出版記念レポート2Event Report 2

1640、祝賀会の開場です。私は本当はドアを自分で開けて、祝賀会にお越しのお客様をお出迎えしたかったのですが、ギリギリまでスライドの字幕を直し、再度それらがうまくいくようにリハを重ねていたせいで、登場が遅れてしまいました。

しかも、ご入場いただいたら即、スパークリングワインをお手にとってまずは和んでいただこうと準備しておりましたのに、私の連絡ミスで、お客様はずっとカラテで待ちぼうけ。

本当にごめんなさい涙!

それにしても皆さん、そんなそぶりは一切見せず、私が到着するとお花やお祝いを手にそばに駆け寄ってくださり、あっという間に会場は賑やかに。

ルーサーさんも登場し、いよいよ乾杯!

ここでも、グラスの受け渡しやテーブルの配置など、お客様の動線とこちらの想像が食い違い、ちょっとバタバタしてしまいました。

いずれにせよ、皆さんのお手に、キンキンに冷えたスパークリングワインが行き渡り、乾杯です。

私「本日は新刊『シェイクスピアの演技術』出版記念祝賀会へお運び下さいましてどうもありがとうございます。

私のこれまでの活動と、今日この日を迎えることを可能にしてくださった、ごく内輪の方々での祝賀会です。

あまり時間もありませんがどうぞゆっくりおくつろぎください。

乾杯の音頭は、私がプロの演劇人になるきっかけを作ったくださった方にお願いしたいと思います。

国際交流基金理事長の安藤裕康さんです」

安藤さんご登場。

私「安藤さん、乾杯の前に、少し、安藤さんとのご関係を私からお話ししていいですか?

実は私、ロンドン大学の大学院を終えた時、修了公演が大変評判を得まして、エジンバラフェスティバルへ持っていかないかという話になったのです。

でも先立つものがない。

そこで、ロンドンの日本大使館へ乗り込んでいきました。

当時は文化担当参事官だった安藤さんがお忙しいのに会ってくださって、私はいろいろまくし立てるわけです。

あ、これ、言っちゃっていいんですか?」

安藤さん「もうどうぞどうぞ、なんでも」

私「では、もうしますが、安藤さんはずーっとしかめっ面で腕組み足組して深々と大きな椅子に腰かけたままじっと黙っていらっしゃるんですよ。

で、私がエジンバラフェスティバルに出品するのにお金がいるのだ、どうにかならないか、と話し終わると、

「お金はないけど仕事ならあります」

と、私、スカウトされてしまったんですね。

後でわかったのですが、安藤さん自身、大変な演劇好きで、あちこちいろいろなところへ連れて行ってくださり、いろいろな方に紹介してくださり、その関係で、私は帰国してから劇団昴に入ることができたのです。

安藤さんがいらっしゃらなかったら、今の私は無いのです。この本も出ていなかったのです。

本当にありがとうございます。では、よろしくお願いいたします」

そしてご挨拶くださった安藤さん。

主旨は、

「三輪えり花という人間は大使館だの劇団だのという小さな籠の中でじっとさせておくにはふさわしくないので、自由に羽ばたいていけるのがいいんだ」

というようなことを笑顔で、ずいぶん長くお話くださり、

「これまでのシェイクスピアの専門家を乗り越えて、シェイクスピアの第一人者になっていく人です」

とご紹介してくださり、出版と将来に乾杯してくださいました。

ありがたくてなみだがでます。

私「安藤さん、ありがとうございます。

ところで安藤さんにはそうおっしゃっていただきましたが、私はどうにも二番手でございまして、日本には、素晴らしい発音と声、豊かな日本語を駆使した見事な翻訳、そして演出にも才能を発揮なさる河合祥一郎先生がいらっしゃいます。

河合先生にはこの本の方向性を決める一言をおっしゃっていただきまして、河合先生がいらっしゃらなかったら、この本はこういう本にはなっていなかったと言えるのであります。

河合先生、よろしければぜひお言葉をお願いいたします」

河合先生ご登場。

自己紹介をなさってから第一声は、

「私はえり花さんに嫉妬しております。」

でした笑笑。

「シェイクスピアをやっている人は多いが、本場で原語でじかに演技演出を学んできたことほど強いことはない」

とお褒め頂き、最後は

「できることなら、僕がこの本を書きたかった」

と締めくくられ、

それから、見事な英語で原文暗唱!!

「本当はtomorrow スピーチにしようと思ったんですが、あれは最後が signifying nothing で終わるので、あまり祝賀会にはふさわしくなかろうと、Love で始まりjoy で終わる言葉を選びました」

として、夏の夜の夢から、シーシウスの、詩人と狂人は紙一重、のスピーチを。

もうね、あの英語は本当に酔いしれる。

河合先生も、全部耳コピだそうで、私は基本、カナダでの耳コピなので、いわゆる正統派ブリティッシュ発音では無いところも顔を覗かせてしまうのだが、河合先生のは軟口蓋の縦開けの感じとか本当にすごい。

私は河合先生を「生けるマイフェアレディ」と呼んでいます。

そして、とっても美味しい懐石料理の青山のケータリングを皆さんきちんと召し上がり、和気藹々と、新しい友達を作ったりしている皆さんを見てしあわせな気持ちになりました。

仲間たちが飾り付けたロビー飾りや写真、メッセージカードも好評でした。

座る場所をもう少し作ればよかったな。

途中で、ロンドン土産のプレゼントタイム。

仲間がクイズを作ってくれて、当たった人とジャンケンとで、皆さんたのしんでくださったみたい。

皆さんのお一人ずつに、シェイクスピアの名せりふで縁起の良いものを選んで墨と筆で書いた色紙を包んでプレゼントしました。

あと、チケットは、あとでまた公演の中でもプレゼントタイムがあるので、無くさないように持っていて頂きます。

ともするうちに、1820になったので、劇場にご案内します。

つづく。。。


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