娘とダイヤモンド

昨日のメールに、文言の誤りがありました。

送信した途端に気づきましたヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

❌上へ下への

⭕️上を下への

さて『ヴェニスの商人』シャイロックは、娘が財産を持ち逃げしたと知り、激怒します。

「娘なんぞくたばれ、フランクフルトのダイヤモンドを持って逃げやがった」

とすごい剣幕。

娘を罵る一連の台詞を見ると、シャイロックは娘よりも財産だけが大事に思えます。

本当にそうでしょうか?

【今日のライブインタラクション】

とても大事にしている人に裏切られた時、どうなってしまいますか?

あちこち走り回るって英語ではなんと言う?

『ヴェニスの商人』シャイロックが逃亡した娘を探してヴェニス中を走り回っている間、ヴェニスの商人アントニオの友人たちは、破産した彼を探してヴェニス中を走り回っていました。

あちこち探して走り回ることを日本語では、東奔西走、とか、あるいは闇雲に走り回る意味で、右往左往、と言いますね。

英語ではなんと言っているでしょう?

「俺たちはアントニオを探してあちこち駆けずり回っていた」

“We have been up and down to seek him.”

Up and down と言うのですね!

日本語で、上と下という言葉を使うときは、上を下への大騒ぎ、の言い回しがありますね。

【今日のライブインタラクション】
何かを探しているとき、方向感覚を失うものですが、次からは、少し方向を意識してみましょう。

新しい翻訳者の誕生!

戯曲の翻訳の専門家がまた一人、誕生しましたので、みなさんにお知らせします。

国際演劇協会の英連邦部会で、三輪えり花は戯曲翻訳通訳者養成講座を開いています。

その第1期生から、また、新しく修了生が誕生しました!
嬉しいことです。
ご本人には謹んでお祝い申し上げます。

彼女は(いずれ活動用のお名前を決められるでしょうから、それまで匿名で)演劇教育の専門家でもあり、これからがとても楽しみです。

翻訳者通訳者に困ったら、ぜひ三輪えり花にご相談ください。
英連邦部会には優秀な英語能力者が揃っております。

この戯曲翻訳通訳者養成講座は、この冬ごろに2期生をスタートさせる予定です。

【今日のライブインタラクション】
あなたが取得してみたい資格はなんですか?
ぜひ三輪えり花に夢を聞かせてください。
presence@elicamiwa.com

葡萄三昧

山梨から美味しい葡萄をたくさんいただき、秋の山梨での二つの舞台の準備に盛り上がっております。

ひとつは9月27日に、甲府にて、オペラコンサートと、モーツァルト『魔笛』ダイジェストをやります。
これはある団体のために行うので、一般のお客様は入ることができません。

もうひとつは、10月21日に、石和(笛吹)にて、『ヴェニスの商人』を音楽劇仕立てにしてお送りします。
これは一般にオープンにされています。
詳細はまた後日、掲載しますね。

甲府からは素晴らしい巨峰ほか新種など4種が届きました。

石和からはシャインマスカットも!

役者もスタッフも大喜びです。
たいへん美味しくいただいております。

ありがとうございます。

10月公演のお問い合わせは三輪えり花まで。
info@elicamiwa.com

ヘアカットしました

珍しく私のお写真でご挨拶。
『ヴェニスの商人』はお休みしての、日常のプライベートニュースなのでお時間のない方はスルーしてください。

今日は、馴染みの美容院でヘアカットをしていただきました。

府中市にあるマーブルズというお店です。
お店のウェブサイトはこちら↓
http://www.marbles-net.jp/menu.html

店長の佐藤さん、とても腕がよく、洗髪から始まって仕上げまで全部一人で見てくださいます。
最近は、府中のフットサルのチームを応援しているとのことで、
今日もフットサルの国際メンバーの外国人がたくさん来店していました。

え?
全然ヘアスタイル変わっていない?

はい!丁寧な微妙な作業なのです。

お洋服は、ダイアン・フォン・ファステンバーグのシルクシャツワンピースです。

【今日のライブインタラクション】
たまにはおしゃれしよう。

災難続きのシャイロック

『ヴェニスの商人』の悪役シャイロックには、突然の災難が続きます。

まず、アントニオが破産。

シャイロックが貸した莫大な量のお金が返ってこない

次に、娘ジェシカが家から逃亡。

実の娘に嫌われ、嘘を疲れ、裏切られた。

なんと、娘はキリスト教徒とかけおち!

しかも、シャイロックが溜め込んだ金銀財宝を持ち逃げ。

シャイロックの立場になってみてくださいな。

【今日のライブインタラクション】
嫌いな相手でも、自分がその立場になってみたら、と考えてみよう

目には目を(シェイクスピア風に言うと)

『ヴェニスの商人』悪役シャイロックは、自分がユダヤ人であるというそれだけの理由でキリスト教徒のアントニオに蔑まれ足蹴にされてきたと訴えます。

「ユダヤ人には目が無いか? ユダヤ人には手が無いか?」と問いかけ、キリスト教徒と同じように痛がり、寒がり、血を流す、と続けます。

同じ人間として平等なのだと、彼なりに訴えるわけです。

これをシェイクスピアは、まだ「人間平等」という概念が生まれる200年も前に書いたのです!

(人間平等の概念はフランス革命の頃に広まりました)

人間平等とは、相手も自分と同じように痛みと喜びを感じると認めることだと私は思います。
よって、相手の嫌がることはしない。
そして、互いに喜び合えることを求める。

その点では、大人と子供の関係にもあてはまります。
人種差別という地球規模の問題も大事ですが、身の回りで、上司・部下・配偶者・子供・親に対して、人間平等の概念を持って接していますか?

【今日のライブインタラクション】
相手も自分と同じように痛みと喜びを感じるという視点で、身の回りの人に接してみよう。

俺がユダヤ人だからだ(シャイロック)

『ヴェニスの商人』の悪役、ユダヤ人高利貸しのシャイロックは、借金を返せなくなったアントニオの身体の肉を切り取る理由として、アントニオにされた様々な嫌がらせをつぎつぎにあげつらい、そしてこう言います。

“And what’s his reason? I am a Jew.”

「だが一体何のために? 俺がユダヤ人だからだ」

私はこのせりふを聞くと、シェイクスピアが人種差別をしたのではなく、シェイクスピアは人種差別する人を告発しているのだ、と感じます。

前回までのレッスンでは、シャイロックはたしかにアントニオの体の肉を「釣りの餌にはなる、復讐の役に立つ」と、人非人ぶりを発揮していることをお伝えしました。

けれど、シャイロックをここまで怒らせたのは、アントニオ自身。

私たちがゴキブリに対するように、アントニオはシャイロックに接したのだろう、と思わずにはいられません。

ゴキブリは何の悪いこともしていないのに、姿を見せるだけで毛嫌いされ、無慈悲にも叩き潰されてしまいます。

シャイロックはどんなに辛かったことでしょう。

ちなみに、上記のセリフ

“And what’s his reason? I am a Jew.”

綺麗な弱強五歩格になってます。
下線部、音を高めに持ち上げるように発音してみましょう。

“And what’s his reason? I am a Jew.”

I と am を続けて強く発音するといいですね。
最初の文で音を持ち上げて、最後に、Jew で降ろしてくるとかっこいいです。

【今日のライブインタラクション】
アントニオの気持ち、シャイロックの気持ちの両方を納得できますか?

釣りの餌にはなる

「釣りの餌にはなる」

シャイロックは、切り取ったあとのアントニオの身体の肉の使い道を聞かれてこう答えます。

まさに人非人。

続けて彼はこう言います。

「なんの役にも立たなくても、俺の復讐の役には立つ」

“If it will feed nothing, it will feed may revenge.”

Feed は餌を播くという意味ですから、その直前の、釣りの餌にはなる、とかけているわけです。

シェイクスピアのせりふは、このように一つのイメージが次の言葉のイメージの扉を開くことで成っているのです。
この仕組みがわかってくると、セリフを覚えるのも、イメージを創造するのもとてもおもしろくなりますよ。

【今日のライブインタラクション】
人間の脳は、その直前のイメージが展開する連続である。

シェイクスピアは人種差別主義者?

『ヴェニスの商人』はユダヤ人シャイロックがケチで残酷に描かれ、最後は破滅すると思われることから、ユダヤ人差別主義の芝居と考えられてきました。

けれど、本当にそうでしょうか?
ちょっと検証してみましょう。

英語の言い回しにすると長いので日本語で紹介しますが、こんな科白があります。

アントニオの船が難破してシャイロックに借金が返せないことがわかったとき、シャイロックは

「見てろ、契約通り、アントニオの肉をとってやる」

という類のことを言います。

すると市場でそれを聞いていたキリスト教徒が

「シャイロック、いくら何でも本当に肉を切るつもりはあるまい? 何の役にも立たないものを」

と尋ねます。

シャイロックの答えは?

「釣りの餌にはなる」

わお、ひどいですね。

続きは次回。

【今日のライブインタラクション】
どうしても憎くてたまらない人に仕返しできるチャンスがきたら、あなたならどうする?