「メリークリスマス」という言い方が馴染んでいる日本ですが、英語ではハッピークリスマスと言うんだよ、と聞いたことがある人も多いでしょう。
メリークリスマスとハッピークリスマスの違い
Merry Christmas? Happy Christmas?
エリザベス女王はスピーチでもハッピークリスマスをお使いでした。メリーよりもハッピーのほうが上流階級に相応しいから、との理由だそうです(出典:電子新聞 Surrey Live https://www.getsurrey.co.uk/news/nostalgia/merry-christmas-vs-happy-christmas-22485753
メリー Merry を使う例
が、19世紀の小説家・劇作家チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』では、みんな「メリークリスマス」を使っています。
三輪えり花はそちらで馴染んでいるので、メリークリスマス。
そういえば、名曲『ホワイトクリスマス』も、
May your days be merry and bright.
(あなたの日々が楽しく明るいものでありますように)
という歌詞です。
歌といえばクリスマスキャロルのひとつに、
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
And a Happy New Year.
もありますね。
merry には「酒に酔った明るさ」の意味があるから子供には使えない、という論もありますが、シェイクスピアのコメディ Merry Wives of Windsor 『ウィンザーの陽気な女房たち』では、陽気な女房たちがお酒を飲むシーンはひとつも出てきません。
「メリークリスマス」という言い方が文献に初出するのは、1534年、英国ヘンリー八世(シェイクスピアの時代のエリザベス1世の父上)の時代に、ロチェスターの祭司が使ったもの。(Oxford English Dictionary)。
ハッピー Happy の登場はいつ?
一方、「ハッピークリスマス」の登場は1688年、ダーラム大聖堂の祭司がウスターの司祭に送った手紙に載っているものです(出典同上)。
どうやって使い分ける?
で、結局どっち?
どちらでもオッケー!
わいわい楽しい感じなら、メリー・クリスマス。
上流階級ぽく心穏やかに過ごすなら、ハッピー・クリスマス。
イギリス英語についてよく知っている人に対しては、「ハッピー」を使ってあげると、「おお、この人はイギリスのしきたりをよく知っている」と思われるでしょうし、そのかたたちに「メリー」を使うと「古いな、イギリスについてよく知らないんだな」と思われる危険あり。(本当はメリーの方が古くから使われているのですが、エリザベス女王がハッピー使いでしたので、しかたありませんね)
三輪えり花は、両方使います。出会った時に、明るくパーティー気分で「メリークリスマス」、別れる時にしっとりと落ち着いた感じで「ハッピークリスマス」。
いつ使う?
ちなみに、これはクリスマス当日でなくても構いません。10日以上前から使って大丈夫です。
というのは、I wish you が、その言葉の前に隠されているから。
あと、クリスマスの時期は1月5日の Twelfth Night までなので、それまで使ってもいいのですが、さすがに現代では年明けからは Happy New Year のみを使う感じですよね。
ではみなさん、
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