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タグ: 表現力

  • シェイクスピアの歌を作って歌ってきました

    三輪えり花をコロナ禍前からご存知のかたは、私が、『シェイクスピア遊び語り』というシリーズで、シェイクスピアの作品を紹介してきたこと、『何がすごいの?シェイクスピア』という戯曲を書いて上演していたことは憶えていらっしゃることと思います。

    それらの上演の際に、必ず歌う歌があります。今回、某歌曲祭に参加して、歌ってまいりました。

    1曲目『シェイクスピア、誰?』

    作詞:三輪えり花、作曲:後藤浩明 です。元々は合唱でしたが、今回は独唱で。シェイクスピアはすごいんだよ、ということがストレートに伝わるとっても楽しい歌です。

    2曲目『作者のシェイクスピア』
    作詞作曲:三輪えり花。元々は、途中の2箇所に、日本と海外の古い童謡のメロディーを替え歌にして使っていましたが、公に発表する今回、また、著作権について初演当時より厳しくなってきた関係で、替え歌にしていた部分もまるまる三輪えり花、作曲し直しました。おかげでさらにめちゃめちゃ楽しくかっこよくなりました。

    これまで、歌を歌うということに、「私のようなへたくそが歌ってもお客様は横部どころか、引いてしまうのではないか」と恐怖心が先立っていました。が、これまでクラシック歌曲を練習してきた積み重ねのおかげで、今回、生まれて初めて「聞いて聞いて、めちゃくちゃ楽しい歌だから、一緒に楽しもう!」との気持ちで歌うことができました。

    Youtubeに公開したので、お時間あるときにでも!

    2024年9月28日
    副次的文化系歌曲祭
    於:トーキョーコンサーツラボ

  • ここに座ってひとりぼっち[Shakespeare For You]

    ここに座ってひとりぼっち[Shakespeare For You]

    今日の一言シェイクスピアは、夜の森で寂しくナイチンゲールを聴く心とは?

    『ヴェロゥナの二紳士』ヴァレンタイン

    🎭 Here can I sit alone, unseen of any,
    And to the nightingale’s complaining notes
    Tune my distresses and record my woes.

    🎭 ここに座ってひとりぼっち、誰にも気づかれない、
    ナイチンゲールの不平たらたらの歌声に
    合わせて俺の無念を奏で、この嘆きを歌に残すばかり。

    【演じ方】

    夜の森に一人、ヴァレンタインが、ミラノにいる恋人シルヴィアを思って、心のうちを語る台詞。

    (ヴァレンタインは、シルヴィアの父ミラノ大公の怒りを買い、追放になり、いまや森の盗賊たちのボスに祭り上げられ暮らしています)

    ヴァレンタインはただナイチンゲールがうるさいと不満を漏らしているのではありません。シルヴィアのことを思い、自らの運命を嘆いています。誰も、俺がいま、どうしているか知らないんだ。このまま俺は消えていくのか、と。

    独白は、決して、独り言ではありません。

    必ず、観客に向かって、「訴える」「尋ねる」「賛成してもらう」こと。

    その時も、決して、棒読みっぽくなったり、文字を読み上げている感じになったり、棒読み系のナレーターのようになったりしてはいけません。書かれた文章のようになってはいけないのです。

    ヴァレンタインは、夜の森に一人でいます。眠れないのです。シルヴィアのことを思うと。

    夜なので、気づくとナイチンゲールが鳴いています。

    ナイチンゲールは、普通は、美しく、心楽しく、幸せな気分をもたらしてくれます。

    が、ヴァレンタインにとっては、不平不満をピーチクパーチク、ツイートしているだけに聞こえます。

    そして、「いいなあ、ナイチンゲールは。あんなに自由に不平不満を捲し立てることができて。俺には無理だもの。」

    と思い、そのナイチンゲールが俺の代わりにこの嘆きの気持ちを訴えている気がする、と思うのです。嘆きの心を記録して歌に残してくれないかな、と。

    わには、さらに、いつか誰かが、俺の消息をこの歌で知る日が来るんじゃないのかな、との思いさえ入っている気がします。

    ここまで考えて、やっとこの台詞を言う準備が整いました。

    実際に演じる時は、瞬時にここまでを積み上げ、「どうしたらこの思いを言葉にできるだろうか」と考えながら、言葉を紡いでいきます。

  • 住めば都 [Shakespeare For You]

    住めば都 [Shakespeare For You]

    意図せず森の逃亡者たちのボスになった『ヴェロゥナの二紳士』ヴァレンタイン

    🎭 How use doth breed a habit in a man!

    🎭 今より1000倍も酷い目に遭ってきたもの、
    住めば都、とは言ったものだ!

    【演じ方】

    恋人シルヴィアの父ミラノ大公の怒りを買い、追放になったヴァレンタインはいまや森の盗賊たちのボスに祭り上げられました。しばらくそこで暮らして言った台詞がこれ。

    落胆の中で言っても良いし、諦観して言ってもいい。

    ただし、ミラノにいる恋人シルヴィアのことは忘れません。会いたくて懐かしくてたまらない気持ちをきちんと持って演じたい。

    それでも、水っぽくなったり、辛気臭くなったり、御涙頂戴になったりすると、シェイクスピア的ではなくなるので、要注意。⇦ ここ、日本人の特性なので、観客はそれが好みかもしれない。演じやすいかもしれない。観客の好みに合わせるという選択肢、もちろんあります。

    #シェイクスピア #名台詞 #英語 #演じ方 #ヴァレンタイン #ヴェロゥナの二紳士 #和服

  • 今より1000倍酷い目に[Shakespeare For You]

    今より1000倍酷い目に[Shakespeare For You]

    一難去ってまた一難の『ヴェロゥナの二紳士』シルヴィア

    🎭 A thousand more mischances than this one
    Have learn’d me how to brook this patiently.

    🎭 今より1000倍も酷い目に遭ってきたもの、
    これくらいじっと我慢してみせる。

    【演じ方】

    やっとの思いで父に閉じ込められていた塔から抜け出したシルヴィア、今度は森の盗賊に捕まってしまい、放った一言。

    強いですね〜。
    でもその内心にある恐怖を忘れてはいけません。

    演技のキーワードは「我慢」

    #シェイクスピア #名台詞 #英語 #演じ方 #シルヴィア #ヴェロゥナの二紳士 #和服

  • じゃあ私も追いかける [Shakespeare For You]

    じゃあ私も追いかける [Shakespeare For You]

    誰が何を知っているからどう動く?

    『ヴェロゥナの二紳士』3人が秘密の作戦を打ち明ける場面

    🎭  Turio:  
    I’ll after, more to be revenged on Eglamour
    Than for the love of reckless Silvia. 

    Proteus:  
    And I will follow, more for Silvia’s love
    Than hate of Eglamour that goes with her. 

    Julia:  
    And I will follow, more to cross that love
    Than hate for Silvia that is gone for love.

    🎭 テュリオゥ「追いかけてやる、エグラムーアへ復讐するためだ、
    向こう見ずなシルヴィアへの恋に夢中になっている場合じゃあない。

    プロテウス「じゃあ俺も追いかける、シルヴィアへの恋のためだ、
    一緒に行ったエグラムーアを憎んでいる場合じゃあない。

    ジュリア「じゃあ私も追いかける、その恋路を邪魔するために、
    恋のために出ていったシルヴィアを憎んでいる場合じゃあない。

    【演じ方】

    何が起きているかと言いますと、自宅の塔のてっぺんに閉じ込められたシルヴィアは、騎士エグラムーアの力を借りてついに恋する人を追いかけて逃げました。

    それを知ったこの3人の台詞がこれ。

    「追いかけてやる」の繰り返しや、前の人が使った文章構造を使って自分の気持ちを言うなど、シェイクスピアらしい言葉の遊びが詰まった部分。良いですね〜。

    「自分を好きじゃないけど自分がすごく恋している人を追いかけて森へ行く」

    ちょっと誰が何を知っているか、どこまで秘密が安全かを考えてみましょう。

    テュリオゥがシルヴィアに求婚中なのは周知の事実、ですから、誰にこれを聞かれても安全です。彼は二人に向かってこのセリフを宣言できます。

    プロテウスは、テュリオゥに気持ちを知られてはいけませんが、少年セバスチャン(実はジュリア)には、打ち明けていますから、これも彼に宣言できます。

    ジュリアだけは誰にも真実を打ち明けていません。観客にのみ本心を打ち明けることができます。

    これらを舞台上の動きでみたらとても面白いですね。

    動き、ときくと演出家の仕事のように思うかもしれませんが、このように彼らの心理や状況を知っていれば、俳優だけで場面の動きを自然と作り上げていくことができるのです。

    #シェイクスピア #名台詞 #英語 #演じ方 #ジュリア #ヴェロゥナの二紳士 #和服