『私は太田、広島の川』
残すはあと1回のみ。
実は、初日と二日目の昼は、演出の岡田先生は大満足で、なのに二日目の夜に、「あれは違うわ」と注意が来たのです。
面白いですね。
私は、役がやっと自分のものになってきた感じがして、それをさらに深め、広げようと、生き生きし出したのですが、それがいけないらしい。
これは面白い現象です。
私も演出家として、公演が開いてしばらく経つと、俳優たちが演出の求めているのと異なる方向へいくのを目にしたことがしばしばあります。
役柄が自分のものになってきた、と思って自由にすると、案外、演出とは異なる方向へ行くものなのかもしれません。
今回、私は音楽劇『ヴェニスの商人』からわずか8日で劇場入りをするという荒技で参加しました。
8月、9月に特訓を受けてはいるものの、稽古場に舞台装置の「場見り」がある場所でほかの出演者と一緒に稽古するのはまた違うもの。しかも、他の出演者のほとんどが再演としての参加です。初演と2回目の再演が成功しているなか、入っていくのは勇気の要ることでした。
でも皆さんがとても暖かく迎えてくださり、自由な気持ちで常に新鮮な発見をするつもりで稽古に臨むことができました。
さて、さて、二日目の夜の「それは違う」について、三日目の朝、地下鉄のエレベーターを降りたところで解決策が閃きました!
劇場について真っ先に岡田先生にそれを伝えると、「やってみたらいいんじゃない」とおっしゃるので、周りの出演者と舞台監督、音響・照明のオペレーターたちに、今日はラストシーンの演技を変えるから、と伝えました。
とはいえ、それは上を仰ぎ見るタイミングを一言ずらすだけなのですが、そういう細かいところで、太田川の気分はものすごく変化するのです。
結果は?
昼公演・夜公演ともに先生大満足。
ちなみに、二日目の夜も悪かったわけではなく、かすかに方向性が変化したのみで、それはそれで別な太田川の側面が出たのをお客様は目撃したわけで、やはり暖かい拍手と感動はいただけたのは、昨日のブログのお写真からもわかっていただけると思います。
さて三日目のお写真。全員と撮れたわけではありませんが・・・
明日で最後!
太田川の精霊を演じ切ります。
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