敵は最高の味方8 敵の目的こそパワーの源 

どんな舞台にも映画にも通用する上手い俳優と言われるようになるために、目的を邪魔する敵を見つけよう、という話をしています。

今日の話は、ドラマの本質に関わる重大な問題です。

ここをよくわかっていないと、書かれた台詞をそれらしく暗記しているだけの演技になってしまいます。
本当に大事なので、理解し、表現に生かせるようにしましょう!

【WHAT 目的】
キャラクターの目的を邪魔する外から来る敵「人」がなぜ味方になるのか、例を挙げて考えたい

【OBSTACLE 障害】
ちょっと思いつかない。

ど、どうすればいいのだ?

【HOW 方法】
あなたがどうしても映画に行きたいのに、
相手がなんとしてもハイキングに行きたい時、
どうしますか?

はぁ?

【Live Interaction】
あなたが映画に行きたくて(「なに」がしたい)とき、

どうしても映画に行きたい理由「なぜ」があるので、
(心の中で「なぜ」がしっかりあなたの目的をサポートする)

どうしたら相手をあなたの思う方向へ気持ちを変えてもらえるか
(「どうやって」目的を達成するか)、

そういうことを いろいろ考えて、相手と話しますね?

それも、相手の出方を見ながら。

あなたには目的(したいこと)がある。
相手にも目的(したいこと)がある。

そう、
相手の目的はあなたにとっての障害(敵)なのです。

そこで、
相手という障害を乗り越えて、
あなたは目的を達成しようとする。

だから、
相手の出方を見ながら、
どうすれば、あなたがあなたの目的を達成できるかを画策する。

それが、おもしろいドラマの台本にはきちんと書き込まれているはずです。

相手役の人が、役の目的を強く主張してくれればくれるほど、
あなたはフラストレーションの中で演技をすることになります。

え!!
それはいやだ!!!

と思いますでしょう?

でもね、
そのフラストレーションが、
あなたの持つ台詞に力を与え、

それがお客様に伝わり
それで
ドラマが2倍も3倍も面白くなるのです。

相手役もあなたも、
目的をしっかり持って、

「なんで相手は簡単に折れてくれないんだ、これでどうだ、これならどうだ」

という思いを台詞や動きに載せるのです。


そうする事で、実に見応えのある、
「いや、おもしろい」
と観客を唸らせる場面になりますよ。

ワクワクしますね!

イプセン、チェーホフ、岸田國士、シェイクスピアなど、ものすごく人間心理をわかっている劇作家の台本を見直してみてください。お好きな映画でも良いです。

相手の目的と自分の目的の交差点。
そこに火花が散るからこそ、ワクワクするドラマになるように、ちゃんと書かれています。

目的同士がぶつかり合うから面白い

自分の目的を持ち、障害(敵)は何かを見極める。

これらを発見するのはめちゃくちゃ楽しいんです。
発見次第、演技に直結させて使えます。
だからこそ、なんとかして 目的を達成しようとするので、
キャラクターにとってリアルなパワーが生まれるのです。
最高です。

敵は最高の味方シリーズは、ここまでです。

これまでの学びを、明確にできる演技表現ワークショップを8月にも開催するかもしれません。日程や方法を画策していますので、お楽しみに!

次回の記事では、これまでのことをザッとまとめますね。


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