【科白?台詞?】
シェイクスピアの科白を演じてみたい人のための『今あなたに知ってほしいシェイクスピア』は7月5日。
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「せりふ」という日本語の語源を調べていて、面白いことがわかりました。
「せりふ」という発音は日本語なのに、漢字で書かれる時の「台詞」または「科白」は中国語由来だと言うのです。
(それを知らないうちに、私は感覚的にひらがなの方が好きで、『シェイクスピアの演技術』でも「せりふ」とひらがなで書いております)
まず「台詞」について。
「台本」の「台」とそこに書かれている、喋るべき言葉を示す「詞」。または、「土台」になるべき言葉という意味で、「台詞」。
というように考えていました。
次に「科白」について。
「白」は、「告白」「自白」に使われるように、実は「言葉で吐露する」という意味があります。
「科す」は、「罰金を科す」など、罰と組み合わせで使われますよね。
なので、「科白」に「白」が使われるのは理解ができるのですが、なぜに、罰にまつわる「科す」が使われるのかが、謎でした。
そこで!
「せりふ」の語源を調べたつながりで、「科白」の「科」への謎を解明すべく、
漢字の違いを調べてみました!
今回、お世話になったのは、日本語不思議時点、漢字文化資料館、劇作家別役実の過去発言(はてなぶろぐ)などです。ありがとうございます。
まず「台詞」
これはなんと「舞台詞」、つまり、舞台の言葉、という意味で、「舞」の字が省略または抜け落ちたもの、だそうなんですよ。これは日本語由来説と中国語由来説と二つありました。
次に「科白」
これが面白かった!
「科白」の「科」は、なんと「しぐさ」の意味だというのです。おお。だから、「仕草と言葉」という意味で「科白」なんですな。
「台詞」だと、言葉そのものしか意味しないが、「科白」だとそこにどんな仕草を含めるかまでをなんとなく念頭に置く漢字です。
そう思うと、日常で、たとえば一向に借金を返してくれない人が
「あと1日待ってください」
とか言うのにたいして
「そんなせりふは聞き飽きた」
なんて返したりするときは、「決まり文句」「おきまりの文言」という意味ですから、「台詞」のほうがふさわしいですね。
一方、舞台で俳優が使うときは、
「そのせりふはどういう気持ちでいうの?」
と考えるのに、どうしたって仕草も含まれます(ここで、仕草を含めて考えられない俳優は、ちょっと自分のすべきことを考え直した方がいい)から、「科白」を使う方がふさわしい感じがします。
・・・けれど、現代の日本語の感覚で
「科白」「科」が、「しぐさ」という元の意味よりも「罰を科す」という、あまり好ましくないイメージが強いので、私はあまり使いたくないかな。
と、おもうと、やまとことばのひらがなのまま「せりふ」と使うのが好きです。
漢字の使い方含め、ことばにこだわる三輪えり花は、やはりことばにこだわるシェイクスピアと相性がいい、と自負しております。
思い込みではない言葉の感覚、
昔の読み方も、現代の感覚も、両方合わせてシェイクスピアを感じられる、三輪えり花のワークショップ型公演は7月5日。
俳優を志す人、俳優としてさらに力をつけたい人、好奇心いっぱいの素敵なビジネスマン、教養を楽しむ女性たち、遊び心あふれるリタイヤーズ(リタイヤされた皆様)、ぜひぜひ遊びにいらしてください。
『今あなたに知ってほしいシェイクスピア』は7月5日。
http://acture.biz/event/asobigatari/2019/04/14/acting-and-directing-shakespeare/
【今日のライブインタラクション】
あなたは、科白・台詞・せりふ、どちらを使いますか?
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