乗馬Day 16: サンヨーガーデン Lesson 9

2022年3月23日水曜日、朝9時から乗馬レッスン。

前の日が東京は春の雪となったため、朝方の道路が凍ったら行けないかもしれないと心配していた。
次の日キャンセルは前の日17時前までに、なのだ。
幸い16時半ごろには雪も雨も止み、道路に積もりはしなかったから、安心。
そして朝も晴天!

嬉々として車を走らせると、多摩丘陵の丘を越える尾根では、足柄山あたりがすっかり雪山に変わり、その向こうに真っ白な富士山。
なんだかウキウキして笑顔になる。

今日のお馬はアルシェ、担当はH田先生。
今日は、わ一人。

馬場がぬかるんでいるので、まずはアルシェを円馬場で歩かせて様子を見る。
なるほど、ひづめが泥にめりこんで、その蹄を泥から抜くのが大変そうだ。

映画で泥の中を疾駆する場面を何の気なしに見てきたが、実は馬にとっても乗り手にとってもものすごく危険で大変なことだったのだ!

H田先生曰く
「これだけぬかるんでいると、馬にも危険なので、速足はできません。並足だけのレッスンです。せっかくお金を払ってレッスンに来るのに走れないならつまらないなと思う場合は、前の日の17時までに遠慮なく電話してくださいね」

しかしながら、今日のわの課題は、スタートできるか否か(先週は馬をスタートさせることさえできなかったので)なので、走るどころではないのだ。
よって今日のぬかるみも全く問題なし。

H田先生は、昨日の雪の日に、指導員講習に行かれたそうで、その話をたくさんしてくれました。

指導員講習の講師は、日本語の達者な外国人だったそうで、そのせいかどうかはわからぬが、わが習ってきた演出家・指導者の意識とそっくりだと感じた。

例えば:
・自分が使う言葉が、受講生の認識と違っていないか、ずれを常に確認する
・説明する時、例をたくさん使う
などです。

講習を受けて来られた影響か、レッスンの進め方や先生の語り口もかなり変化していて、そこもまた興味深く面白いレッスンでした。

まず最初の面白ポイントが、鎧から脚を外して、ぶらんとして乗る。

去年の秋に体験レッスンをいろいろなところで受けていた際、モーヴァンで、鎧を使わずに乗ってみる、というのをやりました。
今回は、鎧に足が乗っている感覚に慣れてきているので、足を外すと気持ち良い。

乗馬ポイント:鞍とコンセントではまっている

指導員講習の先生がおっしゃっていたことだそうですが、
「坐骨がプラグで、鞍というコンセントに嵌っている感じで乗りましょう」

コンセントから外れてますよ〜!

わかりやすい。

鎧に足を乗せずに、ぷらんと下に脚を落としていると、鞍の山型にまたがっている部分がすんなり密着していくのがわかる。

ぷらんぷらんして気持ちまでラクになります。

「先生、今日の私の課題は、スタートです。先週、まるでライリーを動かせませんでした。私の褒めるタイミングが良くないそうで・・・。脚を使って〜と言われて、一所懸命使うんですが、疲れてしまって、緩めてから仕切り直しを、と思うと「指示を聞いていないうちに緩めな〜い」と指摘されます」

聞いていたH田先生
「疲れるほど使う?って力を入れているんですか?」

「はい、そうです」

乗馬ポイント:スタートの脚は、ほんのちょっとでいい

蝿がふわーっと触っても馬は顔をそっちへ向けたり身体を震わせてお尻やお腹の蝿を追い払いますよね。
それくらい、敏感なんです。だから「ちょっと」でいいんです。

・・・まさに冒頭の言葉の意味のとり違い!

わは「ちょっと」は時間的長さのことだと思っていた。
が、先生方の意味する「ちょっと」は触れる力加減のことであったのだ。
ちゃかちゃん。

「馬の体力はすごいんですから、力勝負でいっても勝てるはずがないんです。その「ちょっと」触れることで、意味が通じているかどうか、なんですよ」

で、脚でちょっと触れることで、馬はそれは歩けという指示だ、と知っている。
でも「じゃ、動こうかなあ」と思う前に乗り手が脚を離してしまうと「あ、なんだ歩かなくていいのね」と思ってしまう。
なのに鞭を入れられたりすると、「はぁ?わっけわかんねー」になって、ますます「もう知らねーよ」と、指示を指示と受け取らなくなる。

アルシェはとても良い子で、すぐに脚の指示をわかってくれる。

H田先生
「ペースをもう少し上げてみましょう。鞭は使ったことありますか」

乗馬ポイント:鞭を使うとは

「馬の皮膚感覚は敏感ですから、鞭は強く当てなくてもいいんです」

一方で、指示に従うつもりがなければ、鞭が当てられていることを知っていても、つーんとしているだけ。
当てられた一瞬は「え、なに」と思いますが、その意味(指示)に従うか否かは別問題。

なるほど。
鞭は、人間にとっての「ねえねえ」のような感じなのだな。

この鞭はこの合図、というその意思疎通なんだな。

主従関係を明確にするために使うと考えるのではなく、目を覚まして一緒に行こうと促す合図として使いたいものだ。

乗馬ポイント:ペースを上げてもらう

脚を使って馬が動き始めてくれても、割とすぐに歩きたくなくなってしまいます。
(そりゃそうだよね、もしも自分が、歩きたくもないのに歩けって言われたら)

なので、ペースが落ちてきたと感じたらすぐにまた脚を使います。
(サラッと「ちょっと」触る)

でも、まだたらたら歩いていたら、あなたはそのペースでいいの?あなたにとって、並足の理想のペーストは?を考えます。

で、H田先生が少し中央から早めに歩かせる指示を出すと、アルシェの並足ペースが上がった。

「プロでも、それぞれ自分にとっての並足のペースというのがあります。で、いまくらいの速さでも並足なんですよね。これくらいあると、先へ進む感じやリズムが出てきます」

ほうっておくとアルシェもてくてくになるので、その度に脚を使い、ペースを少し上げるために鞭をペシっと使いましょう。
するとアルシェも、「え、もっと?」と思い、ペースを上げてくれます。

なるほど〜!

乗馬ポイント:褒めポイントと指示ポイント

脚を使ってスタートしたら、褒める。
鞭を使ってペース上げたら、褒める。

が!

1回目で褒めたら、もう1回やってみる。
この、2回目のときに、ちゃんと指示に従ったら、もっと褒める。

とくに、1回目で鞭を使ったあと、2回目で鞭を使わないのにちゃんとペースを上げてくれたら、それは本当に脚の指示に従ってくれている証拠なので、もう鞭はつかわなくてもいいのです。

なるほど〜!

このあたりで、鎧に足を戻して、やってみます。
なんだか、競馬の騎手並みに、上の方で脚を曲げている気がする。
でも、それくらいでも良いのだそうだ。
シンプルに立ち上がれるかどうかでチェックする。

鎧に足を乗せると、それまで股の下で鞍と密着していたのがなんだか浮いてしまって、むしろ心もとない気持ちがする。
最近の趣味はyoutube やinstagaram で馬動画を見ることなのだが、裸馬に乗って両手を離して颯爽とかけている姿をみると実に羨ましい。それが、鎧を使わない方がしっくりくると思うと、なるほど、本来は裸馬でもいいのだな、とわかる。

乗馬ポイント:脚を後ろに引きすぎない

バイクに乗る時みたいに(乗らないけど)踵をずいぶん後ろに引いていたようです。さっき鎧にはめずに脚プランとしていたくらい自然に落とすように。かつ、つま先だけを入れるわけだから、力が抜けていれば、踵は落ちるはず。ですね。

そうこうするうちに、アルシェは脚だけで、ぽくぽくと良いペースで歩いてくれるようになった。
と、突然速足を始めてしまったではないか!
慌てて立髪にしがみつく、わ。

H田先生
「落ち着いて〜。アルシェは三輪さんのいうことを聞いただけです」

「速歩の指示なんて出してません(汗)」

H田先生、ここで一瞬、無言になり・・・
「三輪さん、もしかして、並足と速歩の指示は違うものだと思ってます?」
わ(元気に)
「はい!」

乗馬ポイント:速足の指示は並足の指示と全く同じだそうで

アルシェに、わの脚の指示がよく伝わって、ペースも上がってきて、それで、次の脚で、よっしゃそれなら、となったのだそうだ。

他の皆さんはどうやって指示をだしているのかな〜って、ペア練習のときも不思議に思ってみていたんですけどね。

いや〜まだまだだな。
速足になったとき、心も身体バランスも準備ができていなくて、あわあわしたもの。

ぬかるみの馬場でしっかり歩いて、今日はいろんなことを学んだ、とっても良い日でした!

え、写真?

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