London2019-5 Are You Still In Love With London Taxi?

駅から滞在先まで、タクシーに乗った。

いわゆる、黒い、箱型の、ロンドンタクシー。

運転席と客席のあいだには防弾ガラスが嵌め込まれ、車内のマイクを通して運転手と会話するようになっている。昔は素通しだったものだが、いろいろ危険になってきたのだな、残念な時代だ。

で、もっと残念なのは、このタクシーが、ロンドンタクシーにあるまじきタクシーだったこと。

わたしは英語の発音には自信が少しはあるのだが、
相手は私の英語をわざと聞き間違えたふりをして、どんどん違う方向に走る。

ロンドンの地図をかなり知っているわたしは、
うーん近道なのかな、ま、いっか、
と、ある程度看過していたのだが、

ハイドパークコーナーという巨大なラウンドアバウトでの出口が違ったときには、さすがに、

「ちがうちがう、XX街YY通りだ」

と言った。でも運転手は

「だからこっちだって」

みたいなことを言ってどんどん進む。

わたしもさすがに、

「いいから一旦止めて、地図を見直して。私の知っている限り、これはこっちでこうだ」

と伝えると

「なんだ、住んでいたのか、最初から言えよ」。

しかも、そのストリートに到着してもなお、

「えーと、〇〇番はどこかな」

と素通りしようとする。

「ここだ、ここだ、いいから止めろ」

とこちらも大声を出す。

そして、本来1000円も掛からずにいくところを、メーターも上げずに「20ポンド」と平気で言う。

チップなんか誰がくれてやるもんか、本当は7ポンドで着くところだぞ、と言ってやろうかと思った。

が、宿泊先はホテルではなく人の家なので、何かあったら困ると思って我慢した。

こんなドライバー、昔はいなかった。

この男、30年も前から運転しているはずの年格好。

なのにこのモラルの低下はなんだ?

心底がっかりした。

昔は、わたしが夜中に劇場からタクシーで粗末なアパートへの角に着くと、

「後ろから男が歩いてくる。ちょっと心配だから、俺がみていてやるから、君は行け」

と言って、見張り役さえ買ってくれたものだ。(もしかしたら私のアパートを突き止めたかったのかもしれないが)

あと、この手のゲスな泥棒たちには、ステイタス高く、高飛車な態度と上流英語を使うと、効果があって、こちらの言うことを聞く態度に出るものだ。

だが、このドライバーは、わたしが日本人だと知った時点で、ひたすら捲し立て作戦で、表は有効的・内心で泥棒、を演じきった。それともわたしの発音能力が落ちたのか・・・そうかもしれない。上流英語、やり直さないと、だ。

あ、すくなくとも、日本のみなさん、ヘラヘラした媚びた笑いで友達になろうとするのじゃなくて、昔の武士のように毅然とした態度で、「お主、わからぬことを言うのぉ、切り捨ててくれる」くらいのつもりで、どうぞ。(ほんとに切り捨てちゃダメよ)女性も、「貴様、何奴?」くらいのノリで、相手は態度を友好的に変えてきますから、試してみてね。

あーあーああーあー。

昔は、昔は、と言うまいと思っていたのに。

比べるのって、面白いもんね。しかたない。

じゃあ、連呼します。

昔は、昔は、昔は!

で、ぷんぷんして到着し、家主夫婦とレバノン料理を食べに出てきたよ。この夫婦は、男性が、私の活動の国際弁護士を務めてくれていて、女性は、ロンドン大学の日本語科の助教授です。

ところで、今のロンドンだって良いところもいっぱいあるはず。
宿泊先のKing’s Road の部屋からお伝えします。


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