案外めんどくさいポーシャ

『ヴェニスの商人』の本番が近づき、小道具の飾りが整い始め、演者も科白と共に何をしていくかが明確になってきて、徐々にキャラクターが自分のものになってきています。

科白だけ入っても、演出家が動きをつけても、演者がそのキャラクターの行動の本質を掴まない限り、それは学芸会のような「振りを憶えて暗唱している」ものにすぎません。

幸い、今回のキャストは皆とても柔軟で優秀。
ライブインタラクションの大切さを三輪えり花を通じて認識しており、英国の演技術を元にした、解釈と自由さと冒険心と遊び心を同時に発揮できる人たちです。

さて、私の演じるポーシャはと言うと、実はかなりめんどくさい人間であることがわかってきました。

ストレートではないんです。

たとえば、バッサニオに出会って、まだ箱選びもする前から、好きだという気持ちを認められずに、告白なのか告白じゃないのか、よくわからないようなことを言います。

“One half of me is yours, the other half yours —
Mine own, I would say: but if mine, then yours,
And so all yours.”

「私の半分はあなたのもの、残りの半分もあなたのもの・・・
私のもの、と言わなくちゃね。だけど、私のものだとしたら、それはあなたのもの、
だから結局全部あなたのもの」

やれやれ。

あ、でも、初恋の頃って、こんなでしたか?

【今日のライブインタラクション】
自分から好きだと言いすぎてやしないかと不安になって、「ポーシャった」ことがあるか思い出してみましょう。


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