愛の告白と宗教裁判

“Promise me life, and I’ll confess the truth.”

「私に人生を約束してください、それなら真実を告白します」

『ヴェニスの商人』の主人公のひとりバッサニオは、愛しいポーシャにこの愛が本物だと告げるために、こう言います。

するとポーシャは

”Well then, confess and live.”

「じゃいいわ、告白し、生き永らえよ」

と返します。

ポーシャの返答には、キリスト教徒の魔女狩り裁判(と言う名の拷問)や、エリザベス女王時代の反逆者裁判(と言う名の拷問拷問)で、審判がかける誘い文句のようですね。

「本当のことを言えば楽になるぞ」
みたいな。

で、本当のことを告白すると、そら魔女だ、そら反逆者だ、とやっぱり死刑。
告白しても生きられないことが大半でした。

これに対してバッサニオは間髪入れず

“Confess and love
Had been the very sum of my confession.”

「告して愛することこそ
まさに私の告白の真髄」

と答えています。

Live と Love をかけているんですね。
私がメールの最後につけている、
Laugh, Live, Love! にそっくりですね、ほほほ。

ちなみに、続けてバッサニオは、

“O happy torment, when my torturer
Doth teach me answers for deliverance!”

「おお、幸せな苦悶、目の前にいる拷問者が
口を割り、答えるよう指南してくださるとは!」

と答えています。
この答えからも、さきほどのポーシャの

“Confess and live”

が宗教裁判や反逆者裁判の常套文句だったことがわかりますね。

シェイクスピアは「きっと何か言葉の鍵が隠されているに違いない」と思いながら読むと、いろいろな発見があります。

今日も、日常会話で使えそうな、いい言葉がたくさん見つかりましたね!

【今日のライブインタラクション】
日本文学もたくさん読んで、言葉と想像力の幅を広げましょう。


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