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カテゴリー: 文化と教養

文化芸術に関する知識と教養

  • ATF2019-1

    ATF2019-1

     理事を務めている国際演劇協会(ユネスコ傘下)日本センターの関係で、エジプトのカイロで開催されるアラブ演劇祭を視察します。

    羽田を離れ真夜中の韓国上空

    到着する前の私の疑問

    エジプトは私も初めて。アラビア語は全くダメ。日本に入ってくるニュースはテロの事件か、世界不思議発見と発掘調査ドキュメンタリーばかり。

    国際演劇協会(以下ITI)では「紛争地域の演劇」「紛争地域から生まれた演劇」シリーズをやっていて、言論統制がなされているイスラム系の国々を追われたり迫害を受けたりする作家の作品が主に取り上げられる。そういえば、殺害されたカショギさんも、記者として言論の自由を追求したから殺されたんですよね。

    ということは、アラブ演劇祭と言っても、いったい何があるの?

    言論の自由はあるの?

    演劇って西欧クリスチャン世界の影響を受けているものか、または舞踊が中心の伝統芸能しか思いつかないけれど、イスラム世界では、演劇ってそもそも存在するの?
    (注:この時点で、イスラム世界とアラブ世界を私は混同しています。これについては後述)

    過去のイスラム世界経験

    といえば、トルコを2週間旅行したことがあります。日本からのツアーでバスで国内をめぐるものでした。通訳はいるし、団体行動だしご飯も全部ついていたので、一言もトルコ語の必要性を感じませんでした。
    トルコで観るものはたいてい建築物です。芸能といえば、廻りつづける旋回ダンスがあるけど、あれは芸能というよりも宗教儀式だしねえ・・・
    (イスラム教のことを回教徒と日本語表記しますがあれは回り続けるダンスの儀式から来たものとか。回り続けることで一種の陶酔状態に入るんでしょうね。キリスト教のシェイカーズ、クエイカーズも、身体を揺らし続けることで非現実の陶酔状態になって神と通じるわけですから、似てますね)
    あ、ベリーダンスがありました。イスラム教って、女性は肌を隠さなくちゃいけないはずだけどそれがどこをどうすればベリーダンスが許されるのか全くもってわからない!

    つまり、人間が言葉と身体で思想や想いや悩みや苦しみを観客と共有する危険な舞台芸術が、コーランの教えに厳格なイスラム世界に存在しうるのか?

    などなど分からないことがたくさんあります。

    今回の視察での私の責務

    国際演劇協会日本センターの代表として向かうからには、私にも責務があります。まずは、アラブの演劇の現状を日本にしっかり伝えること。かなえば、日本に紹介できる戯曲を発掘すること、アラブ演劇界に日本の現状を紹介できる機会を作ることの3点と考えています。

    次の記事は、出発と到着。旅行ブログ的に。

  • A Happy New Year! 2019

    昨年はみなさんとこうしてブログやメールレッスン、SNSでインタラクションできて、とっても幸せでした。

    わたしのちからは微々たるものですが、一人の人に与えた小さな影響が、その人を進歩させ、その人がまた別の人に良き影響を与えていくのなら、それが本望です。2018年の活動を綺麗なお写真付きでまとめました。ぜひご覧ください。

    http://elicamiwa.com

    本文は英語ですが、お写真は日本で解説を入れましたので、お分りいただけるかと思います。
    今年も良い年にしていきます。一緒に元気に進んでいきましょう!

    三輪えり花

  • 違いを演じる

    横浜まで、ある女優さんの一人芝居を観に行ってきました。得意な歌を交えながら、岸田國士の作品を人形とスライドを使って、一人何役も演じ分けるスタイルです。

    歌と人形とスライド、というと遊び語りと似ていますね。彼女の場合は、台詞も全部覚えて一人で演じ分け、きちんとお芝居にしていました。

    反物を見せて欲しい、という娘に、どうやって反物を見せるか、など、楽しい仕掛けがいっぱい。

    歌もこれほど音程をばっちり当てながら自由自在に音の高低を泳ぎ回る歌手は・・・そりゃ私は芸大の大学院でおしえていますから、周り中、歌が超大物の人ばかりですが、ポップスソングにおいて、これほど音程が安定しているひとは珍しく、安心して楽しませていただきました。

    【今日のライブインタラクション】

    ちょっとした台本、漫画、小説の言葉、人格を変えて一人で声に出して演じてみよう

    #プレゼンス

  • 最も美しい台詞のひとつ

    最も美しい台詞のひとつ

    今日は、シェイクスピアの台詞も中でも最も美しいものの一つをおとどけします。いつもより少し長いのですが、ぜひ声に出して読んでみてください。

    How sweet the moonlight sleeps upon this bank.
    Here will we sit, and let the sounds of music
    Creeps in our ears.  Soft stillness and the night
    Becomes the touches of sweet harmony.

    岸辺にまどろむあの月のなんと穏やかなこと。
    ここに腰を下ろして、音楽がそっと
    耳に忍び込むに任せよう。柔らかな静けさと夜が
    甘い調べに趣を添える
    art by Elica Miwa

    『ヴェニスの商人』でユダヤ人シャイロックの娘ジェシカと駆け落ちの真っ最中のキリスト教徒ロレンゾくんが、ジェシカに言う言葉です。

    英語を声にだして読むときのコツを知りたいですか?

    それは、とにかくゆっくり口に出すこと。

    そして、単語同士の繋がりを切らないこと。

    たとえば、1行目の、how sweetは、howの最後の  wの音を、次の sweet のsの音につなげるのです。

    一単語ずつはゆっくりと、単語と単語の間は、繋げ気味に。

    シェイクスピアの言葉の美しさを声に出してお楽しみください。

    年末に向けてプレゼンスを上げる練習

    今日のライブインタラクションは、プレゼンスの練習です。

    プレゼンスは、あなたの存在感。存在感は立ち居振る舞いや発する言葉、脳内で起きている思考の方法などが関係してきます。美しい言葉に接し、美しい言葉を口から音にして紡ぎ出す。それがあなたのプレゼンスをあげていきます。プレゼンスが良くなれば、自ずとインタラクションはスムーズになっていきますよ。

    【今日のライブインタラクション】

    美しい言葉を口にしよう。

  • 愛の告白と宗教裁判

    愛の告白と宗教裁判

    “Promise me life, and I’ll confess the truth.”

    「私に人生を約束してください、それなら真実を告白します」

    『ヴェニスの商人』の主人公のひとりバッサニオは、愛しいポーシャにこの愛が本物だと告げるために、こう言います。

    するとポーシャは

    ”Well then, confess and live.”

    「じゃいいわ、告白し、生き永らえよ」

    と返します。

    ポーシャの返答には、キリスト教徒の魔女狩り裁判(と言う名の拷問)や、エリザベス女王時代の反逆者裁判(と言う名の拷問拷問)で、審判がかける誘い文句のようですね。

    「本当のことを言えば楽になるぞ」
    みたいな。

    で、本当のことを告白すると、そら魔女だ、そら反逆者だ、とやっぱり死刑。
    告白しても生きられないことが大半でした。

    これに対してバッサニオは間髪入れず

    “Confess and love
    Had been the very sum of my confession.”

    「告して愛することこそ
    まさに私の告白の真髄」

    と答えています。

    Live と Love をかけているんですね。
    私がメールの最後につけている、
    Laugh, Live, Love! にそっくりですね、ほほほ。

    ちなみに、続けてバッサニオは、

    “O happy torment, when my torturer
    Doth teach me answers for deliverance!”

    「おお、幸せな苦悶、目の前にいる拷問者が
    口を割り、答えるよう指南してくださるとは!」

    と答えています。
    この答えからも、さきほどのポーシャの

    “Confess and live”

    が宗教裁判や反逆者裁判の常套文句だったことがわかりますね。

    シェイクスピアは「きっと何か言葉の鍵が隠されているに違いない」と思いながら読むと、いろいろな発見があります。

    今日も、日常会話で使えそうな、いい言葉がたくさん見つかりましたね!

    【今日のライブインタラクション】
    日本文学もたくさん読んで、言葉と想像力の幅を広げましょう。