東京藝術大学の学部2年生たちと。
三輪えり花の演技の授業
秋学期はずっと、言葉を使わないインタラクション、単語を一つしか使わないインタラクション、ステイタス・エクササイズ、即興、などで演技術を教えてきました。
授業も残り少なくなってきたので、そろそろ印刷された台詞を使おうと、ヘンリク・イプセンの『人形の家』(三輪えり花訳)を選びました。
かつて同級生だった女性二人の10年ぶりの再会(ノーラとリンデ夫人)とかつて恋人だった二人の10年ぶりの再会(リンデ夫人とクログスタ)と。
再会の場面は
それまでの過去を抱えて何をしに現れたのか、がストレートに出るので、たくさんのことを知っておかなくてはなりません。
イプセンの作品は登場人物が少なく、人間関係の密度が濃く、互いに隠している秘密が多く、演技の勉強には最適です。
はっきり言って、スタニスラフスキイを学ぶには、チェーホフよりもイプセンがお勧めです。
(そう思っていたら、オーストラリアでメル・ギブソンやケイト・ブランシェットを育てたオーブリー・メローも、イギリスでケネス・ブラナーや今は亡きスネイプ先生を育てたニコラス・バーターも、大賛成してくれました)
さて、今年も学部生はみんなたっぷり学んでくれたようです。
毎年のクラス、私は全員のことが大好き。
それでもこの年の組(春も秋も)が、かなり特別なのは、演劇の舞台が大好きな人たちが揃っていること。演じることへの興味と熱意がすばらしかった。真剣さがよい。
このまますくすく育て!
【今日のライブインタラクション】
予期せぬ再会をしたとき、どんな反応をしましたか? それは相手に伝わったと思いますか?
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