2021年11月10日。
イギリスから帰国して20年以上経ち、今年に入って突如思い立って再開した乗馬、4回目。馬に乗った回数を日本語では鞍数と呼ぶのですが、英語での数え方を、そう言われてみると、知らない。なので、Day 4 という記述で失礼つかまつる。
今回は、町田の山間にある、モーヴァン乗馬クラブへ。
快晴! 丘と森!
カタカナで「モーヴァン」だけれど、英語だと Malvern。イングランドにある丘陵地隊の地名だそうだ。
たしかに、山がちの日本では、森のある平らかな場所を確保できたのは珍しい。
体験乗馬は初心者用、とうたっているので、上述したことを先に説明したところ、初心者体験で良いですよとのこと。
午前中に電話して午後には乗りに行ったという、我ながらすごい行動力。けれど、本当は、前日の17時までに予約をしないといけません。お馬さんと講師の準備がありますからね。
エントランスには丸い実が房になってたわわに実っている大きな木がある。
え!
キウイ!!
こんなに実るなんてすごい。
入ってすぐのところは、馬の洗い場になっているので、泥っぽいのでちょっとびっくりする。が、厩舎の2階がクラブハウスになっていて、こちらは、お手洗いも着替え場所もこざっぱりとしていて、着替え場所が狭くないうえにシャワーまでついている。これは悪くないんじゃありませんか?
私はもともとウィンブルドンのクラブに通っていたし、犬も飼っているので、動物と暮らすというのはどういうことか、わかっている。馬も同じ。泥跳ねひとつないのが高級なハイステイタスです、というのは幻想です。不潔はダメだけれど、汚れるのはあたりまえ。このへんの感覚がわかっていないといけない。エリザベス女王は乗馬が趣味だけれど、乗馬のときはとても庶民的な、「汚れるはず」の格好をしている。正装して美しさを競い合うドレッサージュなどは「陛下にお見せする」ための娯楽であって、実際に自分のために馬に乗るときは、みんな汚れることを知っている。それがイギリスの上流階級。
最初に私を案内してくださったのは I 先生ですが、実際の指導は K 先生。穏やかなのに大胆で、のっけから
「じゃあ馬を引いて、乗り場まで行きましょう」
え〜!
マロンくんは、びくともしません。
K 先生がお尻を押してようやく動き出す。
乗り場で、これまで3回の体験乗馬で憶えた乗り方をして、鎧(あぶみ)の長さを調節してもらうと・・・
「じゃあそのままパドックまで入ってください」
え〜!
でもマロンは歩き出した。おそらく、K 先生がそちらへ向かうから自動的に行っただけかと思われる。
そして、パドックに入ると、離れたところから、
「じゃ、一人で歩かせてみましょうかね」
え〜!
体験乗馬では3回とも引綱つきだったのに。
・・・そういえば、イギリスでは引綱されたことはない。
なぜなら、わたしがうまかったからではない。数頭での移動だったからだ。数頭での移動だと、後ろの馬は自動的に前の馬の後についていくのだ。
私を乗せてくれたマロンはとても穏やかな馬のようで「学級委員長と呼ばれています」というくらいお手本のようにいうことを聞く馬だとか。
並足も穏やかで、いや、おだやかすぎるので少し早く歩かせようとしても、のんびりしている。
最後に、軽速歩(けいはやあし trot)。
鞍の前のつかみの部分を両手でぐっと上に引き上げると体が安定して、「立つ・座る」が楽だ。
引き綱なしで自分のリズムでいけたのが良かったのか、それともマロンが優秀だったのか・・・
他の方々のブログを読むと、ただシンプルに「立つ・座る」だけではなく、その先にはさまざまなリズムの組み合わせでの「立つ・座る」があるらしい。楽しみ!
少しずつ、馬に乗るという感覚が戻ってきている。
30分のレッスンが終わった後は、パドックを出て、乗り場で戻り、他のレッスンで教わった通りに、馬から降りる。
K先生はそこから洗蹄場(せんていじょう)へマロンを連れて行き、乗った後の世話をする。
私が興味深げに眺めていると、
「水をやってみますか?」
と言われ、やっほー、マロンに飲み水をやる。
イギリスでは世話の部分はまるでやらなかったので、飲み水を与えるのも初めてだ。
その後は、首周りを濡れタオルで拭かせてくれた。
マロンが何度も首を振るので、どうしたのかと思ったら、私の手が邪魔らしい。K先生は
「上から首を抑えないように、首の下へ入って。そしたら、けっこうゴシゴシして大丈夫です。乗馬ようの革紐が触れていた部分を念入りにすると喜びます」
なるほど。
マロンが穏やかで綺麗で、たくさん頬擦りしていたところへ、どうやら持ち馬を持っているらしいおばさまが戻ってきた。するとK先生は、「あの馬には触らないように、噛み付くので」と。
私がどの馬にでも触りにいくと思ったらしい。
いえいえいえいえ。
動物は全て、子鹿と同じように、怖がりで、怖いと噛むか蹴ると知っています。
触りにいくときは、相手が受け入れてくれるまで待つ。
人間も同じね。
ここ、モーヴァン乗馬クラブは、1回の体験レッスンの後は、4回から10回の、セットレッスンを受けることができる。
てか、そんなプロモーションも一切なく、関係者も事務所にいなく、借りたプロテクターもどこに返せば良いのかわからず、ただ「じゃあ、さよなら〜、またきてねー」で終わった・・・なんてさっぱりしたクラブなのだ!!!
Thank you Malone!
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