英語の劇に出演した7月

ここのところのブログもインスタグラムも、馬や犬の話ばかりで、三輪えり花がいったい何者なのか、さっぱりわからなくなっておりまする。

しかしながら、ちゃんと演劇活動をしておりますよ。

稽古場や、新規プロジェクトは、公けにできるまでなかなか時間がかかりまして、温めているうちはどうにも発表できないもどかしさがあります。

というわけで、最近の演劇活動は、こちら。

16世紀のエリザベス一世を演じました。

とは言え、演出家との顔合わせ稽古のような公開稽古のような状態です。
ある日、知らない人から英語メールがあり、日本にいるシェイクスピアの俳優か演出家を探していたら、共通の友人が君を推薦してくれた、と。

アメリカのシェイクスピア演出家シャーリー・カガンが、来日する際に何かシェイクスピアがらみの作品企画をしたいから、連絡をとりあってみてくれ、というのが今年の2月ごろでした。

FBで連絡をとり始め、ZOOMで顔合わせをして、カナダの劇作家ティモシー・フィンドレー『国王エリザベス』をやりたいと言うので、本をアメリカから取り寄せました。読み終わったとシャーリーに伝えると、「あなた、エリザベスを演じない?私が演出するから」と。

日本に住む日本人で英語で芝居ができる人、通訳の必要がない人だけで芝居をしようという、えっ、無謀すぎませんか?誰が観るんですか?とツッコミどころ満載な話から始まりました。

私は、エリザベスを演じるために、アクセントコーチを付けました。私の英語は、カナダ、ロンドンの下町、アメリカ西部、イギリス上流階級がけっこう混じっていて、そのときの気分で発音しやすいものを使ったりしていたのです。なので、上流階級英語の専門家に発音の規則をはっきり教えていただきました。ルールがわかると、発音を混ぜこぜにすることはなく、今は上流階級だから、こう使う、というのがかなり明確になりました。アクセント・コーチ、大事です。ハリウッドの俳優も、必ずコーチを毎作、つけるものです。私も、ちょっと高額でしたが、コーチを付けて本当に良かった。

しかし・・・

私も日本にいる、英語で通訳なしで芝居ができる人を何人か当たりましたが、みなさん、とってもお忙しく、かろうじて数名を確保。中には、今年、イギリスの名門演劇学校に合格したばかりの私の教え子も。

6月に来日したシャーリーは、たまたま歌舞伎や能・狂言といった伝統芸能の訓練のために来日している、シャーリー自身の教え子たちに連絡をとり、彼らも参加したので、結局日米の俳優たちが集うことになりました。

そして、誰一人、ブリティッシュ英語を使わない・・・。

え、これは確信犯ですか?それともコンプレックスですか?

アメリカ人にとって、ブリティッシュ英語は鬼門なのだとは聞いていましたが、目の当たりにして驚きました。試みようとすらしない。

これについての考察はいろいろありますが、それはまた別の機会に。

また、シャーリーは、演出するというより、シェイクスピアのセリフのいかにえっちで猥褻かを語ったり、引用されるセリフの解説をしたりするのが得意なようでした。演技は俳優に任せるタイプ、とご自身でおっしゃっていますが、そのため、俳優には読解力がものすごく求められます。

稽古はゆる〜く進み、なんとか立って動いてみよう、本をもちながら、 というところまで漕ぎ着けました。読解や演技の段階にばらつきがあるので、私はとにかく自分のキャラクターの読解と心理を研究することに集中しました。

シャーリーとしては、これらの写真を用いて、助成金の申請をするつもりのようです。しっかりお財布ができたら、フルプロダクションにしたいとか。ものすごく楽観的で、心配やら安心やら。

いずれにせよ、英語で、コーチをつけて、2時間半の戯曲を、しかも主役で、感情のアップダウンが激しくて、心理戦もすごいキャラクターを3週間でしたが研究して演じられて、大変満足です。

夏の終わりにはひとつ作品を発表したいと思って、書いている最中の本もあるので、次はそこに集中します。わ〜。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA