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中房温泉探検記3日目

2020年10月9日(金)
気がつくと朝7時。朝食は7時半からなので、荷造りを始め、時間になったら食堂へ。

食後、8時半過ぎに月見の湯へ行ってみる。誰もいないので、9時過ぎまでそこにいて、のんびりする。

中房神社

昨日は雨で周りを見る余裕がなかったが、ふと見上げると、その上にオヤシロが見える。中房神社だ。これがこの山のメイン神社であろう。
そこへ詣でるために着替えて苔むした林を登っていく。徐々に道が険しくなり、岩がちになる。その脇にどうやら大源泉があるらしく、湯の道ができていて、ちょっと渡れない。しかたなくそのあたりからお参りする。

大源正(メインの源泉)

そして、右へ向かい、大源泉へ。
大源正という名前がついている。

ここが100℃の源泉。

山肌から大量の沸騰湯が湧き出し流れ落ちていく。

この沸騰湯の中にも苔だの藻だの生きていて、なんかすごい。
生命の始まりの場所だ。

中房温泉が世界無二な理由

実は中房温泉のどこがすごいって、これがすごいのだ。
世界無二なのはここのことなのである。
何しろ、山全体がすぐ真下までマグマが来ているわけで、雨水が沸騰して湧き上がってきている。

水の沸騰温度はご存知の通り、100度だ。
100度で沸騰して湧いてくるから、湧いて外で出た瞬間には95度〜90度くらいになっている。その90度の湯の中に生命体がいるのを研究者が発見した。

90度の湯の中で生きているこの生命体は、岩のミネラルを餌にしている植物が植物になる前の姿らしい。ミネラルを食べるって、え、人間でいうと、塩と鉄、亜鉛などを食べている、ということですね。そりゃほうれん草のお浸しなんかは、それらの成分も摂取することになりますが・・・

これが植物になる前の姿と言ったのは、植物の定義は、光合成で酸素を空気中に放出するという性質がある、とすると、この生命体は、酸素は出さないからです。一方で、無機質からタンパク質や糖を作り出せるという点で、植物的であるわけです。

この生命体は、地球の40億年から35億年前の状態のときに生存していたときそのままとか。

ちょっと気が遠くなりそうです。

いったいどんな姿なのか、ワクワクして覗き込んでみると・・・

地球の生命誕生の歴史が丸々、すぐそこに!

おお! 根羽の湯でふわふわと浮いていた不気味な物体とそっくりではないか! なるほど、あれは35億年前の生命体。そいつと一緒にお風呂に入っていたんですな。

さて、沸騰湯は岩肌を流れ落ちながら温度を落としていきます。温度が少し落ちるたびに、そこで生きられる生命体が異なります。

Nakafusa  Spa, where you can watch the flow of the beginning of life on earth.

70度くらいのお湯で生きている生命体。少しオレンジがかっています。95度で生きていたグレーのに対し、色がついているということは、光のエネルギーで生きているという意味なんですって! でもまだ酸素は作り出さないの。こいつが30億年くらい前から生きているやつ。

60度から45度くらいに下がったところで初めて光合成をする植物ぽいものが誕生します。
よくみかける藻のような姿をしています。こいつが27億年から25億年前から生きている生命体。

光合成ですよ。
酸素が合成されたのです!!!!!!!
そのあたりの時代から、息ができるようになったのです。
お湯の中の生命体、すごすぎでしょ。

この子たちが、他の生命体の中に入って葉緑素となり、いまの植物の直接の祖先が誕生したと考えられているそうです。

これらの解説は、中房温泉のホームページに東京都立大学名誉教授の松浦克己氏のとてもわかりやすい文章で読みました。

それによると、これほどのものが一つの地域でそれこそ一つの山肌で、温泉から上がった浴衣姿で見られる地域はここだけなのだそうです。

温泉の中の微生物研究はアメリカのイエローストーン公園がメインだそうですが、この中房温泉も、もっと世界中の研究者たちが集う研究施設ができてもいいですよね・・・

日本を世界の研究拠点にしよう

燕岳登山の骨休めの温泉、というイメージから脱皮して、世界の研究拠点になればいいのに。スーパーカミオカンデもそうですが、日本には物凄い世界的な研究ができるところがあるのに、どうして世界的な研究施設として世界の研究者が集まってこないのでしょう? もちろん、ひとつには語学の問題がありますが、でも、小学校から英語教育してるんですよね? もったいないなあ。というわけで、私がGoPro でチャラチャラ撮影したのは英語のyoutube 動画にしました(最末尾参照)。

チェックアウトと帰り道

さて、そろそろチェックアウトの時間です。

飲む温泉水をボトルに詰めて、ここでの体験は全て完了。10時45分のバスです穂高へ向かう。途中の山道で親子連れの猿二組に遭遇。生で見る顔は可愛かった。

松本観光、というか食事とお茶

11時40分に穂高駅着11時54分の松本行きに330円で乗車。12時半に松本につき、タクシーで十割そばを食べに行く。それからまたタクシーで神社沿いのもともと露店が並んでいた地域に行き、私はフルーツの越中屋で葡萄を買う。黄華という東京では観たことのないブドウがあったので。1700円。

その向かいのなんとかいうカフェへ。そのなんとかいうカフェは、松本民芸家具の旅館の経営するカフェ。
それからタクシーで松本駅へ行き、15:50のあずさまで駅売店の土産物屋でお土産を買う。新蕎麦とおやき。

まとめ

というわけで、温泉は満喫。台本校正も予定通りきっちりやったし。

ほんの5分間の徒歩の距離に、地球の生命誕生の歴史が詰まっている場所。それを間近に見ることができる場所。
実はものすごいパワースポットなのでした。

そういえば、10月7日に出発した時の公共交通機関の利用は、2月23日にバイカル湖から帰って以来のことであった。
おしまい。

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