今年の夏至は6月21日

2022年の夏至は6月21日の火曜日。

和暦としての夏至は、ある一日ではなく、二週間ほど続きますが、ヨーロッパ文化的には、夜が最も短くなるある日を Summer Solstice と言い、その直訳が「夏至」です。そして、民間伝承としての名称が、Midsummer です。

Midsummer を扱った作品といえば、シェイクスピアの『夏の夜の夢』が代表的ですね。
妖精たちが跋扈して人間たちを狂わせる。

でもねぇ、おかしいと思いませんか?
ヨーロッパはキリスト教。
キリスト教は、一神教なので、妖精の存在は公には、あってはならないことなのです。

夏至の祭りは、キリスト教以前からの古いものです。
ですから、キリスト教はなんとかしてこれをキリスト教と結びつけようとしました。
ちょうど、キリスト教以前からの「冬至の祭り」を「イエス・キリストの生まれた日、クリスマス」と結びつけたように。
「夏至の祭り」は、「イエス・キリストを洗礼したヨハネの生まれた日」と結び付けられました。

日本ではほとんど無視されていますが、キリスト教国での「聖ヨハネの日」は本当に大切で、例えばスェーデンでは、ナショナル・デイ・オブ・スェーデンとされるほど。

では、三輪えり花の親しんでいるイングランドではどう祝うかというと・・・

・蝋燭を持って集まり、一晩中祈りを捧げる
・そのあいだ、断食
・ヨハネのために、3種類の大きな焚き火をする(キャンプファイヤーみたいなやつです。何を使って焚き火をするかで、3種類に分かれます。また、焚き火はキリスト教徒が導入したものではなく、より古い祭りで行っていた焚き火祭りを、ヨハネと結びつけたものです)

ただ、この焚き火祭りの多くは宗教改革を境に禁止されてしまいました。

おそらく、ですよ、おそらく、ですが、夏の祭りなので、無礼講の度合いが冬至の祭りよりも凄まじかったのではないでしょうか。
上記、「断食」とされたのも、飲んで騒いでがものすごくて聖なる祭りどころではなくなってしまうことが繰り返されたため、と言われています。
つまり、キリスト教以前の、おそらく男女の恋愛または生殖万歳のお祭りを、なんとかしてキリスト教的にしようとがんばってみたものの、人間の野生的な部分(飲食・楽しくも恐ろしくも狂乱・生殖行動)を抑制することができなかったのではないかしら。それで、祭り自体を禁止する以外に手がなかったと。
20世紀のヒッピーの時代から、非キリスト教的な春分の祭りや夏至の祭りが見直されてきたのもうなづけます。

古くから続く、夏至の焚き火は、太陽の生命力をより増すため、とされています。
妖精たちがそれを嫌がって、旋風の姿で焚き火を襲い、木の枝を投げ込みます。
もちろん、旋風と木の枝のせいで、焚き火はますます燃え盛ります。(楽しい考え方!)

子供たちは手を繋いで燃え滓の上を飛び越えます。それが成長と豊かさの象徴となります。(そういえば、バイカル湖近辺のモンゴル民族も、焚き火を飛び越えます。人間、やってみたいことはどこも同じなんですね)

農民たちは、家畜に灰の上を歩かせます。病避けです。

ストーンヘンジという、太陽信仰のシンボルである石柱群では、ブリテン島の古民族ドルイドが、夏至の前の晩(夏至イブです。クリスマスイブと同様に大事)は寝ないで祈りを捧げ、夏至の日の日の出を拝みます。

そして昇った陽の暖かさで、石もダンスをすると言われています。(そういえば、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』に「君たちの精神が波立ち 〜 ローマの石も動くだろう」というセリフがあります。ちょっと思い出しました)どの石がどんなふうに動くか、の記述もあって、なかなか興味深いですよ。

夏至の太陽のパワーは、ヒーリングにも効くと考えられていて、女性たちはハーブを集めてこの太陽のもとで煎じて一年分の薬を作ります。
夏至のイブにだけ採れるという、魔法のシダの種は、透明人間になるのに使われます。
夏至の太陽に暖められた湖や川や泉の水を飲んだり水浴びをすると、健康と富がもたらされます。

ところが、これらがキリスト教の側から見ると:
夏至のイブ、大気は悪魔に穢され、精霊、幽霊、小悪魔(ホブゴブリン=『夏の夜の夢』のパック)が跋扈する・・・。
そして、日が昇ると万事良くなるのでご安心を。

あなたはどんな夏至、または夏至のイブを過ごしますか?

三輪えり花は、蝋燭1本灯して、いまあることに感謝して静かに過ごそうと思っています。
できれば、日の出を拝めるといいかなあ・・・

夏至を描きました By ELICA MIWA

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