乱暴な言葉を使いこなす翻訳

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6月に、シェイクスピア遊び語り第16弾を控え、ただいま鋭意翻訳中。

シェイクスピアは、喋り言葉をそのまま書いたようで、文法がめちゃくちゃなんです。

わたしたちも、喋り言葉をそのまま書き出すと、結構、文法を無視して、脳内に浮かんだ言葉をそのまま出してきていることが多々あります。

文化人のインタビューや座談会などでも、録音書き起こし文を見ると、案外やっているのがわかります。

なので、シェイクスピアの翻訳は言葉が出てきた順番にそのものをイメージするとわかりやすい。

でも、翻訳として文章にするからには、日本語として文を整える必要ももちろんあります。

たとえば、シンプルな単語に、or というのがあります。

「あるいは」「さもなければ」という意味なのですが、

これを乱暴なキャラクターが口語にすることを考えてみてください。

「ここで剣を抜くか、さもなければ逃げだすか、どちらかだ」

これだと、せりふがカッコ良すぎます。
乱暴なあくどさが出にくい。

「抜けよ、さあ。お、逃げるか?え?」

なら、どうでしょう?
乱暴さとリズムは出ますが、
文字だけで追うと、いったい何を抜くのかわかりません。

なのでカッコ書きで
(剣を抜くよう、乱暴に促し)
などの説明を入れる必要があります。

え、でも、シェイクスピアはそうは書いてないんでしょ、という問題が出てきます。

おもしろいですねー、翻訳。

ちなみに、わたしは、読み物としてのシェイクスピアではなく、生の言葉として、耳で聞きながら目で見るシェイクスピアを目指しているので、「抜けよ、さあ」のほうで訳しています。出版には向きませんが・・・

【遊び心Today】
日常の言葉を、そのまま書き留めてみよう。

電話のお喋りを録音して書き出してみてもいい。

Turkoise Flower
翡翠カズラ、陽を浴びるとこんなドキドキする色に。

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