Ex-Exodus 14 Cairo Museum

アラブ国際演劇祭の査察で訪れたカイロ最終日は、飛行機の時刻まで、カイロ考古学博物館へ。
お写真を辿りながら、自分用のメモとして憶えておきたいことや気づいたことを書きます。

エジプトでは2011年、革命が起きました。
独裁的指導者を退陣させる運動がアラブ諸国で連鎖的に起きた、アラブの春と呼ばれる一連の波のひとつで、エジプトではムバラク大統領を退陣に追い込んだのです。

死者も政府声明では約850人。実際はもっと多いかもしれません。その運動の象徴が、国民が集結した、博物館前にあるタハリール広場です。

通訳のハイサムさんが

私も大学生で、デモに参加しました。

と、静かで穏やかでフレンドリーないつもの調子で話し始めました。

政府は、「暴徒が博物館を襲撃し世界的文化的財産の焼き討ちを計っている故、博物館周囲にいた国民を掃討し、博物館を守った」と発表しています。
マスコミは、焼け爛れた文化財の石の彫刻の様子や、私たち国民が政府軍や警官隊に襲い掛かっている写真や動画を放映し続けました。
けれど実際は、私たちは、博物館と文化財を暴動から守るために、博物館の内外を固めていたのです。
そこへ政府軍と警官隊がやってきて、博物館周囲に展示してある石の文化財を焼き始めました(火炎放射器?)。
私たちはそれを止めさせようとしたのです。
けれどマスコミが流したのは、全く逆に見える映像でした。

ほんの数年前に現場にいた人のことばです。
編集できる映像や文章には、視聴者読者のものの見方を左右する偏向バイアスがかかるものとして、肝に銘じなければなりませんね。

幸い文化財の殆どは無事でした。
ハイサムさんは誇らしげに、私たちが守りました、と言います。
その言葉の背後に、どれ程の勇気と怒りとかなしみと恐怖の体験があったことでしょう。

その文化財を観ていきます。

1 目が光る像たち

2 働く奴隷たち

3 ミイラの棺桶特集

4 ミイラを守るものたち

5 装飾品

6 博物館と仲間たち

この入エジプト記もあと一回で終わりです。
次回は、みんな知りたい、お食事とかお土産とか。

お楽しみに!


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