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London2019-28: Inside the Globe

とっても貴重な、グローブ座の開演前の舞台の様子を撮影しました。『シェイクスピアの演技術』に書かれてあることが、なるほど!とわかります。

2019年5月15日、ここで観たのは、『ヘンリー四世 第二部』。

第一部のほうが有名で、
第二部まではなかなか上演されないので、
わたしも第二部は舞台で初めて観ました。

グローブ座カンパニーは、10名のアンサンブル。

全員が持ち回りでいろいろな役をやります。

シーズンごとに3本は芝居を用意してあって、日替わりで上演。おまけにアンサンブル全員がなんらかの主役級を作品別に持ち回るのです。

演者の身体能力の高さときたら!
台詞回しの豊かさときたら!
遊び心の深さときたら!

面白すぎる。

シェイクスピアのセリフが、
即興にしか聞こえないくらい、
ナチュラルでリアル。

そしてここでも、ジェンダーミックス。

フォルスタッフは、細くて美しい女性が、
男として演じました。

もちろん太っちょの衣装を着ています。

が、長い金髪のカールをひらひらさせながら、ウォッホン、と偉そうに登場するや否や拍手喝采。

観客が手にしているビールを奪い、その場で飲み干して(つまり本番中にリアルでアルコール)ゲップし、そして観客に向かって悪態をついたりギャグをかませたり。

シェイクスピアを知らない人なら、
全部アドリブだと思うくらい、自然。

いやもうイギリス人の真髄みたり、ですよ。
本当に一人ずつ全員が素晴らしいの。

アフリカ系のハル王子の動きだけ、
もう少し演者本来の動きと変えてもいいのにな、
とは思いましたが、
あとの人たちの変幻自在ときたら!

フォルスタッフが酔いつぶれている娼館の娼婦は背の高い男性が、きゃっきゃっと演じたかと思うと、その人、フォルスタッフが出兵したそのせなかを見送って、しんみりとして、それから観客を振り返って、女装の鬘をはぎ取る。

それから、両方の掌で、
女装のメイクをべったりと
ぬぐいおとしにかかり、

そして、

そう、そして、

そこで、

ヘンリー4世国王の最高の名セリフ
「眠り」のスピーチを始めたのだ。

せりふのあいだにどんどん変身していき、
最後には王のマントを羽織り、
完全に国王となり、
そこへ従者がやってくる。

なんという演出!

度肝を抜かれた。

さすがのわたしも、これを考えつけたかどうか。

10人のアンサンブル。変身と変化。

力量。

展開の力強さ、演技のパワフルさ。

そうそう、フォルスタッフは普通は太っちょの大男が配役されがちで、そうすると巨体のせいでただただでっぷりと座り込んでいる、という演技になりがちなのだが、この若い金髪女性の身体能力と、そして発声能力ときたら素晴らしく、ひたすら走りまくり、転がり回り、笑い転げ、とにかく一瞬たりとも、常人以上に動き回っていて、息ひとつ乱れず、フォルスタッフのしじられないほど長いセリフを劇場中に届けるのだ。

凄すぎる。

これも姉と見に行ったのだが、
「ロイヤル・シェイクスピアよりおもしろい。うまい」
そうなんですよ。本当にそう。

で、ナショナルシアターの『トップガールズ』やハロルド・ピンター劇場の『背信』やそしてこれを見ると、ロンドンの俳優たちってすごいんだ。

だから、やはりロンドンの本拠地バービカンセンターを諦めてストラトフォードに戻ったRSCの俳優と芝居のレベルは明らかに落ちていると言わざるを得ない、と感じる。

いやすばらしい、シェイクスピア・グローブ座アンサンブル。

面白すぎて揺れてもうた

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