おいらのツノはご主人様のツノ [Shakespeare For You]

こんにちは、三輪えり花です。

今日の運勢に合わせた、シェイクスピアの一言。

『ヴェロゥナの二紳士』からスピードのセリフ。

🎭 Why then, my horns are his horns, whether I wake or sleep.

「へっ、そんじゃあ、おいらの角(つの)は、ご主人様の角ってわけで、寝ても覚めても。」

【演じ方】

スピードは、ヴァレンタインの召使。「主人と召使」の構図は、シェイクスピアのいた当時のイタリア喜劇(コメディア・デッラルテ)の典型的なもの。シェイクスピアがいかにそれに影響を受けていたかがわかります。スピードを演じるなら、機転のきく早口の、動きも早い、だけどおっちょこちょいという召使を楽しんで。(これを学びたければ『インプロ』(而立書房)を参考に!)

「角(ツノ)」の冗談は、日本ではシェイクスピア研究家以外にはほとんど知られていないと思いますが、作品中にとにかくたくさん出てくるので、この際、知ってしまいましょう! 男の人の頭にツノが生える=妻に浮気された、という意味なのです。「寝取られ男」と表現されます。妻を性的に満足させられることのできない、性的に甲斐性のない男の証明となりまして、男の人にはたいへん不名誉なことなのです。『ウィンザーの陽気な女房』では、騎士フォルスタッフが雄鹿に変装します。雄鹿自体は、強い性欲の象徴ですが、実際に騎士がツノをつけてしまうと、実は使い物になりません、と自ら言っているようで、そこに面白さがあります。

そう! もうほんとにシェイクスピアの戯曲のあらゆるところに「ツノをつける・つけられる」が出てきます。これで、なるほど、と憶えちゃいましたね。

「寝ても覚めても」と訳した部分は、原文では、聖書からの厳かな引用です。聖書と卑猥な話を共存させてしゃべることができるのが、召使なのです。

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