先月の話になりますが、英国王立演劇アカデミーのNicholas Barter元校長が、妻でアレクサンダーテクニック指導者である桜典子さんを連れて久しぶりに来日なさり、そのワークショップに1日だけ参加してきました。
かなり多くの日数、演技ワークショップとアレクサンダーテクニックのコースを東京と地方で対面開催なさったので、私もかろうじて1日だけ参加することができたのです。
典子さんのアレクサンダーテクニックの細やかさと正確さ、それからニック先生の読解力の相変わらずの深さと19世紀上流階級の立ち振る舞いに関する深い知識と教養に、懐かしさを覚え、改めて感銘を受けました。
参加者の多くは、このご夫婦がイギリスから毎週火曜と木曜にお送りしている演技講座及び別の曜日にも開催しているアレクサンダーレッスンにオンラインで参加している方々で、対面で会えることを喜んでいらっしゃいました。私にとっては初対面の方も多かったのですが、温かく迎えてくれて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
それにしても、ニックさんの台本読解を聞いていると、この解説を聞かずして翻訳はできないなぁとさえ思ってしまいます。私の翻訳や演出の元になっているのは、このBarter先生に教わった、深く背景を読み取り、研究した上で、できるだけ演劇的な面白さを追求していくことを目指す姿勢にあります。ニコラス・バーター先生なくして、演出家・俳優としての私は本当にあり得ません。
その数日後、やはり私の恩師である提出家&翻訳家、吉岩正晴先生(彼のおかげでニックさんが日本とのつながりを持つことができた)と3人で、ワークショップ会場近くのカフェで旧交を温めました。次はどこで会えるかな。
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