シャイロックの家族愛

前回のレッスンでは『ヴェニスの商人』では悪役のシャイロックを、娘を溺愛する父親として演じてはどうかと提案しました。

娘を溺愛すると、溺愛された娘は父親をうっとおしく思うでしょう。好きな人との結婚も反対されるのがわかっていれば、さっさと家を逃げ出したいと思うでしょう。

溺愛する方は、なぜ自分が嫌われるのか、わからないでしょう。そして裏切られたと思うでしょう。
可愛さ余って憎さ百倍、ということわざが日本にもあるくらいですから、逃げた娘のことを悪く言い、人前では、お金の方が大事だといって虚勢を張るでしょう。

私がイギリスに住んでいた頃、同じロンドン大学大学院の同級生に、ユダヤ人が何人もいました。みな、普通の格好をして、恋もするし、キリスト教徒の他の人たちと一緒に飲みに行くし、なんら分け隔てなく大学生活を過ごしていました。

その彼らに聞いた話に、家族愛について、があります。

「ユダヤ人は家族をとてもとても大切にするの。国家がないから、余計に、血の絆が心のよりどころなの。そのうえ、jewish princess (ジューイッシュ・プリンセス)という言い回しがあるくらい、ユダヤ人は一家の娘を舐めるように可愛がるのよ。ドレスに宝石、髪型、すべて両親が着飾って、なんでも言うことを聞いてしまうから、ユダヤ人の娘はものすごくわがままでおしゃれで気の強い甘えん坊になるの」

幸いにこれを知っているからでしょうか、シャイロックとジェシカの関係が、このセリフの通りに演じると、とてもスッキリ納得がいくように思われます。

皆さんはいかが思いますか?

【今日のライブインタラクション】
親が溺愛すると、子供はどうなりますか?子供の態度や気持ちは?


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