一つ前の記事で、感性を育てるエクササイズを紹介します、と申しましたが、その前に、まだお伝えしておきたいことがあります。
【Objective 目的】
感性を育てる上で、一番大事なことを、おつたえします。
【Why なぜ】
台詞を使う せりふ劇でも、バレエでも、オペラでも、劇の進行のない単独の歌唱でも、そして楽器演奏でも、感性は必要です。
多くの日本人演者が、ただの「テクニックの発表」に終わってしまっているのがもったいないですね。
これは、上の人のいうことを聞くのが良い子、とされるのが遠因ではないかと私は思っています。
自分の感性が「合っている」か「正しい」かどうかを気にするあまり、誰かに「良い」と言われる方法ばかりを追いかけてしまうのです。
テクニックはその点、必ず「合っている」「正しい」「良い」の基準があるので、トライしやすいうえ、上の人からは「良い」と合格点を出しやすいんですね。
けれど、
感性とは、あなただけが持っているものです。
その感性に対して、誰も「合っている」「正しい」「良い」というジャッジ(善悪、良し悪し、正誤などの誰かの基準に照らす判断)をすることはできません。
ここに、感性を育てることが日本人にとって難しい、最大の問題があると私は考えています。
【HOW 方法】
感性に良し悪しはない!と自覚する。
【Live Interaction ライブインタラクション】
感性はテクニックの追求とは全く別物です。
テクニックがなにかの基準を追いかけるために、目標設定をしやすいのは確かです。
が、感性は あなただけのものなので、そこには他人基準がない。だから目標設定が大変難しい。言うなれば、あなたの心の中だけに、それがある。
感性を育てることを怠けようと思えば、だれにも気づかれず、テクニックだけに邁進することは可能です。
そして、テクニックのすごさで観客の舌を巻くのも可能です。観客はテクニックの凄さに感動するでしょう。
早弾き、回転、ジャンプの高さ、振りのかっこよさ。
あなたは、そこで終わっていいですか?
「いやいや、そういうテクニックに向かう練習時間がものすごいから、他のことなんて できないよ」
もしもそう思ってしまうのなら、その考え方こそが、日本で舞台芸術が「やりたい人だけがやる趣味」でしかなく、コ・コロナ時代にも、それ以前にも「税金使ってなお赤字で経済の足しにもならない、自分勝手な人のお遊び」と考えられてしまっているのではないでしょうか。
感性を磨くには確かに時間が要ります。
けれど感性は、稽古場へ行く電車の中でも、朝目覚めて駅へ向かうときにも、磨くことができます。
感性が育てば、あなたはただのテクニック誇示者以上の、本当に見る人の心をつかみ、動かす、芸術家、アーティスト、社会に存在する価値のある人、となるのです。
難しいことを言いましたが、感性が育てば、舞台の上で(他の人が演じている間に)黙って立っているだけの時間さえ、演じていて面白くなります。
感性を育てると、あなた自身が満たされるようになるのです。
やってみましょう!
感性は あなた自身の中にあるもの
せっかくですので、感性を育てるワークショップを開こうと思います。
8月5日(水)11:00~13:00
8月8日(土)11:00~13:00
8月10日(月)20:00-22:00(この日だけ夜です)
8月11日(火)11:00~13:00
8月のワークショップ詳細はこちらhttps://club.elicamiwa.com/?p=106
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