『ヴェニスの商人』のモチーフ、指輪2

『ヴェニスの商人』の敵役シャイロックが根っからの悪人ではないことがわかる唯一の鍵が、ただ1行に込められた、妻からの指輪であることを前回、お話ししました。

指輪は、『ヴェニスの商人』では重要なモチーフになっていまして、主人公の一人、ベルモント島の当主ポーシャは、愛の約束の印に、結婚相手となるバッサニオ に指輪を渡します。

“I give them with this ring,
Which when you part from, lose, or give away,
Let it presage the ruin of your love,
And by my vantage to exclaim on you.”

「私も私の財産も召使いもすべて、この指輪と共に差し上げます、
もしもこれを外したり、無くしたり、誰かにあげたりした時は、
それがあなたの愛の破滅の訪れ、
私はあなたを怒鳴りつける権利を行使しますわ」

ルネサンス時代、妻は夫の所有物でした。
けれどポーシャは、指輪がその象徴で、それが指にはまっていないとなると、
結婚は形式だけのものとなり、私もあなたを尊敬しませんからね、自由にしますから、と宣言したわけです。

【今日のライブインタラクション】
妻と夫の関係、対等ですか?


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