誰が何を知っているからどう動く?
『ヴェロゥナの二紳士』3人が秘密の作戦を打ち明ける場面
🎭 Turio:
I’ll after, more to be revenged on Eglamour
Than for the love of reckless Silvia.
Proteus:
And I will follow, more for Silvia’s love
Than hate of Eglamour that goes with her.
Julia:
And I will follow, more to cross that love
Than hate for Silvia that is gone for love.
🎭 テュリオゥ「追いかけてやる、エグラムーアへ復讐するためだ、
向こう見ずなシルヴィアへの恋に夢中になっている場合じゃあない。
プロテウス「じゃあ俺も追いかける、シルヴィアへの恋のためだ、
一緒に行ったエグラムーアを憎んでいる場合じゃあない。
ジュリア「じゃあ私も追いかける、その恋路を邪魔するために、
恋のために出ていったシルヴィアを憎んでいる場合じゃあない。
【演じ方】
何が起きているかと言いますと、自宅の塔のてっぺんに閉じ込められたシルヴィアは、騎士エグラムーアの力を借りてついに恋する人を追いかけて逃げました。
それを知ったこの3人の台詞がこれ。
「追いかけてやる」の繰り返しや、前の人が使った文章構造を使って自分の気持ちを言うなど、シェイクスピアらしい言葉の遊びが詰まった部分。良いですね〜。
「自分を好きじゃないけど自分がすごく恋している人を追いかけて森へ行く」
ちょっと誰が何を知っているか、どこまで秘密が安全かを考えてみましょう。
テュリオゥがシルヴィアに求婚中なのは周知の事実、ですから、誰にこれを聞かれても安全です。彼は二人に向かってこのセリフを宣言できます。
プロテウスは、テュリオゥに気持ちを知られてはいけませんが、少年セバスチャン(実はジュリア)には、打ち明けていますから、これも彼に宣言できます。
ジュリアだけは誰にも真実を打ち明けていません。観客にのみ本心を打ち明けることができます。
これらを舞台上の動きでみたらとても面白いですね。
動き、ときくと演出家の仕事のように思うかもしれませんが、このように彼らの心理や状況を知っていれば、俳優だけで場面の動きを自然と作り上げていくことができるのです。
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