息こそ全て Breathing is the Thing

【稽古風景:息】

7月5日の『今あなたに知ってほしいシェイクスピア』(略して、いまシェ)の稽古をしています。

稽古でもワークショップでも授業でも、受けている人から、こういうことはみんなも知りたいと思うという言葉をよくいただくので、できるだけシェアしていこうと思います。

先日は相手役のルーサーさんに、息の使い方で演技の違いを実感してもらいました。
そして二人で、だよねー、と思ったことをお伝えしましょう。

皆さんはせりふの前に息を入れますか?
それともせりふの後に息を入れますか?

変な質問だと思いますか?
だったら、息の使い方をちょっと勉強することをお勧めします。
新刊『シェイクスピアの演技術』56ページ、「声と息」の項で書いておきました。

ところがね、この使い方をしていても、うまくいかないことがあるんです。

トレーニングが演技に活かせない とんでもない理由

本人は、せりふの前に息を入れているつもりでも、実際は、せりふの後に息が自動的に戻ってきてしまう人がいるのです。

そうすると まるで溺れている人が息を焦って吸いにいくような呼吸になり、結果として 溺れている人が焦って喋っているような喋り方=演技になってしまいます!(怖)

あのね
呼吸練習(呼吸だけに特化したトレーニング)のときは ほとんどの人が問題ないのです。よくできている。
だから 仕組みとしては理解しているはずなのです。

ところが、いざ せりふになると途端に、呼吸練習をする前の、とってつけたような芝居がかった臭い演技に戻ってしまう。

なんで?

なぜ仕組みを理解しているのに、呼吸練習ではできるのに、ことばを入れて呼吸と組み合わせて、という「気持ちを入れない練習タイム」にはできるのに、いざ心理を加えた「演技」のときはできないのだ?

その原因は

なんだと思いますか?

なんと、顎を上下する癖!
それが原因だったんです。

ふいご ってご存知ですか?
アコーディオンでもいい。とにかく、閉じているものは開くと そこに空気が入ってきます。
喉も同じで、顎を下げた状態から顎をあげると自動的に息が入ってきちゃうんですね。

なんでしたら、ぜひちょっとやってみてください。
息をとくにするつもりにならず、口をポカンと開けただけの状態で顎を上下するだけです。
ね。息が自動的に出たり入ったりしますでしょう?

それがせりふの息をコントロールできない超最悪の原因なのです!

現代の日本人は、テレビのキャスターもタレントさんもみーんな揃ってうなづきながら喋ります。たぶん、そうすることで、しっかり伝えてる感が 気分的に 生まれるから。

けれど、それをしてしまうと、演技には全く不向きなんです。

普段からうなづきながら喋ってしまう癖を、演技のときにも捨てられなくて、そのために、せりふの後や文節ごとに息があっぷあっぷと自動的に入ってきてしまう。

で、なぜそれがいけないか?

息を操縦できない 魔の因果関係

まず 
息が肺の下の方に落ちていかない

すると
胸が持ち上がった状態で短い浅い息しかできなくなる

すると
息が浅くて短いので、せりふには足りない

だから
もっと無理して吸い込もうとしてしまう

すると
切羽詰った気分になる

だから
切羽詰ったような演技しかできない

つまり
微妙な気分や意味や感情やトーンの違いを表現できない

おまけに
声は上ずり、ただ一本調子で叫ぶだけな感じになってしまう


声を枯らす

結局
切羽詰った気分だけが観客にも伝わる

だから
物語は伝わらない

そのうえ
枯らした声に観客も疲れてしまう

だから
演劇ってうそくさい
疲れる
ガキの遊び
と思われてしまう

だから観客が減る

ほら!
顎の上下で息が意図せざるところで入ってきてしまう癖のために、こんな因果関係が!!

いちどご自分が演技しているところを動画に撮って、どれほど顎の上下で芝居してるか、チェックしてみてください。

呼吸を、自分の意思で、自由自在に操縦できるようになれば、演技はかなりすごいレベルになる!

でも、顎の上下の癖がある限り、呼吸練習が本番(演技)では役に立たなくなってしまうの。

癖から離れよう。

で、癖から離れるためには、自分の体がどんな風に動いているかを知って、それを操縦できるようにならなくちゃいけないのだ。
(その話はまたいずれ)

7月5日は、ルーサーさんがどんな風に体を息を操縦しているか、その目でしっかり確かめられます。
http://acture.biz/event/asobigatari/2019/04/14/acting-and-directing-shakespeare/

【今日のライブインタラクション】

顎を上下して喋る癖に支配されていませんか?

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