こんにちは、三輪えり花です。
『じゃじゃ馬ならし』は幕開きから悪口言葉のオンパレード。シェイクスピアは高尚で格が高いなんて思い込みがいっぺんに吹き飛ぶ威力です。いってみましょう!
🎭 A pair of stocks, you rogue!
「貴様、足枷だ、このゴロつき!」
酒場の女将がスライを追い出しながら言うセリフ。意味は「足枷かけて晒し者にしてくれる」です。
当時は牛の首にかけるような木材に穴を開けて、それに両足首をかませて、逃げられないようにして晒し者にしたのです。
翻訳もそこを出すほうが面白いかな。
「足枷かけて晒し者にしれくれるわ、このゴロつきめ」
お次!
🎭 Y’ are a baggage.
「てめーは袋だ」
えっ、どんな意味ですか?
袋って、なんでも入れますよね。女性に「袋」って言うと、つまり、え〜と、このような公式の場でいうのは憚れますが、あれです、売春婦の意味です。
「てめーはな、ガバガバ袋だ」みたいな。
そういえば、売春婦もわりと古い言い回しですかしらね。現代っ子は何て言うのでしょう。誰か教えて。
次!
🎭 Let the world slide.
「世界が滑るに任せよ」
えっ、どんな意味ですか?
「俺は気にしない」という意味です。台詞にすれば
「けっ、どうとでもなりやがれ」あたりでしょうか。
この直前に、なんとラテン語で paucas pallabris と言うのです。スライさんは少し学があるようですが、このラテン語の意味は「few words」なので、「世界が滑るに任せよ」の意味とは全く異なってラテン語を憶えてしまったようです。
ラテン語部分を金言のようにして翻訳すると
「沈黙は金、世界が崩れ落ちても俺は気にしねー」あたりかしら。
本日のラストは:
🎭 Go to thy cold bed and warm thee.
「冷えた寝床でおのれを温めよ」
えっ どんな意味ですか?
冷えた寝床ということは、一緒にベッドにいてくれる人はいないわけです。そこでおのれを温めよ、というので、具体的な絵は想像しなくても良いのですが、たいへん侮辱的なことを言っています。
「行っちまえ、いけず後家、くたばりやがれ」くらいで。
悪口言葉は、日本語にするのに本当に骨が折れます。言葉を訳すというより、雰囲気を日本語にしていく感じ。
ではまた次回、最後までご視聴ありがとう。三輪えり花でした。
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