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ことばと外国語習得

Angel VS Impulse

三輪えり花とイングリッシュ

【Action 目的】

人間の生き方の本質

【Live Interaction】

次期大統領 Jo Biden の勝利スピーチの中でも私が最も感動した一文を読んでみましょう。スピーチのほぼ最後に彼は、こう言いました。

Our nation is shaped by the constant battle between our better angels and our darkest impulses.

Our nation  私たちの国家 
is  は
shaped  形造られている。シェイプになった、という状態ですね。
by  何によって形造られているかというと
the constant battle  絶え間ない闘争、によって(このシリーズの最初から注目してきた、battle がまた出てきました)
between  何と何との争いかというと
our  わたしたちの
better angels  より良い天使たち
and  と
our わたしたちの
darkest impulses.  最も腹黒い衝動  
との争いによって。

です。

意味は、
人間には善意もあるし、でも自分勝手な「これが欲しい・そのためならなんでもする・あの人は嫌い・排除したい」という黒々とした衝動もある。アメリカは、善意 対 私利私欲 の争いで形成されてきた国だ、
と言うわけです。

ポイントは、darkest とbetter の使い方です

ご存知かもしれませんが、
「もっと」「より」という量や程度を比べる単語は、
more や less もあります
が、
元になる単語そのものの語尾を変えて、
「もっと」と
「それ以上行きようの無いレベル」
を表すことができます。

上記の文で見ると、

good は、
もっと良いのが better、
それ以上行きようの無い最高レベルを best と言います。

dark は、
もっと暗いのが darker、
それ以上行きようの無い暗さの最高レベルを darkest
と言います。

つまりバイデンは、
人間の暗い衝動の最高レベル vs 人間の良心の、すこしでも良い面 で戦っている状態
を言っています。

ゲームのモンスターストライクで説明すると、最強の敵レベルを相手に、すこしでも勝てそうなやつをもってくるけど、勝てるかどうかはやってみないとわからない、という感じです。

で、その「すこしでも勝てそうなやつ」というのが angels 天使たち だと表現しているところが素敵じゃないですか? 

darkest impulses は、「衝動」なので、私たちの中に存在しているものです。それと戦うには、天の助けとしての angels たちに来てもらわないといけない。そんな感じがします。

わー、まるで Avengers の映画みたいですね。

そしてわたしたちの義務は、心の中に自分たちの天使を持つことなのだと思います。

今日から With Better Angels で進んでいきましょう!

次期大統領勝利スピーチからの英語解読は、これでおしまいです。
次回も面白いテーマで書いていきますので、お楽しみに!


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チャンスの本当の意味

三輪えり花とイングリッシュ

【Action 目的】

Chanceの本当の意味

【Live Interaction】

時期米大統領Jo Biden は、勝利スピーチの後半で、こう言いました。

Let’s give each other a chance.

Republican 共和党(トランプ)、Democrat 民主党(バイデン)の両方に対して、chance を与えようじゃないか、と語りかけたのです。

chance は辞書で引くとまず「機会」と出てきますが、私たちはすでにカタカナ語の「チャンス」に馴染んでいます。「チャンス到来」のように、自分が一つ登ることができる良い運勢ポイントがきた時に使いますね。

ではバイデンはどのような意味で使ったのでしょう。
実は「win の可能性」という意味もあるのです。

私は演出家なので、いろいろな言葉を、風景や絵柄として描けるように思い浮かべる癖があるのですが、

give each other という言い方からは、一人一人が、「相手にwin の可能性を与える」姿が見えてきます。

つまり、「自分がもらう・奪う」図式から、
「お互いに win の可能性を与えあう」絵に変わろう、
と訴えているのです。

次回は、彼のスピーチの一番最後に私が最も感動した一文をお届けします。


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英語の心の中

三輪えり花とイングリッシュ

【Action 目的】

Soul ってどんな魂?

【Live Interaction】

次期米大統領 Jo Biden は選挙運動のとき、

BATTLE for the SOUL of the NATION

というスローガンを掲げていました。
「国家の魂のための戦い」 ですね。

心の中を表す英語

さて「魂」と訳した soul ですが、 英語には、心の中のことを表すのにずいぶん多くの単語があります。

どれも基本単語なのですが、辞書を引くと同じような意味が載っていて、どのように使い分ければいいのか、なかなか感覚としてわかりません。

ここでは、私がイギリスでの実生活とシェイクスピアやオスカー・ワイルド、現代劇作家の作品を演出してきて感覚的に掴んだことをお伝えしようと思います。

4種類の心

心の中のことを表すのに使われる単語には、私たちが普段触れるものを四つ挙げてみます。 つけた訳語は、だいたい最初に念頭に上がる辞書訳です。

Soul 魂
Spirit 精神・魂・精霊
Heart 心
Mind 心・精神

Soul とは

Soul は死者から抜け出していくもの、つまり最終的にその人が生きていることをサポートする霊体でしょう。死んだ時にsoul 以外のものが出ていく用例は聞いたことがありません。(あったら教えて)

Spirit とは

Spirit は、ファイティングスピリットのように、本人の気持ちです。上がったり下がったりします。(soulは上がったり下がったりしません)

シェイクスピアに登場する、ふわふわ浮いてしゃべる、けれど実体がなくて触れないものは、よくspiritと呼ばれます。
人や植物や大地などの精霊もspirit です。

それらの気持ちの部分が魂のように浮遊している感じです。

Heart とは

Heart は、優しい人間的な心です。
理性や知性とは別に動くもの。
思いやりや感動など。

良い方にだけ使われます。

もしも心が悪の人がいる場合は、その人にはevil spirit がついていると考えます。

Mind とは

Mind は、知性です。
heart が心臓にあるとしたら、
mind は大脳または前頭葉にあります。

困った時には思わず頭を抱えますが、
傷ついた時には思わず心を押さえます。
(不思議ですね、ボディが心と脳をいたわろうと動くなんて)

mind に「心」の訳があるのは、heart が人間的な優しさにのみ使われるので、それ以外の「心に思うこと」などを表現するときは mind の方がふさわしいからです。

みんなはどう思う?

簡単にまとめましたが、以上が、私が感覚的に掴んだ、soul, spirit, heart, and mind を並べてみました。
みなさんの経験ではどうですか? 言語学的、語源的なところからのさらなる情報もお待ちしています。

そういえば、「どう思う?」は what do you think ですが、
think と mind の違いもありますね。

この場合は、think がわりと長い間、脳内で思いを巡らすこと。mind はそのことについて「意識する」という意味で使います。

次回は、Biden スピーチから chance という単語を取り上げます。

おまけ:for/against

おまけ: 上述のスローガンでは、 War ではなく、Battleを使っているのにも気がついて。 War を使うと完全に国家が分裂・分断してしまっている状態ですから、選挙では絶対に使ってはいけません。
そして、battle のあとについている for は、「それを得るために」という意味なんです。

Battle でもwar でも、
Battle for the soul なら、魂を得るための戦闘 Battle against the evil なら、悪を退けるための戦闘

何を目的とした戦いであるかによって、使う前置詞(単語と単語の間をつなぐ、小さい単語だけどとても重要なもの)が for か against かが決まるのです。だからやみくもに、battle for とは憶えないようにしましょう。


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Divide or Unify

三輪えり花とイングリッシュ

【Action 目的】

United States の本当の意味

【Live Interaction】

米国の次期大統領のバイデンの勝利演説の冒頭で、彼はこう言いました。


I pledge to be a president who seeks not to divide, but to unify. Who doesn’t see red and blue states, but a United States.

President-elect Jo Biden, 07 NOV 2020


「私は分裂ではなく統合を目指す大統領になるつもりだ。 赤い州、青い州ではなく、合衆国としてこの国を見る」

は?

意味がわかりません。

ポイントは、合衆国 という言葉

「合衆国」とは、 United States つまり、
「States = 州」が
「united = 手を取り合っている」国 
という意味。

しかも、 State の元々の意味は、「状態」でもあります。

United の反対語は 「divided = 分断された」です。

この4年間で、米国は、United States ではなく、 Divided States になってしまっていました。

赤をチームカラーにする共和党と、青を掲げる民主党と、 選挙でどの州がどちらになったか、速報は州を色分けして発表していたのをご覧になったかたも多いと思います。

それをもう一度、United States
「手を取り合っている状態の国家」
として、見ようという意味なんですね。

We are the United States

とアメリカ国民が言うとき、 彼らはただの国名以上のものを感じます。

すなわち、 愛と友情で手を取り合った、神々しいまでの理想的な状態にある人々の一人、 という意識を、深いところで感じるのです。

そう思うと、ハリウッド映画の見方もちょっと変わるのではありませんか?

次回は、バイデンのスピーチから、さらに soul という単語を取り上げましょう。

ちなみに、この次の文章で彼は  Will work with all my heart to win the confidence of the whole people  と、私の前回の記事で扱った win を使っています。 「全ての人たちの信頼を win する=得るために、全身全霊を込めて取り組む」 ですね。 Win が「勝敗」の意味ではなく「得るか失うか」の意味で使われている良い例です。

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ことばと外国語習得

Win or Lose

三輪えり花とイングリッシュ

【Action 目的】

Win と lose の本当の意味を知ろう

【Live Interaction】

先日の「三輪えり花とイングリッシュ」シリーズで、
We lost some battles but we won the war.
というフレーズを紹介しました。

「いくつかの戦闘は負けたが、戦争自体には勝った」と訳します。

Win と Lose で、勝ち負け と日本語では訳しますね。
けれど英語の基本的な意味は、
「得た」か「失った」か、なんですよね。

獲得と損失 なのです。

獲得したか、損失を出したか、という客観的な状況があるだけで、 そこに「勝ち誇る」や「負け犬」という私的感情的なものは、強くありません。

上記の英語も、
「いくつかの戦闘では点を失ったが、全体の戦争では勝ち点を得た=戦争はこちらのものになった」
というのが、英語圏の人たちの感じる感覚なのです。

ですから、
I have won your love. 「あなたの愛を得た」
とか、
I lost my heart.  「私の心はズタズタだ」
などの言い回しができるわけです。

しかしながら、そうなった状態の人間をあらわす -er をつけると、
Winner 勝者
Lose 敗者
と、日本語の意味での「勝ち負け」に近くなり、感情的な意味合いが強くなります。

2020年11月現在で現職の米大統領 T が Loser と呼ばれるのを何よりも嫌うのは、Loser という言葉の持つ「感情的な差別感覚」に耐えられないからでしょう。

私たちも、受験でも恋愛でも就職でも、「勝ち負け」と言わず、「獲点と失点」と考えると、客観的に状況を見る力がつくかも知れませんね。

今月のオンライン・ワークショップでは、客観的に状況を見る力につながる、「良さと可能性を発見する」がテーマです。


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オンライン・ワークショップ受付中
11月14日(土)11時〜13時&14時〜16時 
11月16日(月)20時〜22時
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演劇の手法を使って学ぶことで、想像力と創造力が楽に働き、ご自身の良さと可能性が楽しく無理なく伸ばせます。 さらに、 あなたの良さを活かして、チームやご家族など目の前にいる相手の良さと可能性を、一緒に楽しみながら伸ばせるようになるのです。
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