歴史を刻みます。
日本のサイズ表示やブランド名は消し、すり減らしたり、泥に見えるよう塗ったり。
足音はさせない、というのはリアルではありません。
でも、靴の裏にまで気を使うのはリアルです。
つまり、舞台上で必要なのは、リアルさというわけではなく、お客様に、その場面で余計なことを考えさせない「見せ方」なのです。
余計なこととは
「下手だなぁ」
「靴底に日本のサイズ書いてある、ワロタ」
「あのピストルは時代が違う」
「なんか一本調子だなあ」
「足音うるさっ」
というようなことです。
そんなことを考えさせずにドラマに引き込むこと。
これが私たち舞台人の大命題!
さて、話がだいぶ逸れたので、足音をさせない方法については、また次回。
【今日のライブインタラクション】
引き込まれるドラマの要素を考えてみましょう