London2019-8 Unlocked!

ちょっと前に、Lock の話をしましたね。

カムデンロックのロックは
ロックンロールのロック Rock じゃなくて、
水門という意味のロック Lock なんだよ、と。

今日も、Lock の話です。
こんどは、鍵のロック。

ホテルでも自分のマンションでも、自動鍵でロックアウトされてしまったことはありますか?

わたしはね、ないんですよ。

締め出されたことはないんです。

わたしがあるのはね、

鍵がかからないほうなんですな。

ちゃかちゃん!

2016年にイギリスに行った時も、ありました。

ハンプトンコートの正門の目の前にある
素晴らしい宿 Lion Gate Mews。
(断然おすすめ。次回からここ!と決めてまちがいなし)

すてきでしょう?
ハンプトンコート宮殿のあるじは
ヘンリー8世(エリザベス女王のお父さん)
の、8人の奥さんの名前がついているの。
わたしが2016年に止まったのは、
Catharine Parr の部屋。

ね、こんなにわくわく滞在。

ところで私がイギリスに住んでいたのは
もう何世紀も前のことで、

いざ寝ようと、鍵をしめようとしても、

鍵がすっかり変わってしまっていて、
閉めたつもりなのにどうしても開く。

いったいどうすれば閉まるのか。

2016年のこのときは、
寝るときに、鍵がかからないことに気がついて、
こうして椅子をドアの前に置いて、凌いだのでした。


ええ、なんの役にも立っていませんとも。

考えたら、その日は、鍵をかけないままずっと出かけてたわけですよ、恐ろしや。

こんなじゃ不安で外にでかけられない!

と、次の日、『イギリスを知る会』というすばらしい楽しい研究会の旅行ライター(今は代表)Kさんと、イギリス建築の専門家Oさんに、FBメッセンジャーで尋ねて、やっと方法がわかりました。持つべきものは友也、です。

さて、今回は・・・

午後から2万円のお芝居を見に行く予定です。

午前のうちに、住まわせてもらっている家の犬をお散歩に連れていかねばなりません。

「パティオにしてくれればいいんだけど、なかなかしないのよね」
とは聞いていた。

でも、そろそろ犬も慣れて、パティオに出てくれるかもしれない。

わたしはパティオのフレンチウィンドウを開けましたとも。
犬は・・・

出ませんでしたとも。

仕方ねーな、と閉めましたとも。

あれ?

ロックがかからないっ!”!!!!!

な、なぜだっ

やり直す。

ダメ。開く。

やり直す。

ダメ。開く。

やり直す。

ダメ。悪。

わたしはね、こう見えて、
数字だけで何かを考えるのはダメだけれど、

目に見えるものを解く能力は
結構、あるんだ。

(演出家だね、
人の心も動作や視線から読み解くからね)

だから、
機械とか、仕組みとか、
数字以外で論理的に解ける部分は

「女だてらに」

かなりできると思う。

そこで。

扉を閉めてしまうと仕組みがわからないので、
扉を開けたまま、

鍵がどうすれば閉まるのか、
何が問題がしまらないのか、

解明することにした。

フレンチウィンドゥですが、なにか?

あ、フレンチウィンドゥというのは、

本当にフレンチかどうかはともかくとして、

外へ向かって開く、両扉型の掃き出し窓のこと。

オスカー・ワイルド初め、
19世記以降の芝居には欠かせない舞台装置なので、
よく知っている。

しかし、
舞台装置のフレンチウィンドゥには
鍵はない。

見た目はつけるけど、
ほんとに閉まる鍵は

つけない。

しかも日本みたいな、
規格の180センチや1間とかじゃなく、
規格外しかないから。

ここのは2メートル半以上ある5枚綴りの立派なもの。


あれ?

扉を開けたままだと、閉まるではないか!

これは朗報!

ふむふむ。長いバーがあって。それがこのノッチでぐいっと上に上がることになってて。

よっしゃ!

仕組みがわかったので、扉を閉めてやってみる。

だめ。開く。

なぜだ、

何がおかしいのだ、

何か手順が欠けているのか、

回しすぎなのか、

回す回数が違うのか・・・

午後には2万円の芝居が待っている。

全席ソールドアウトで、
偶然1席だけ開いた瞬間に
予約したものだ。

このパティオの真向かいは工事中。

建築現場のニイちゃんたちが、
わたしが鍵が閉まらなくて
困っているのを一部始終見ている。

こんな状態で家を開けたら、
あっという間に泥棒に入られちゃう!!!

冷や汗。

何が原因で閉まらないのか、

前回のようにバーを押したままで回すのか、
バーを押さずに回すのか、

何が

何が

何がげんいんなんだ〜〜〜〜〜〜〜つcつっっx!

家主に電話する。

でない!

あたりまえや、今日は試験監督言うてんがな。

家主のもう一人にメールする。

即答もない。

あたりまえや。
今日は外回りの仕事や言うてはったがな。

と、「イギリスを知る会」の、
今や代表となったKさんと、
イギリス建築専門家のOさんにも
またもダブルでFBメッセンジャーする。

時差があるにもかかわらず、
そして本業があるにもかかわらず、

嫌な顔一つせずに、
わたしのパニックに付き合ってくださるお二人。

心配してくれる人がいるだけでも、
どれほど救われることか!

ほんとにほんとにありがとうございます。

イギリス建築のOさんは、

「仕組みはそれで大丈夫なはずです。
立て付けが悪くてうまくバーがハマっていかないのでは?
強くぐいっとやると、できる時もあります。」

「できるときもあります」

・・・

これは、ね。

Oさんの言い分ではなくて、

とってもとってもとってもイギリス的で、

笑っていいところです。

で、

その

「できるときもあります」

に賭けて

格闘すること3時間。

午後の2万円の芝居はもうだめか。

家をあけて
何千万円の損害を出すわけにはいかない。

2メートル半の高さのフレンチウィンドゥ。

足下部分のほうは問題なくバーが下がることは、
わたしも確認済み。

問題は、

高すぎて見えない上の部分にある。

えいっ!

・・・

ぐにゅー。

・・・

おおおおおおおお!

。。。

はまった。

・・・

窓、開かない。
・・・

やった!

しまった、
閉まってしもうた!

じゃなくて、

閉まってくれはった!

もう触るまいぞ。

なんでハマったんだろ、もう一回やってみよ、
は、絶対にしないぞ!

(と、言い聞かせるあたり、
普段は、
成功した後で
なぜ成功したかを分析する癖がある
ことがわかりますね)

もうね、

映画の俳優のようにね。

手のひらを前へ向けてね、

しずしずとね、

これいじょうさわりませんよ〜〜〜

を表現しながらね、

後退りしてね

時計を見ると、ちょうど、

今、出れば、
2万円のお芝居には間に合いそうなんで、

お化粧も着替えもなしで。

ごめんよ、演劇学校の生徒みたいな格好で、
周り中、2万円席のフォーマルしてる座席へ

レッツゴー。

Kさん、Oさん、
本当にありがとうございました。

お二人がメッセンジャーで励ましてくださったから
諦めずにできたことです。


お二人には帰国後、
神楽坂の「お野菜と」
でお礼をいたしましたとも、
もちろん!
2度も助けてもろうて。どっちも鍵で。
(「お野菜と」は、食べログの星の数は3つですが、
私はお肉を食べない派のうえ、アルコールもだめなので、
その中で接待をするとなると、
静かで、たしかな料理の腕で、
こちらの要望にも答えてくださるここは、
わたしには5つ星です。
しかも、味は断然、保証します。
あのね、アルコール取らない人(わたし)の味保証は
信頼してください。
アルコールで騙されずに美味しいんで)

さて、

鍵。

ウェブで見ても、

締め出されてどうやって開けるか、

はいっぱいあるけど、

どうやって閉めるか、

は全然ないんやで。

どうやって閉めるか、のエキスパートになってやろうかい。ですわ。

呑気にこのパティオに遊びにきたロビン。
鳥だよ。見つけてね。

で、お芝居を見ているときに家主からメール。

「あー、あれ閉まらないのよ、気にしないで」

。。。

・・・

😩😩😩

おいっ!

(今は、修理して、ちゃんと閉まるようにしたそうです)


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