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カテゴリー: 表現力と感情表現

  • 表現力と存在感

    表現力と存在感

    表現力と存在感。

    人前で何かを発表する人には欠かせないもの。

    これを、演劇を使って身につけることができることを私はずっと提唱してきたし、実際に指導してきました。

    明治大学の経営大学院での【自己表現 プレゼンス】の授業は、ありがたいことにとても人気で、かつ国際色豊かな学生たちが集まり、国際交流をしながら、表現力と存在感を学んでくれています。使っているテキストは『インプロ 自由自在な行動表現』 (by キース・ジョンストン、而立書房)と『英国の演技術』(by 三輪えり花 玉川大学出版部)です。

    大妻女子大学での【英米文学:映像と身体表現】の授業は、すべて英語でおこなっていますが、英語でのコミュニケーションの際の表現力と存在感を『クラシカル・アクティング』(by マルコルム・モリソン、而立書房)、『英国の演技術』『シェイクスピアの演技術』(両方とも by 三輪えり花、玉川大学出版部)などを使っています。

    これまで、ビジネス系のコーチングをなさる方々のレッスンやワークもいろいろ見てきましたが、彼らが使っているのは、結局、キース・ジョンストンが考案したワークだったり、ほかの欧米演劇人が考案したエクササイズだったり、です。

    そう、演劇的訓練は、人前に出る全ての人にとって、ものすごく役に立つのです。

    で、人前に出るすべての人って?

    はい、俳優や歌手やダンサー、もちろん。
    それだけ?

    いいえ。
    営業、経営者、授業をする人、レッスンをする人、レッスンを受けて見てもらう人、授業を受けて発言する人、プレゼンテーションをする人、商品を売る人、商品を買う人、交渉する人、陳述に行く人、陳述を受ける人。

    ほんまに、人間すべてやで。

    演劇的訓練は、表現力と存在感と、そしてコミュニケーション能力が一方的にならない「インタラクション」を培ってくれるのです。

    しかも、今その場で、生の状況でのライブインタラクション能力が身につくと最強です。

    最近、他の演劇系の指導者も、演劇的訓練の一部を使って表現力と存在感を身につけましょう、と提唱するレッスンを始めたようです。

    演劇系の人がレッスンやワークショップを行う時、これまでは俳優主体で、「演技力をつけましょう」だったものが、今やあらゆる人を対象に、「表現力と存在感を身につけられます」と提唱する人が、私のまわりに増えてきたわけです。

    大変に喜ばしい!

    皆さん!
    表現力と存在感は、様々な演劇的訓練で身につけられます。
    舞台や映画を観るだけでも、それなりの観かたを知れば、身につきます。
    演劇を楽しんで!

  • ニックさんのワークショップ

    ニックさんのワークショップ

    先月の話になりますが、英国王立演劇アカデミーのNicholas Barter元校長が、妻でアレクサンダーテクニック指導者である桜典子さんを連れて久しぶりに来日なさり、そのワークショップに1日だけ参加してきました。

    かなり多くの日数、演技ワークショップとアレクサンダーテクニックのコースを東京と地方で対面開催なさったので、私もかろうじて1日だけ参加することができたのです。

    典子さんのアレクサンダーテクニックの細やかさと正確さ、それからニック先生の読解力の相変わらずの深さと19世紀上流階級の立ち振る舞いに関する深い知識と教養に、懐かしさを覚え、改めて感銘を受けました。

    参加者の多くは、このご夫婦がイギリスから毎週火曜と木曜にお送りしている演技講座及び別の曜日にも開催しているアレクサンダーレッスンにオンラインで参加している方々で、対面で会えることを喜んでいらっしゃいました。私にとっては初対面の方も多かったのですが、温かく迎えてくれて、とても楽しい時間を過ごすことができました。

    それにしても、ニックさんの台本読解を聞いていると、この解説を聞かずして翻訳はできないなぁとさえ思ってしまいます。私の翻訳や演出の元になっているのは、このBarter先生に教わった、深く背景を読み取り、研究した上で、できるだけ演劇的な面白さを追求していくことを目指す姿勢にあります。ニコラス・バーター先生なくして、演出家・俳優としての私は本当にあり得ません。

    その数日後、やはり私の恩師である提出家&翻訳家、吉岩正晴先生(彼のおかげでニックさんが日本とのつながりを持つことができた)と3人で、ワークショップ会場近くのカフェで旧交を温めました。次はどこで会えるかな。

  • 「演技」ってなんだろう?

    「演技」ってなんだろう?

    薔薇の美しい季節になりました。
    そろそろマスクを外しても良いんではないかと言う意見も出てきており、だんだん日常が元に戻ってくる予感ですね。


    ところで演技って何でしょう?

    芝居がかる=演技?

    日本語では誰かのインタビューや謝罪会見などを見ると

    「あんなのは演技だ」と言ったり、
    「芝居臭い、芝居がかっている」と言ったりしますね。

    実は、
    欧米人の演出家の通訳をしていると、よく
    don’t act,
    stop acting
    と言うのを耳にします。

    これは稽古場で俳優が
    大げさになったり、
    気持ちが感じられないのにそれっぽいふりをしてみたり、
    見栄を切ったり、
    わざとらしくしたり、
    ほらやっていますよと説明しようとしたり
    見せつけようとしたりするときに発せられる言葉です。

    つまり英語でも日本語でも「演技する・芝居する」との言葉には、

    「本当はそう感じていないのにそう感じているふりをしてみせている人」

    と言う意味が含まれているように思われます。

    本当の演技は、騙さない。

    でも本当の演劇人が目指すのは、観客を騙さない演技です。

    「大げさ」とは、本人が本当には感じていないのに「こんなに感じてるんですよ、見て」ということです。
    嘘っぽく感じられるのが、「大げさ」です。

    演技は大げさではいけません。

    自然と大きくなるのはいいんです。

    大変悲しい事故があって、泣き叫ぶ。
    これは自然なことです。
    それでそのキャラクターを演じるのは、いいんです。

    大げさは、いけません。
    いつもより大きく、もダメです。

    自然に大きくなるのを目指す。

    そこに演技の大変難しいと言われるテクニックがあります。

    そのテクニックを教えることができるかと訊かれると、例えば野球選手がいくつもホームランを打つ、そこにテクニックはあるし、体力も訓練もあるんだけれども、じゃあ、テクニックと体力と訓練があれば、誰もができるわけではないじゃないですか。

    それぐらい演技も本来は大変優れた芸術なのです。

    演じる=その世界を作り出す

    演じる。演技者。演劇。

    これらの言葉から、「嘘くささ」や「大げさ」などの印象ががはぎとられていきますように。

    私たちは物語の中にいるキャラクターを通して、そのキャラクターが生きている世界を作り出す芸術をやっています。

    キャラクターを生きるとも言われますが、それは本当はキャラクターの生きている世界をみんなで作り出すことなのです。

    【Live Interaction】
    大げさではないけれども大きく反応してしまったときのことを思い出してみましょう。

  • 想像力について

    想像力について

    想像力があまりないのです、とよく相談を受けます。

    私に言わせれば、想像力はみんな持っていて、想像してみようとするかどうかだけです。

    人より優れたことを想像しようとせず、
    「これってどう言うことなんだろう・・・もしかして・・・」
    という程度で、ふんわり想像してみてね。

    さらに、想像力を豊かにしてくれるのは、知識の部分です。

    例えば、生まれつき目が見えない人に
    「赤を想像して」
    と言っても難しいですよね。

    知識がないと、それについて想像することは難しいのです。

    なので、想像しようがないな、と思ったら、その事柄について調べてみると良いでしょう。

    キース・ジョンストンの書いた『インプロ:自由自在な行動表現』には、想像力を豊かにする方法がたくさん挙げられています。

    『インプロ』而立書房

    ここでは、何より「常識的に正しくあろうとしない」ことが重要だとしています。それを個人攻撃や犯罪に使うのではなく、芸術的創造に使うのです。

    例えば、憎しみや殺したい気持ちなどは、それが小説やドラマや絵画や音楽などの ”芸術” に登場するぶんには悪くありません。むしろその作品は興味深くなりますね。

    【Live Interaction】
    想像力を豊かにするために、何をしますか?


    11月のワークショップ

    11月のワークショップは、時間管理術です。
    年末に、来年の予定を立て、やりたいことを全てやれる、自分だけの時間割を作りたいかた、歓迎です。

    詳しくはこちら
    時間管理WS

  • 体の声を聞く

    「あくびをしたくなったら、我慢しない」

    かつて、ある授業中、先生からこう言われました。
    英国王立演劇アカデミーRADAの身体表現の授業です。

    【WHAT 目的】
    体の声に敏感になること。

    そして、体が休みたいと言っている声を聞き逃さないこと。
    それができるようになって初めて、自分で自分をコントロールできるようになる。

    というのは、

    休みたい→休む→元気になる→活動できる→活動する
    サイクルができるからです。

    【HOW 方法】
    元気に活動するには、休むことが大事。

    ところが現代人は会社や学校に、自分の都合とは関係のない時間帯で動かなくてはならない。今は幸か不幸かコロナ在宅で、かなり自らの都合で時間を使い分けることができるようになりました。

    ところがところが、

    ゲームもあるしネットフリックスもあるし、夜寝る前にひたすら画面を見続けてしまうこともまた起きているわけです。

    そして、授業中や仕事中に眠くなってしまう。

    自分の時間内に、自らの体の声を聞いて休むことをやめてしまうが故、人と時間を共有する社会生活の中で、本来出せるはずの力を発揮できない、本来成長できるはずの成果を捨てざるを得ない。

    そんなトラップ(罠)にはまり込んでしまっていないだろうか?

    【Live Interaction】
    体の声を聞きましょう

    今、あなたの体はなんと言っていますか?

    気持ちの変化も身体から

    一方、体の状態を変化させることで気持ちを変化させることもできます。

    それが「ステイタスの法則」

    今大流行りのインプロのもっとも重要なスキルの一つです。