アラブ国際演劇祭の査察で訪れたカイロ最終日は、飛行機の時刻まで、カイロ考古学博物館へ。
お写真を辿りながら、自分用のメモとして憶えておきたいことや気づいたことを書きます。
エジプトでは2011年、革命が起きました。
独裁的指導者を退陣させる運動がアラブ諸国で連鎖的に起きた、アラブの春と呼ばれる一連の波のひとつで、エジプトではムバラク大統領を退陣に追い込んだのです。
死者も政府声明では約850人。実際はもっと多いかもしれません。その運動の象徴が、国民が集結した、博物館前にあるタハリール広場です。
通訳のハイサムさんが
私も大学生で、デモに参加しました。
と、静かで穏やかでフレンドリーないつもの調子で話し始めました。
政府は、「暴徒が博物館を襲撃し世界的文化的財産の焼き討ちを計っている故、博物館周囲にいた国民を掃討し、博物館を守った」と発表しています。
マスコミは、焼け爛れた文化財の石の彫刻の様子や、私たち国民が政府軍や警官隊に襲い掛かっている写真や動画を放映し続けました。
けれど実際は、私たちは、博物館と文化財を暴動から守るために、博物館の内外を固めていたのです。
そこへ政府軍と警官隊がやってきて、博物館周囲に展示してある石の文化財を焼き始めました(火炎放射器?)。
私たちはそれを止めさせようとしたのです。
けれどマスコミが流したのは、全く逆に見える映像でした。
ほんの数年前に現場にいた人のことばです。
編集できる映像や文章には、視聴者読者のものの見方を左右する偏向バイアスがかかるものとして、肝に銘じなければなりませんね。
幸い文化財の殆どは無事でした。
ハイサムさんは誇らしげに、私たちが守りました、と言います。
その言葉の背後に、どれ程の勇気と怒りとかなしみと恐怖の体験があったことでしょう。
その文化財を観ていきます。
1 目が光る像たち
2 働く奴隷たち
パンを焼く人。焼き上がるまで寝て待つのだ 小麦粉をこねる人正面 小麦粉をこねる人側面 小麦粉をこねる人アップ 練った小麦粉を伸ばす人 練った小麦粉をネリ棒で伸ばすのは今も同じ この人は何をしているのかな。 両足で挟んで、その前にくぼみがありますね、パンをちぎってこのくぼみに入れて焼くのかな この人なんでしょうね、お風呂屋さんに行きそうです。魚を撮ってきたのかな? ビールを作っている女性だそうで この子は肉を焼き上げた所みたいな感じですね これは物乞い?まさかね お洗濯中 この子も受け皿を持って、両膝を胸元まで曲げての乞食座りですが・・・
3 ミイラの棺桶特集
絡み合う蛇と戦う人々 メインの棺桶を支えておく棺桶ケース!わかりますか、蓋とボディの間は抜けているんです 棺桶の中にもこんなに見事な装飾が 棺桶内の装飾アップ。とても華やかで豪華な衣装を身につけたファラオがファラオの象徴としての錫杖をもち、向かい合う妻?は豊かな食料をつみあげています。エジプト王朝のあった都がいかに豊かだったか想像できます。かつては砂漠じゃなかったんじゃないかな。 アヌビス神が向かい合い、中央上には太陽があり、その両脇をラーの瞳が守り・・・その下の絵はどうやらミイラ作成の器具のようですね 棺桶や臓器を収めておくピラミッド室内にはさらにこのように黄金の小さな箱が収められ、この中にさらに小さな箱が収められ、さらにその中に棺桶が入る、という仕組みです。これは臓器の箱を納めるケースですね。 似顔絵の練習帳だそうです。もちろん石。石は大量にあったってことですよね これも練習中のもの。練習だけでもこれだけうまいってすごい 仲の良いご夫婦です。キスの場面は結構ある。大事にしていたのでしょうね。ファラオの象徴である金属のおかっぱカツラをとるとファラオもただの坊主頭さんです ミイラの作成方法が絵巻になって階段脇の壁にかかっていました。演出家としてはこういうのがおもしろくてたまらない
4 ミイラを守るものたち
みんな大好きアヌビス 大きさはハイサムさん参考 裕福な家庭のお風呂場だったような。混浴ですね 裕福な家庭の奴隷一家の住まいだったような 魂を無事にあの世へ送り届ける船は大切です。何艘もいろいろにゃくわりの船がいます。釣りをする船や守る船や娯楽の舟など。 ボディがワニで頭が鷲のアラバスター像 カノプス壺と呼ばれるこれらの壺には、埋葬者の臓器が丁寧に分別されています。臓器ごとに守神が異なり、それらが壺の蓋になっています 臓器の中でもとくに大事な肝臓・肺・胃・腸は特別なカノプス壺に入れられ、4種専用の箱に納められます(心臓は埋葬者に残す) 4種壺用容器。お風呂に入ってるみたいですね 白いライオンに守られる壺 正面から見ると可愛いですね。威嚇になってない。だから掘り起こされちゃったのかな。
5 装飾品
椅子。ツタンカーメンコーナーにありましたので、彼の椅子だと思われます 若きツタンカーメンのお顔。美男子です。本物の面よりもこちらに見入ってしまいました。 ツタンカーメンのサンダル。まじでこれ履いていたんですか!!これは強力でした 南洋の貝殻のネックレス。海洋貿易が盛んだったことがわかります。もちろん、大変貴重で高額で王族しか身につけられないものだったことでしょう 黄金の指輪。装飾品は本人が身につけていたと思うとゾクゾクします エジプトのファラオといえば!的な黄金の胸当てと剣。 はい、ゲーム好きでした〜 あの世でもゲームするんだ、絶対。 椅子です。誰か強力なファラオのものでした。全面黒檀と大理石または貝殻の板が敷き詰められていう手の込んだものでした
6 博物館と仲間たち
博物館入り口大ホールで最初にお目にかかるスフィンクス。ちゃんと髭があります ハイサムさんと日本語学校の生徒たち。医者だったり博士課程だったりのエリート中のエリートが日本語を勉強しています 瞳が生きているみたいですね
この入エジプト記もあと一回で終わりです。
次回は、みんな知りたい、お食事とかお土産とか。
お楽しみに!
コメントを残す