乗馬 Day 50:鞍ホルダーから手を離せた日

2033年4月19日火曜日。今日は大ニュースがありますよ。
ぱんぱかぱーん! ダンツキャストくんのお誕生日です。
そして!
私は、調馬索での駆け足練習の際に、鞍ホルダーから両手を離すことができました!

指導は安澤先生、パートナーはダンスキャスト。先週乗馬ズボンを下さったWさんが青草を切ってらしたので、まずお礼にちょっとしたお菓子を差し上げて乗馬の準備。青い新鮮な草を準備していたのは何故かと言うと、なんと今日はダンスくんのお誕生日だからです! 26歳。人間で言うと何歳になるのかな? 長い草だと喉に引っかかってしまうので、10センチ位の長さに切ってまとめて手のひらであげます。若い馬は永井宏子さん、40センチの草もバリバリ食べてしまうそうですが、ダンツくんはお年なので噛みきれないのだそうです。でも青草が大好きで、すっかり緑の口紅状態のお茶目なダンツくん。

乗馬準備

私はまだ鞍を載せることができません。もうちょっとダンツくんと仲良くなってからのようです。特に腹帯を閉めるのを馬は嫌がるものなので、先生も私に口周りに近づかないように、と指示します。次回はもう少し早く到着して、前足のプロテクターをはめたりしてみようかな。

乗り込み

馬場に入る前に新鮮な青草だのバナナだのりんごだの食べてお腹いっぱいのせいか、ダンツくん、もうすっかりやる気がありません。手綱を引いて馬場まで連れて行くのですが、首をいつもよりも格段に下げたままのったりと私の後をついていきます。おめめも眠そうです。もっとりんご食べていたいのね。乗り込む際、体重を馬の背中全体に預けてバランスをとってから、右足をまたぐというのをやりたいのですが、まだぎこちなく。鞍に体重を預けところになかなか行けません。乗り込んでからの鎧の長さ調節はイギリス時代に習いましたし、サンヨーガーデンでも復習したのでできるのですが、ここではまだ安澤先生がやってくださいます。鞍の前側にある膝当てよりも膝が前に出ないくらいがちょうど良いらしい。

常歩で学べること

常歩が異様に遅いダンツくん。おかげで私は、坐骨のバランスや骨盤の傾きや踵の深さやつま先の引っ掛け具合や肩など、落ち着いてチェックします。どんな時間も無駄にしないのだ。

今日の前半は馬場の奥でドレサージュをコーチと練習している方がいらしたので、手前半分を使います。それにしても奥のかたの馬の蹄の跡が見事な円形になっていて、それだけでもすごい!と思います。私なんかまだ蹄跡がめちゃくちゃです。埒いっぱいにね、と安澤先生からの指示。なるほど。

軽速歩で右手前&左手前

ダンツくん、軽速歩には、相変わらずなかなかなってくれなくて、どうしたって私の指示というよりは安澤先生が近づいてくると「やっべ」と心の声が聞こえるほど明確に速足を始めるダンツくん。

彼は門のところに来ると立ち止まりたい。

つまり、まず私の課題は、私の指示で速足にさせることと、それを1周以上持続させること。

今日の軽速歩はなかなかうまくいかなかった。半周で止まってしまって。私の脚の使い方や座り方に何か気に入らないところがあるのだろう。先生は「いやいやべつに」とおっしゃるが。自覚としては、まだ膝周りで締め付ける感じがある。できるだけ自由にしているのだが、頭でいろいろ考察していると体とバラバラになる。

「しゅっしゅっ」と息を吐くリズムをつくるとダンツくんもそのリズムになってくれて、なんとか長めに乗れるようになり、軽速歩を緩めずに方向転換(右手前、左手前)もできた。尤も、せっかく方向転換までは良かったのに、前方の埒に到着して回りはじめようとすると止まってしまうんだけれど。

正反動

軽速歩から流れで正反動。
正反動。英語では sitting trot なので意味がわかりやすい。

つまり、速歩での馬の背骨の上下運動を逃すために、わざと放り上げられて落ちて座るのを、2拍で繰り返す軽速歩 は posting trot (イギリス英語の言い回しには結構不思議なものがあるが、これは「ポスト」がもともと「立っている」という古い意味があるため。アメリカ英語的には standing trot とも言う)なのだが、

放り上げられずに、馬の背中から離れず座ったままでいるのを sitting trot と言うのです。

で、これは坐骨で乗っていることが本当に大事で、さもないと、尾骶骨かあるいは坐骨より前の男女共にあのちょっとえっちな箇所を傷めてしまいます。でもきちんと坐骨で乗っていられれば、全く問題ありません。だからこそ、常歩と軽速歩とで常に坐骨にいられるように練習するのが大事。私は家でバランスボールで練習します。

これまでも正反動は、軽速歩からの流れでそのまま練習というときもありましたが、私はただボンボンとバスケットボールのように弾むだけでした。このクラブで調馬索で安全な状態で、鞍ホルダーを使って後傾することを知り、そこから「なるほど」が始まりました。乗馬動画で乗り手の骨盤の動きを見てイメージトレーニングもします。

今までは正反動の「後傾」を保てずに、ひたすら鞍ホルダーに掴まって、まるでロデオですか、という感じでしたが(ロデオとは、アメリカの西部劇で暴れ馬や暴れ牛から落ちないように掴まっているのを競争する、あれ)、

今日は、後傾の感じもつかめてきたので、鞍ホルダーから手を離してみました。まず、恐怖心が減っています。バスケットボールみたいに弾むのではなく、鞍と一緒に動き、足の裏で反動を逃すという感じが掴めてきました。少しお尻は浮き沈みしますが、なんだかイギリスの映画で観るような、貴族がトントントントンと馬に乗ってやってくるようなイメージで乗っている私がいました。やったー(花火)

が、速足を続けさせるために円を描いて乗っている外脚を使わなくてはならないのですが、そこまでまだ意識が行きません。脚をつかおうとすると前のめりになって跳ね上げられてしまいます。これが次の課題だな。

調馬索で駈歩

sitting trot を手綱でできるようになったので、次は調馬索で駈歩の練習。

停止→数歩後退→手綱を張って→両脚で合図。

後退まではいい感じで行けるようになりましたが、手綱を張ってからスタート、というのがよれよれです。手綱をまだ、まるで操れていない。左右の長さが違ってしまうし、長くなりすぎた際に短く持ち直すなどが、下を向いてガイド(手綱には、ギターのフレットのように、革で2インチごとにガイドがついているのです。それによって左右同じ長さかどうかわかるのだ)の数を数えたりしなくてはならない。とほほ。

さて、安澤先生の言うことならきくダンツくんは調馬索がついていることもあって、ちゃんと左方向へ駈歩を始めてくれます。長い鬣(たてがみ)がなびいて本当にかっこいいのだ。これ、外から見てみたい。あ、馬場には鏡もあるのだが、とてもじゃないがそれをみているゆとりは、ない! 

そのうちに先生が、「もう右手も離せるんじゃないですか?」と。むー。恐怖心は減っているし、右手で必死に掴まっている感じもないし、左手はいい感じだし、鞍との接点も良い感じだし、確かに。しかし、いざ鞍ホルダーから離そうと思うと、その頃には1周が終わりそうで、ちょうどダンツくんは「はいこのへんで」と速歩に戻ってしまう。何度もそれがありつつ、やっと右手を鞍ホルダーから離す!離せた!3ペースほど駆けられた! おお、感動。

「スタートから掴まらないでいきましょう」ななななんと。「できますよ」に励まされて、やってみた。ドキドキする。ホルダーから手を離して、手綱だけいつも落ち着いた場所で持って、引いて(張って)両足で合図。ダンツくん駈歩スタート。おお、できました! ホルダーから両手が離れています。つまり、手綱だけで(いや、調馬索ついてるけど)、ダンツくんの駈歩の首の動きに合わせています。馬を駆っている、というやつです。それを三輪えり花がやっています。わお、できた、嬉しい、めちゃ嬉しい。胸がいっぱい。

調馬索つきですが、できました。次はいつ調馬索を外して駈歩ができるか、です。もうしばらく正反動だけの練習が続くのではないかな。あとは手綱、坐骨。速歩の指示と維持。

運動神経と恐怖心

馬から落ちたことはありませんが、馬の高さは知っています。そして三輪えり花はものすごく運動神経がにぶいのです。筋肉もないし、支えたり咄嗟に守ったりのようなことに関して自分ができるとは1ミリも思えません。だから、この高さから落ちたらひとたまりもない、とマジで思っています。だから慎重ですし、ちょっとでも馬のスピードが速くなると、もうコントロールできないのではないかとの恐怖が先立ち、停めたくなってしまいます。調馬索がないと怖いという意識もあります。全ては「私にはこの馬をコントロールできない」と感じていることからくるものでしょうが、なかなか先へ進めません。本来は毎日お世話をして仲良くなることこそが大事なのではないかしら。それでもこうして少しづつできることが増えていくのはとても嬉しいです。

ダンツキャストのお誕生日会

今日はお誕生日のダンツくん。ハミを外し、頭絡をつけて(その間に鞍は先生がはずす)、前脚のプロテクターを外し、体を拭いて、バースデーソングを歌いながらりんごをあげました。Wさんがダンツくんの馬房にバースデーケーキを作っていました。すごい! ダンツくん、馬場から出るときも元気ないし、馬房に戻る時も元気ない。走る時はがんばってくれたけど・・・。馬房に入って、バースデーケーキに気づくも、皆が期待していたようにがっつくわけでもなく、ちょっと眺めてから、ゆっくり食べ始めました。やっぱり青草が一番だね!

おまけ:馬から目を離すな

水をとりにロビーまで行った際、馬場にM先生がモンちゃんという馬を放牧していた。モンちゃんはロデオ系で跳ねたり蹴り上げたりがすごい。すごい勢いで走ってくるかと思うとビョンビョンロデオして、元気いっぱい。お顔は可愛いので、怒っているとかではなく、動きたくて仕方ない、生命力溢れる様子。かと思うとピタっと静止。あきらかにゲームを楽しんでいる感じ。うちのROMEOみたい。Mさんがいなくなると一人でポツネンと立っていましたが、私がロビーの階段を降りてくると興味津々で近づいてきた。私はこう見えて無闇に馬には触らないので、馬が首を埒から出して私に鼻面を近づけてふんふんするに任せていた。馬がそれに飽きたらしいころに背中を向けて帰ろうとすると、ガツんとものすごい音が。ふりかえってみると、なんと埒の柱が折れている。何が起きたのだ?ぶつかったの? 上から見ていたWさんが降りてきて、蹴ったと言っていました。

わたしが背中を向けたところを後足で跳ね上げたのだろうか。もしも埒が間になかったらと思うと、かなり危ない。馬房や洗蹄場に入れるときも、馬房だから、狭いから、と馬を見ないで先へ入る人もいますが、必ず馬の様子を見ながら回し入れる、と動画で学びました。埒があっても、じゅうぶん距離が離れるまで、馬の様子を見ておかなくてはならないな。


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