ジュリエットとジェシカ

『ヴェニスの商人』の悪役シャイロックの娘ジェシカと『ロミオとジュリエット』のジュリエットには、似たところがある。
バルコニーで恋人と出会う場面。

ジュリエットは、夜、バルコニーにいて、その下の庭にいるロミオに話しかけられる。

ジェシカは、夜、運河に面した窓辺で、その下の運河にいるロレンゾに話しかけられる。
(ヴェニスのゲットーは、地図で見てもわかる通り、閉ざされた空間で、夜は門も閉められるので、運河に面したところからしかキリスト教徒がアプローチできる可能性は少ない)

ちなみに、ジュリエットもジェシカも、名前は J で始まることで、関連性が感じられる。

ジュリエットは、下によもやロミオが来るとは思っていないが、ジェシカは、ロレンゾのくるのを準備万端で今か今かと待ち構えている。

共通点は、ジュリエットもジェシカも、相手の男の顔が暗闇に紛れて見えないこと、そのため、声だけで相手を認識するという点だ。

また、二人も、今の状況下にある自分を恥ずかしがるところも共通している。
ジュリエットは、興奮して赤くなった自分の顔を見られることを恥ずかしがり、ジェシカは少年の姿に化けた自分を恥ずかしがる。

その後、ジェシカは、カゴの中から出て、ロレンゾの元へ降りていく。

一方、ロミオはカゴの中のジュリエットのところに上がっていく。
ジュリエットは、結婚を自ら言い出した割には、カゴから出ようとしなかったわけだ。

シェイクスピアはジェシカとジュリエットに似た設定を渡したけれど、二人が取った行動が実は全く違うんですね。ここが悲劇と喜劇の分かれ目なのかも。

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