人は旅立つもの、とは言え・・・

アメリカ合衆国の独立記念日ですね。7月4日です。

選挙は近づき、日本は発言の自由がどんどん奪われるような暴力的な国になってきていると感じています。日本だけじゃないかもしれませんよね。暴力と金が結びついて権力になるような社会は、いやです。歴史的にはそうなってきたものかもしれませんが、せっかく20世紀後半に手に入れた「美しい建前」にも、理想に向かって動くという全人類的な何かがあると思うんですよね。

そしてわの尊敬するかたがたは、みんなそれを大事にする方達でした。

この2年間で、わの尊敬する、お世話になった方々が、本当にパタパタと他界されていきました(涙)

楠原偕子先生

(慶應時代の1年次の担任、米文学。彼女の演劇の授業はすごく面白かった。留学の推薦状を書いてくださった。わの作品は、遊び語りも含めて、すべて観にきてくださった。)

牧阿佐美先生

(新国立劇場のバレエ研修所新設の際に、わを演劇の授業の担当に抜擢してくださった。そして台詞入りのバレエをオリジナルで作るというものすごいことを何作品も、脚本・演出させてくださった。そのおかげで遅ればせながら、オーケストラ音楽を心の動きに使うという読み方を学んだ。身体表現の可能性をさらに学んだ。門外漢のわをとても大切にしてくださった。)

岡田正子先生

(劇団昴演劇学校の「同僚」講師として出会った。ベラ・レーヌ・システムを教えてくださり、わを『私は太田、広島の川』の太田川役に抜擢してくださった。真夏の二人きりの濃密なリハーサルは最高の財産と感じている。)

中西由美先生

(劇団昴の先輩演出家。すばらしい知識と経験と英語力の持ち主で、なのに「RADAイン東京」ワークショップのスタートから、ずっと陰でわれらを支えてくれたかた暖かいかた。)

松本永実子さん

(劇団昴先輩演出家。アメリカ系の演劇ならこの人!というすごい経歴と知識の持ち主。なにより、生徒を育てる、というその情熱の熱さには本当に教えられることがたくさんあった。良きライバルで友であった。)

藤木孝さん

(劇団昴時代に大変よくしてくださった、言わずと知れた大俳優。右も左もわからぬわに声をかけてくれて大事にしてくださった。他の俳優たちが、わのことを少しでも陰で批判しようものなら強くわの肩を持って仕事を褒めてくださったことを、わは知っている。)

原知佐子さん

(生まれて初めての演出作品に主演してくださった大女優。吉岩正晴先生のお誘いでのことであった。ご伴侶の実相寺昭雄先生は芸大の講師室で「いつもチーがお世話になってます」とご挨拶されひっくり返って驚いた。とにかくかっこいい人で三輪えり花の憧れでした。)

Peter Brook ピーター・ブルック

(ヴィクトリア大学に交換留学中、大学の授業で彼の Marat, Sade の映画を勉強して以来、憧れ続けてきた大演出家。東京での『マハーバーラタ』はチケットが並んでも取れなかったが『桜の園』は母と観劇。最初のロンドン留学中に、パリの彼の本拠地劇場で『テンペスト』を観劇。2度目のロンドン留学では、演出家協会イベントで彼の基調講演を聞き、彼の瞳と脳の働きにものすごい印象を受けた。しばらく後に 同じくパリで『ハムレット』を観た。彼はわを知らないが、わは彼にものすごい影響を受けている。実際、修士論文では彼をコメディア・デッラルテの系譜の中で取り上げたほどだ。)

この2年間でこんなに大勢・・・
とくにこの6月、7月には次から次へで、精神的にかなり参ってしまっている。

わを育ててくれた世代が、異次元へ向かう時期になったということですね。

どうか皆さんの周りの方々が健康で仲良く笑顔を分かち合える状況でありますように。

【Live Interaction】
思いは死なない。思うだけで繋がれる。むしろ実体が邪魔しないぶん、繋がれるのです。


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