岸田國士という昭和の大劇作家の小作品2本、ダブルビルでのリーディング公演、本日大成功で閉幕しました。

勝俣さん 私(三輪えり花) 華ちゃん 山ノ井さん
青ちゃん(演出家) 佐野さん(ミュージシャン)

朗読なのですが、表情や動きの演技がちゃんと入ります。淡々と棒読みスタイルで読み上げるものは朗読。でも、表情やドラマをちゃんと演じて表現するのは、「演読」と私は呼んでいます。(流行らせてね!)

1本目は『ヂアローグ・プランタニエ』フランス語で、春の会話、という意味です。女学生の親友同士。好きになった男性が同じ人。でも昭和三年の当時は、両家の子女の結婚相手は両親が決めるもの。私は、選ばれなかった女性「奈緒子」。

稽古中

2本目は『隣の花』二軒長屋の中流家庭。家庭というより、結婚後6年の子ナシ夫婦と、結婚して半年の夫婦。夫の方が、隣の奥さんのほうがいいなあ、とアプローチをかけてくる、奥さんたちもそれが嬉しい。私は結婚後6年の妻で、亭主関白の夫にいつも笑顔でいるのに、夫には対外的に「バカなんです。年寄りで」とバカにされ(ほんとに昭和の男ね)、心の中はストレス溜まりまくりの文子さんです。

私、劇団昴時代に『紙風船』を読んで、なんて子供っぽい、バカみたいな話なんだろう、鎌倉に電車で行くかどうかだけのことで、と思い、以来、岸田國士大っ嫌いで、面白さが全くわからなかったのね。

(そういえば、シェイクスピアも大嫌いで面白さがまるでわからなかったっけ)

以前も『チロルの秋』をリーデイング上演で演じたけれど、そのときもそれほど、凄さに気がつかなかった。
今回は、『ヂアローグ・プランタニエ』台本がじつにチェーホフそっくりで、まるでワーニャ伯父さんのソーニャとエレーナのやりとりのようで、独りで自習する読解過程がすごく面白かった。

本番をやっている最中にも発見があって、あ、これはお隣さんのせりふだけど、実は文子の心情を表してるじゃないか!と思ったら、演技につなげることができたり。

台本読解は本当におもしろい。スタニスラフスキイの9つの疑問を軸にして、フィジカル・メモリーを使って演じていく、そこにベラ・レーヌの、心の中のせりふと、心が動くことを許すということが加われば、もっともっと日本の舞台は面白くなります。

【今日のライブインタラクション】
スタニスラフスキイの本を読んでみよう。

*お写真はほとんどが華ちゃんが撮影してくれたものです。ありがとうございます!


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