アイルランド50代女一人旅 11 10月9日:イニシュモア島

出発前日のお勧めしない宿

昨日はCuranroeでオイスターを食べてからのんびりGalway市内に戻り、レンタカーの指定駐車場に車を返却し、すでに閉まっているレンタカー屋さんに鍵だけ放り込んでおしまい。そこからはタクシーで、昨夜の宿となった Dun Aoibhinee Guest Accommodation まで向かいます。

港の川を渡ります!

ここがね、実はとんでもないなところでして。これは金曜の夜だったせいだろうか、とにかくGalway の宿という宿が、わのお財布の範囲内では満室で、かろうじてここだけなんとか残っていたので予約したのだが、それでも高かった。前日の豪華カントリーハウスCarrygerry よりも高かった。

家全体の見た目は良いし、犬を飼っているオウナー男性も気さくなひとではあるのだが、階段を登ったどんつきにある部屋は、なんと3畳くらいしかない!シングルベッドの中でもとりわけ狭く短い鉄製のシングルベッド(救貧院か)とその横にかろうじてお財布などを置けそうな細い机。トイレとシャワーはベッドの裏に。トイレとシャワーの場所が一番広かった笑汗。

全体像は、雲がかった大きな月の下でかなりゴシックでかっこいい感じなのです。高めの良い部屋もきっとあると思いますよ。

タクシーが来ない

このような Dun Aoibhinee Guest Accommodation をチェックアウト0800。

タクシー迎えを8時20分ごろでお願いしたいたが、8時半になっても来ないので、電話したかった。が、このネット時代、電話番号を書いていないところが多いのね。で、ネットであらためて注文する方法しかなかった。すると、2台ほぼ同時に到着してしまった。実はほんの5分前、1台、それらしきものがする〜っと通り過ぎていったのだ。案の定、それだった。来ないかと思ってアプリで再注文しちゃったんだと言うと、「そのままでいいよ」と。いうことで帰国してから確認しても、ちゃんと請求は一台分でした。5分ほどの距離で迎え料金も入れて8.85€ 。10€札を渡して釣りはいらないと言いました。

アラン諸島へ渡るフェリーに乗るために

アラン諸島に渡るフェリーに乗るために、まず、それ専用のバスに乗ってアイルランド本島の西の端 Rossaveel まで行くのだ。

Aran Island Ferries のバスのチケットコレクションは初日に済ませているので、OK。フェリーに巨大なスーツケースを持っていきたくないので、キンレイホステルのロッカーに大きな荷物を入れる。この荷物搬入もいろいろ面白かった。予約はできない。ホステルに行ったらロッカー室の鍵をもらう。そのときに鍵が誰かによって使われていたら、鍵はもらえない。一か八か的要素が大きい(笑)。幸い、鍵を受け取ることができて、ロッカーに預けることができました。

バス集合は、Merchants Rd のさらに裏にある。島出身らしい青年が、車椅子の人を助けてあげようとしていた話を横聞き。アメリカからの作家集団らしい。島出身の彼の英語を聞き取れないアメリカ人たち。そこへ瞳が飛び出した自己主張の強そうな細い女性が「私がアイリッシュとアメリカンの通訳をします」。「私は州出身ではありません。でもアメリカ人。なぜでしょう?実はWashington DC 出身です。これは州じゃないからね、みなさん、ははは」と楽しいジョークを飛ばしていた。そして選挙と投票制度と州議会や州議会議員がないことなどを皆に教えている。知らない人なので聞いていないふりをしてしっかり聞いているとなかなかに面白い。そして彼女は、練習しているアイリッシュをついに現場で使うことができる!と言って、カフェラテの注文方法を発音しました。が、アイリッシュの青年には通じない。「え、phonetic的には合ってるんだけど」。まあ、おそらく、アイリッシュにもいろいろ方言があるのでしょうな。

バス乗車は、0930。これがまたすったもんだ。先にアメリカ人の作家集団が乗り込むのだが、車椅子はともかく、全員、巨大なスーツケースとお土産品とを両手に抱えきれないほど持っている。これで島へ行くんですか?・・・思考回路が私の想像を超えている・・・。で、その車椅子を先に乗せたせいで、18人全員を先に載せることになり、ツアー代表者がドライバーと一緒に人数を数えるのだが、巨大なスーツケースが突っかかったり、二階建てバスの二階に行こうかどうしようか話し合ったりしているのだろう、全然進まない。ドライバーが業を煮やして「進んで〜!」と大声を出すのだが、なかなか。そしてやっと7人くらいまで数えたところで、「後の集団は後ろの方にいる」と新情報。で、ツアー担当者が後ろの方までてくてく歩いて行って、みんなに声がけ。その後続集団がみんな急がずにぞろぞろ重そうに来るのだが、きては「スーツケースを預けたいんだけど」などを人数を数えているドライバーに話しかける。ドライバー「14、持って入って、14と」と数えた数を忘れまいと必死のドライバー、一人っきりで大変だ。アメリカ人、面白すぎる。しかも作家集団が相手となると、それぞれ弁が立つからますます大変。

フェリー乗船は1030。間に合うのだろうか・・・。アイルランド島の西の端の入江にあるフェリー乗り場には、バスドライバーが飛ばしたおかげで10時には到着。アイリッシュウルフハウンドらしい犬も乗る。ダイエット手術番組に出てきそうな巨大な女性が、何分もかけてゆっくり歩いて乗る。色々びっくりです。

バス乗り場

あとは、Rossaveel からInishmore まで乗っていれば良い。しかし天気は雨。到着二日目にモヘーの断崖に行く途中の港の荒れ具合に恐怖していたし、フェリーで揺れたら嫌だな、と飲まず食わずで乗り込む。水ボトルは用意してある。

フェリー内

1035にエンジンがかかりました。1037動き出したのがわからないくらいスムーズに後進!

フェリーに揺られながら、島での行動を脳内シミュレーション。島の波止場には馬車やレンタル自転車の案内とかミニバスとかが待ち構えているらしい。いろんなブログを見て、バスが一番良いと感じた。この島の一番の名所はドン・エンガスという巨石文化の遺跡。そこ1箇所ならなんとか自転車でもたどり着けるかもしれないが、島の中をたくさん見て回るとなると、アップダウンが結構あって大変だろう。ひとりぼっちになる瞬間も出てくるし、それは危険すぎる。そして、この天候でドン・エンガスまで歩く気になるかどうかだ。とにかく私にとっての今回のイニシュモア島訪問は、世界遺産ドン・エンガスではなく、3ヶ月後に上演する芝居『出られないふたり』にて言及されるセブンチャーチという教会墓地が第一。

あとはアザラシのコロニーを見たい。でも海が荒れていると岩場まで上がってこないかもしれない。

そんなことを考えながらフェリーに揺られる。フェリーでは一旦、上の階に行ってみたが、そういえば下の波際の方が波が当たるのが面白いだろう、とまた下に降りた。入り組んだ入江とその間が沈んでできたアラン島との間の海なので、外海というほどではない。モーターボートで普通に進んでいるくらいの波乗りです。船の下に波がドガンと当たるのが、船が壊れそうに思えて怖いんですよね。横揺れがほとんどなく、縦に波を乗り越えていくので、酔いはしません。が、雨と風で予想通り、波飛沫が窓に当たるのがワクワクでした。

バスツアー開始

波止場に到着すると横殴りに降り頻る雨の中、ツアーバスが数台横付けしている。一番手前のドライバーがめちゃめちゃ呼び込むので(営業トークというより、ここへとにかく入れ、と、真剣みが強い)値段も知らず、とにかく乗った。「セブンチャーチに行く?」「これは島中全部回るよ」ほんとかいな。でも乗り込んだ。旅行前にチェックしていた経験者のブログにある通り、全座席が完璧に埋まるまで呼び込む。狭い車内、私の横には大きなドイツ人男性が座った。彼の妻は通路を挟んだ一つ後ろに座った。私は窓際だったので、彼は脚を通路に出せたから、悪くなかっただろう。

ツアーガイドさんのアイルランド訛りの強い英語が心地よい。

彼によると・・・

・この島は、ジャガイモ飢饉の時に人がたくさん移住してきたそうな。なぜなら、この島にはジャガイモ伝染病が来なかったので。なるほど。

・島では雪は降らない。なるほど。

・島は岩で覆われている。というか、島全体が巨大な岩でできている。ここに移住してきた人たちが目にしたのは、一枚岩の島であった。物を育てようにも、土がない。土を作るところから始めた。

 移住一年目に塀を作る。

 2年目に砂と海藻を運び込んで土壌を作る。

 3年目にジャガイモを作る。

 岩がない場所は全て人の手によるもの。すごい・・・。

先ずアザラシコロニーを観に行く。3頭発見! 最初、わからなかったけれど、誰かが「ああ、いるいる、見える」というので、「見えるはずだ」と思うと、見えるものなんですよね。人生と同じ。できるはずだ、と思うとできる。私はもっと確信を持って人生を行かないとダメだな。で、この否定形の文章構造を、「私はもっと確信を持って人生を行けば必ず大丈夫」と言い換えるべし。アザラシは、一頭は左肩を下にして横に寝そべり、あとの2頭は、よく分からない形で、いた。こっちを見ている。それが可愛い。これだけの雨風なのに、アザラシのいるあたりの海がとても静か。なるほど、コロニーにはふさわしい場所であるわけだ。

ドンエンガスに行けなかった話

ドンエンガスは、この島1番の見どころ。この島へ来るのはここを見たいから。3000年前の巨石文化の遺跡と考えられているが、詳しいことは何もわかっていない。大西洋に面した断崖絶壁に向かって半円で囲まれた岩塀があることを考えると、生贄の儀式が行われたろうとわたしには思える。写真でみると、かつては屋根がかかっていたろうとも思われる。

なのにものすごい雨風。滑るから気をつけてとのこと。足元もそうだが、強風でとても歩く気がせず、断念。その間、カフェでアラン島山羊チーズサラダと紅茶でランチ。バスが到着が1215、出るのが1315と聞いていたので慌ててアランセーターを買いに行く。その時には雨が上がっていた。く〜残念。

午後から夜にかけてはめちゃくちゃ晴れたので、ブログのおしまいを見てね。

次は 春から夏にかけて、もう少し長くいて、自転車を借りて、ゆっくり回りましょう。もうひとつ、黒砦 Black Fort と呼ばれる遺跡も隣にあるので、それも合わせて見たいです。

アラン・セーターを買おう

セールでは2枚99€もあり、奥には295€のもあった。奥にあるセールをしない、この島でしか買えない本物の手編み hand knitted だそうで、これを自分のために1枚。お土産用は洗濯も簡単なように機械手編み handloomed のを買った。支払いの最中に時刻になったので心配していたら、高い買い物をした私にショップの男女が親切で、バスのドライバーのことやバスの様子のことなどを聞いてくれた。バス到着が1215であることを言うと、あーそれなら1時間では来ないわ。行って帰って1時間で、カフェ Teach Nan Phaidiでお茶とトイレもして、の時間を計算してるから90分は見ているはずとのこと。そして、ついにカラフルな模様が書いてあるアラン・サファリというバスがやってきた。私の座席に残した荷物もちゃんとあった。アジア人が嫌いな印象を、このバスドライバーからも、モヘーのドライバーからも受けたので、私を置いてどっか行っちゃってしまったのではないか、他のバスは乗せてくれるんだろうか、もう現金が無いのに、と心配したのです。

ちなみにカフェでは、アラン島の山羊チーズのサラダ。山羊チーズは、丸いウズラの卵大のもので、もふもふ系ではなくしっとり系だった。サラダのドレッシングが美味しかった。

バスがやっと来て、みんな乗り込み始めた。セーターショップの人が言っていた通りのバス。みんな知り合いなんだね。

次の行き先は、いよいよセブン・チャーチ。

この島へ来た目的の場所セブン・チャーチ

到着して、ドライバーに「ここに来たかったんです!」と言うと「好きなだけいて、待ってるから」と。アジア人は嫌われていると思ったが、英語ができれば態度が変わる。なるほど。日本からわざわざ、ドンエンガスではなく、セブンチャーチを見にきたと、しばらくバス内でいじられました。ドライバーさん、いいやつだ。

セブン・チャーチをぐるりと撮影して周ると、ここが海に面していることを知った。海の向こうは断崖絶壁と信じられていた時代に、島の陸地の端から、アイルランド島の陸地に向かって祈りを捧げる場所なんだな、とわかりました。バスに戻ると、乗客たちが「あなたのお墓もありましたね」とバスドライバーに指摘すると「そう、うちは代々ここだから」と言っていた。ほう! 3ヶ月後に上演する戯曲『出られないふたり』では、ひとりが「俺の親父はな、セブン・チャーチに眠ってるんだぜ」と自慢する台詞がある。古い古い墓石。たくさん動画と写真を撮って、俳優たちに見せる素材を確保しました。

島の先端のビーチ

次が、島の最先端のビーチ。と言っても、泳げるようなところではなく、波止場というほどでもなく、ただ船を出せそうなところ。突然、誰かが「アザラシ!」と叫ぶ。二頭、波間から頭を出してこちらを観察している。可愛い! ここでドライバーとみんなと写真を撮った。ドライバーが、一人でいる私に「撮ってあげるよ」と言ってくれて、それから一緒に撮った。よかったね。

あとは、降りずに、Man of Aran を撮影した小屋とか、古い民家の状態などを見て回った。

うらめしや晴天

天気はどんどん回復し、ツアーが終わることには晴天に。悔しいなあ。でも再びおいで、という意味だろうと解釈する。必ず一つは、できそこなっかことがあり、それを満たすために次があるのだ。人生も同じだ。だから楽しいしワクワクするし計画を立てることができる。それを、年齢や性別や圧力や流れのせいにして諦めるのは容易い。だから、容易くないことを選ぶ人が素晴らしいのだ。

バスを降り、宿泊先 Aran Islands Camping & Glampingへ向かう。

Inishmore 宿泊先では、夜には真っ暗闇になるらしいので、18時までに食事を夜朝の二食分調達しておくこと。

Information Centre からCamping and Glamping まで歩いて10分

どうやってチェックインするのかよく分からなかったが、とにかく行こうと歩き出す。さっき買ったアランセーターが重い。10分って結構距離あるね。

Frenchmen’s Beach フランス男ビーチという浜辺を超えるとそのすぐ先だ。石造りの事務棟があり、そこでチェックインできた。あとは鍵をもらって、4番という小屋へ行く。

この4番コテージは、海に面していて最高だ! 背後に、海には面していない棟の列もあるので、これはラッキーでした! ダブルベッドと、ソファベットが二つで、4人は寝られる小屋だが、私は独り占め。

それから街へ再度出て、スーパーマーケットSPARへ行く。何もかも大人数用で、色々無駄にするかと思ったが、アラン島BRIEチーズと、スパイシーフムスとクラッカーとサラダ菜ミックスと、明日の朝用にベジタリアンサンドを買った。

部屋に戻って、ふと窓の外を見ると、目の前に巨大な月が現れた。なんと満月の月の出を見た!
3ヶ月後に上演する芝居『月が昇れば』そのもの!と、神様に祝福されている気持ち満載です。 

海は静かで月の光が煌々と海に映る。部屋の電気をつける気にならずに、月明かりだけで、結局午前2時ごろまでかかってチーズを平らげた。アラン島やアイルランドの歴史を調べたりしながら夜を過ごす。

雨風でドン・エンガスに行けなかったこと以外は、最高だ。とにかくこのロッジと海と満月が最高で、これだけでも今日は良い日だ。ありがとうイニシュモア。また来なくちゃね。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA