2019年1月9日カイロ空港へ着陸。

🇪🇬エジプト・アラブ共和国に初めて足を踏み入れます。

搭乗ゲートを出る前に両替するのが良いと調べてあったので、そうしました。

税関を通るために、人々が溜まる場所がありますよね、ゲートからその溜まりに入ってすぐ右手に、両替所はあります。

税関の並び口のところにいると、ビザ(日本人も)料としてなにがしか払うのですが、それをまだ払ってないよ、というと、右奥にある銀行でビザを買えと言われますが、そこでは両替はしてくれないの。

二度手間になるので、ゲートから入ってすぐ右手にある両替所に先に行き、1万円札を出して、ビザ買いたいのでついでに両替して、というと両方一度にやってくれます。

Give me a visa and change please.  で大丈夫。

イスラム教だったり、2013年の軍事クーデター、そのあとまた民政になるなど不安定な政治情勢のためもあるのか、多くの人が、ぶっきらぼうで、こちらの笑顔をものともしません。

三輪えり花、笑顔が通じない国と人に慣れていないので、ふむ、壁が高い、と感じました。

ちなみに、笑顔が通じない国と人の場合は、こちらのステイタスを高く持って、威厳と社会的地位があるかのようにふるまうと、素直に従ってくれます。(困った時のライブインタラクション!)

現金を手にして、税関を無事に通り、今度は、スマホのsimを買おうと思います。

私のスマホはiPhone6Plusでsimロックのある時代にauで買ったものですが、数年前にSIM解除をしてもらい、UQモバイルで使っています。

事前にかなり調べて、このスマホでもロック解除がしてあれば、ちゃんとエジプトのsim を使えると知り、すぐさまOrange phone へ。(たしかvodafoneもあったと思う)。

そこでぶっきらぼうなお姉ちゃんからsimを買いました。量販店で売っているようなパッケージをくれて、装填は自分でやってね、と。

ふと思いました。

ここで装填を自分でやって、もしもうまく効かなかったら、絶対に損だ。
そこで

「あなた、やってくれない?」

売り場の姉ちゃん、自分の仕事じゃないから、とブーブー言うが、隣のレジのにいちゃんが、やってやれよ、と言ってくれたらしく、彼女は渋々simを入れて、アクティベーションまでやってくれている。

ところが、やはり、
「あんたのスマホは、sim解除されてないから、ダメ」
とのこと。

この話、聞いたことがあるのですが、iPhone6plusのau版は、sim解除といいつつ、実際は、解除はせず、なんらかの薄い板をあいだに挟んで、UQやminneなどが発動できるようにしているだけらしい。(詳しくはどなたかのリサーチを待つ)。

というわけで、日本では格安simを使えるのにエジプトの格安sim は使えないことが判明。

「使えないんだから、返却したい」。

使えるものは買うけど、使えないってわかったのに買う意味がわからない。

レジの姉ちゃんはぶーぶー言ったけど、やはり隣のレジのにいちゃんが、返してやれよ、と言ってくれたらしく、クレカで支払い済みではあったもののきちんと返金してくれました。

おめでとう。
こういうことは言ってみるものなのです。

あー、10日間、スマホなしか。
ホテルのwifi を使うしかないな。
あとは、通訳さんが一緒にいてくださるそうだから、いざという時はその人に頼ろう。

三輪えり花、不安というものをほとんど感じないキャラクターです。

というか、障害が出てくると、

「ま、いっか、こうすれば」

と思いつく天性の楽観主義のようです。

無いものにフォーカスするのではなく、現状からどうするか、と受け入れて乗り越えることにフォーカスできるのは、自分でも生きやすい性格だなあ、と思います。

で、「まいっか」と振り返ると、そこにサミー・デイヴィス・ジュニアがジュニアじゃなくなって190cmになったような男性がいて、
「ELICA?」と聞いてくる。
そうね、日本人は私一人ですものね。

ここで説明が要りますね。

私は、国際演劇協会日本センターから、アラブ国際演劇祭の視察を依頼されて、カイロに来たのです。

明日(1月10日)から7日間に渡り、カイロ市内でアラブ国際演劇祭が開催されるわけ。

で、通訳(日本語と英語とアラビア語が堪能で、メールのやりとりも見事な漢字と熟語入りの日本語で大丈夫な)ハイサムHaithamさんが空港まで迎えに来てくれることになっていました。

なので、このサミー・デイヴィス・トールが私の名前を知っていて話しかけてきたことになんの疑問も持たず、「ハイサムさん?」と返事しました。

すると、
「ハイサムさんはどこかにいる。今探してくるから待ってるように。僕はアラブ国際演劇祭の者だから。絶対にここから動かないように!」
と言って、どこかへ行ってしまった。

しばらくすると、今度はダニー・デヴィートみたいなおっさんがやってきて「ELICA?」と話しかけてくる。
「ハイサムさん?」
「ハイサムさんはどこかにいる。今探してくるから、この出口で待っているように」
と言って、私を一番近くの出口のガラス扉の前に連れて行き、そこに私を残して 彼もまたどこかへ行ってしまった。

そこには警備員が銃を持って座っていて、誰かが外から入ろうとすると、ここは入口じゃないからあっちのセキュリティを通れ、と言って押し返す。

今出たばかりの人が忘れ物かトイレかで戻ろうとするのも押し返そうとしていたが、さすがに、わかった、と言って入れていた。こういう、その場での個別判断がちゃんとできるから人間的だ。

そうこうするうちにまたサミー・トールがやってきて、なんでさっきここで待ってろって言ったところにいないんだ?探したじゃないか、とめちゃ怒る。

だってさー、と思いながら、説明するのも面倒だとわかんないような顔をしていたら、座っていた警備員が、何か言ってくれたら、納得していた。

おそらく、さっきのダニーデビートさんのしたことを教えてくれたのだろう。

そこへダニーさんが戻ってきて、私をタクシーに乗せてホテルへ送るという。

えー、ひとり??
通訳のハイサムさんは? 

「ハイサムさんは行方不明だ、ちょっと待ってろ」

携帯電話番号は了解しているらしく、どうやらハイサムさんとも話しているらしい。

と、そこへ背は低いが見事なエジプト彫刻のような顔の青年が現れる。

「おー、きたきた、これだこのタクシーに乗れ」(と、サミーがアラビア語で多分こう言ったのだと思う)。

「みわさんですか、はいさむです」

はー、よかった、一緒にタクシーに乗れました。

「タクシー代は全部アラブ国際演劇協会持ちだ、心配するな。おい、(とタクシー運転手に)ナイルタワーホテルな」

ナイルタワーホテルへ。

へいへいへい、ナイル河ですよ。

小さい頃、手塚治虫の『クレオパトラ』のアニメ映画を観たのが最初のエジプト体験。

その後、イギリスでの大英博物館でロゼッタストーンを見て、テムズ川とパリでオベリスクを見て、世界不思議発見で特集を観て、吉村作治さんの発掘ドキュメンタリーにワクワクして・・・

そのうちにテロが起き始めて、もう旅行は無理なのかなあ、と漠然と諦めていたところへ降って湧いたこのアラブ演劇祭視察。

運命は私にたくさんのサプライズを用意してくれている。

そんなことを思いながら、爽やかな1月のナイル河沿いをホテルに向かう。

ナイルタワーホテルは、ナイル河の中洲にあり、そこへ行くのに橋を使う。

橋の先の中州では、ホテル敷地に入る手前には、検問のバーが降りていて、機関銃をもった警察官またはガードが3〜4人、そして強面のシェパードが二匹。

警官またはガードは、手に地雷探知機みたいな円盤のついた長い棒を持っていて、車の下を一周、トランクは開けて、犬は周りを異常な匂いがないかどうか検知して回る。

この犬は、長い滞在のあいだに、ラブラドールの時もあった。

全ての車両は、バスでもタクシーでも自家用車でも、必ずこの洗礼をしないと敷地内に入れない。

エイの尻尾のつけねのあたりの青い点が、ナイルタワーホテル
画面右のナイル河に中州が見えまえすね。中州の先端にある青丸がホテル
サンキューグーグル。左下の中州の先端にあるのがホテル

敷地に入り、スーツケースを降ろし、さあホテルへ入ろうと思うと、またもセキュリティ。

飛行機並みのセキュリティです。
荷物もジャケットも帽子もベルトもポケットの中も全部チェック。これも、このあと毎回ホテルへ戻ってくるたびに、必ず行います。

ようやくホテル内に入ると、サミー・デイヴィス・トールが先に着いて待っていて、
「えりか、君の面倒は、〇〇がみるから、全て彼女に任せるといい。」
と、ホテルの受付に並ばせてくれる。

受付は一般客もいるのかと思いきや、どうやら今回の演劇祭専用のデスクらしい。

周りは名札をつけた髭面のアラブ系でいっぱいだ。

アジア系は中国人さえおらず、私一人。

しかし、女性は演劇協会の運営側には何人もいる。

ふーん。

そんなことを観察しているうちに、ぽっちゃりしたまっすぐな笑顔の愛らしい〇〇さんが、

「えりか、あなたの部屋はここ。これがパンフレット。訳す? あ、通訳がいるのね、じゃあお願い。あなたが出発する空港の飛行機に乗る税関を通るまで、わたしたちが責任を持って面倒をみるからね」

食事は3食、どの時間帯にも食べることができるオールビュッフェ。
(ルームサービスは有料になるが、地階の食堂は全て名札でフリーで入れる)

国際演劇祭はかくあるべし。
すごすぎる。
(あとで、国際演劇協会日本センターでの報告会でこのケアに感動したと話したら、そんなのあたりまえ、と言われた。亡命の心配もあるから、とか。そうなのか。国際的におこなう演劇祭ってすごいんだね)

私を招待してくださった、ガンナム・ガンナムさん (Ghannam Ghannam 不思議なお名前ですね)は、この演劇祭の最重要人物の一人で、このロビーでこの日に初めて会いました。
国際演劇協会日本センターと、Mr Hayashi(国際演劇協会日本センターで、紛争地域の演劇というシリーズを企画していることでこうしたアラブ中東系とパイプが太い)がよろしくとのことです、を伝えるので精一杯。
忙しい人で常に誰かと話している。
俳優にしても良いくらい、背も高く見目もよくプレゼンスのかっこいい人だ。

私のイギリス在外研修時代の友人、いまや国連大使のスーダン人アリさんにも会えました!

気がつくと周りでは、髭面の男たちが、がしがしと抱き合っている。

まるで古い戦友に偶然巡り合ったかのような、抱擁の仕方だ。
満面の笑顔と、歓迎の背中叩きが、いたるところで進行しているのを見て、思った。

なるほど、これが中東に住むということか。

イランの人、クェートの人、スーダンの人・・・

いつ、どのテロや攻撃や爆撃やらで、亡くなってもおかしくない国に生きているというのはこういうことか。

一年に一度、アラブ国際演劇祭で再会できる、そのときに、よくこの一年を生き延びた、と互いに相手の幸福を喜び合うのだ。

私は心になんとも言えない感慨が登ってくるのを感じた。

さて、明日のプログラムやどうするかを話しあうために、ハイサムさんと無料のビュッフェで夕食をとることにした。

サラダ5種類。
トマトもキュウリも緑の葉っぱも、新鮮でつやつやしたものがどっさりあって、砂漠の国とはとても思えない豊かさに驚く。

10種類近くのチーズ。
ギリシャ風のフェタや、縦に割けるタイプのチーズなど、見たことのないものがたくさん。

基本的にイスラム教なので、豚とアルコールは無し。

チキンとビーフ、そして毎日違う種類のお魚。

とにかく美味しい!!

いろいろな味付けと料理法で、このあと10日間、毎日三度食べることになるのだが、私は一度も飽きなかった。

・・・食生活にこだわらない点と、障害や予想外のことが起きた場合にそれを「へー」と面白く思える点で、私は本当に海外生活に向いている。
もちろん、身の危険を感じるときはあるよ。
初めて行ったバリ島で、とか。
だからバリはあんまり好きではない。

ご飯類も美味しい! 
パスタもあるが、お米が美味しい。
ただ炊いた白米と、ピラフにしたものなど、常に数種類ある。

あまり食事を撮影しない私ですが、記録用に。

あと、パンね。ピタ。

私はお米よりもピタでチーズとサラダを食べる。

そして、フルーツ。

そして、おお、デザート!!

アルコールを摂らないせいか、髭面の強面ガイズが、真剣な顔つきでデザート卓にいて、まるで高い賞金のかかった金魚すくい競争に臨む選手のように20種類もあるデザートを吟味してお皿の上に乗せていく。

そして、みんなこれを完食しちゃうんだよえ〜〜〜。

初日から驚くことばかりであるのである。

ちなみに、アルコールの代わりに、水を飲みます。

食事には水。
理に叶ってる。

食事しながら、明日からの演劇祭で私がみるべきことをチェックするためにプログラムを調べる。

わかったこと:
毎日、三つの劇場で、3本の芝居を観る。
17時からのと19時からのと21時からのと。
全ては、このホテルを出発する大型バスで、一斉のせで、移動する。
(個別に移動しても良いがそれは自費)

合計で15本のお芝居を基本的に全員が見て、それの中で審査・投票があり、今年の一番を決める。

ワークショップもあるけれど、これらは、舞台に出演する演出家と俳優のためのものでそれ以外の人は見学できないらしい。

講演会は昼間、ホテルにあるコンファレンスルームを三つも使って、常に行われている。
もう一部屋は、プレスのインタビュー用。
これもしょっちゅう行われるようです。

明日は17時から1本お芝居を観て、それから19時から開会式だそうで、それまでは自由時間です。

私の部屋はかなりの上層階で、ナイル河のど真ん中に一人で浮いているような気分です。
夜景が、美しい。

なんて幸せな私。

明日からのアラブ国際演劇祭でしっかり視察をして、たくさんの疑問と課題をみつけていこうと思いながら床に就く。

beautiful clean and gorgeous room
my balcony

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