オペラ遊び語り2018

2018年9月27日、オペラを上演しました。

20180927 左手奥から、加藤千晶、加藤千尋、Lutherヒロシ市村、鷲津美帆、土橋創、中野亜維里。手前左から、笠井麻里子、渡邉智美、三輪えり花、山本耕平。

 

山梨県立甲府東高校の芸術鑑賞祭というイベントで「本物を聴かせたい」との企画を依頼されたのです。

オペラという芸術スタイルそのものに馴染む機会が滅多にない地方の高校生たちで、オペラを生で観たことのある人は一人もいませんでした。

でもだからこそ、最初に見せるのが本物でなくては!

私自身、人生で最初に観たオペラはウィーンのシュターツオーパー(国立歌劇場)での『薔薇の騎士』とフォルクスオーパー(民衆劇場)での『魔笛』。

その後の研修では、英国ロイヤルオペラハウスでした。

最初から最高級の歌手とオーケストラと指揮者に出会い、彼らの稽古にずっとつきあい、してきたおかげで、今の私があるのです。

なので、今回は、東京芸術大学の大学院で演技を教えた人たちで今もヨーロッパ各地で活躍している人や、欧米で研鑽を積んできた人、日本でも地道に長く活動を続けてきた人たちに声をかけました。

そして集まったメンツがこちら。

甲府東高校の生徒に、オペラの楽しさをお伝えし、人生を豊かにする選択肢を増やしてもらう目的でおこなう企画とお伝えしたら、他の本番の舞台の合間を縫って、喜んで駆けつけてくれました。

出演(五十音順)
Lutherヒロシ市村(バス、ナビゲーター)

加藤千晶(ピアノ)
土橋創(バリトン)
三輪えり花(ナビゲーター)
中野亜維里(ソプラノ)
山本耕平(テノール)
鷲津美帆(ソプラノ)
渡邉智美(メゾソプラノ)

賛助出演
笠井麻里子(ソプラノ)

ピアノ
加藤千晶

フルート
加藤千尋

脚本
三輪えり花

会場
山梨県立県民文化センター大ホール

山梨県民文化センター大ホール舞台にてリハーサル。タミーノが龍に襲われてひっくり返る場所とピアノの位置関係について調整中。

プログラムは2部制にしました。

第1部では、「美味しいオペラの作り方」として、有名なオペラから代表的な曲の数々を、楽しいトークショー仕立てでお送りします。

第2部は、『魔笛ザ・ダイジェスト』として、ウルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の最高に楽しい作品を、メインストーリーだけに絞り、すんなり入り込めるダイジェスト版をお送りしました。

演奏曲目

第1部曲目『美味しいオペラの作り方』
1. ヨハン・シュトラウス作曲『コウモリ』より
オルロフスキー公爵のアリア

オルロフスキーのアリア。渡邉智美。

2. オッフェンバック作曲『ホフマン物語』より
オランピアのアリア

オランピアのアリア。中野亜維里。ルーサーさんがフランス人形にネジを巻いています。

3. ビゼー作曲『カルメン』より
カルタの三重唱

『カルメン』よりカルタの三重唱。カルメン渡邉智美、メルセデス中野亜維里、フラスキータ鷲津美帆。

4. ビゼー作曲『カルメン』より
「ハバネラ」

『カルメン』ハバネラ。渡邉智美。

5. ドニゼッティ作曲『愛の妙薬』より
「涙が一粒」

『愛の妙薬』涙が一粒。山本耕平。

6. ドニゼッティ作曲『アンナ・ボレーナ』より
「せめて1日」

『アンナ・ボレーナ』せめて1日。鷲津美帆。

7. ビゼー作曲『カルメン』より
「トレアドール」

『カルメン』トレアドール。土橋創。

 

ルーサーさんの最初のご挨拶から学生大喜びで、一気に場がなごみ、とても良い嬉しい雰囲気でどんどん進みました。

それぞれの歌手の個性と歌に合わせて、オペラが作られていく稽古過程を即興のように演じたあとで、1曲ずつ真剣に歌を披露していく、遊び語りスタイルです。

第2部の『魔笛』では、パパゲーノの登場で大爆笑。
ダイジェストで飽きさせずに一気にドラマを持って行けました。

このホールにはこの3年間、ミュージカル『シンデレラ:ネズミたちのプリンセス』でとことんお世話になったので、スタッフの皆様にもよくしていただき、本当に助かりました。

心からお礼申し上げます。

詳しい出演者プロフィール(登場順)

三輪えり花(ナビゲーター、『魔笛』三人の童子アルト)
演出家、俳優、脚本家、翻訳家。ロンドン大学演劇修士。慶応義塾大学卒業。文化庁在外研修で英国王立演劇学校やロイヤルオペラにて研修。東京藝術大学、新国立劇場各研修所、明治大学ビジネススクール等にて演技指導と表現方法指導者として歴任。公益社団法人国際演劇協会(ユネスコ傘下)日本センター理事、NPO法人女性とくらしのネットワーク理事長、国際ライブインタラクション研究所主催。米国法人IKI, Inc. President & CEO
著書に『英国の演技術』(玉川大学出版)。翻訳にマルコルム・モリソン著『クラシカル・アクティング』(而立書房)、キース・ジョンストン著『インプロ:自由な行動表現』(而立書房)

Lutherヒロシ市村(ナビゲーター、『魔笛』ザラストロ)
声楽家・俳優。国立音楽大学卒業。卒業後、数々のオペラ・ミュージカルに出演する傍ら、ヨーロッパ・アメリカ各地にて、発声や演技の指導を受ける。その後、シェイクスピア俳優としての活動も開始、極めて高い評価を得ている。山梨県ミュージカル「シンデレラ-ねずみたちのプリンセス-」では、スーパーバイザーを務め、9月には河合祥一郎演出のシェイクスピア『お気に召すまま』でエイミアンズ役を務め、読売新聞はじめ各界で絶賛を浴びる。東京二期会会員。

加藤千晶(ピアノ)
作曲家、ピアニスト。東京音楽大学大学院作曲専攻修了。2000年日本歌曲振興会第13回日本歌曲コンクール優秀賞。2011年IIC国際作曲コンクール優勝、初演はABC放送にて放送。作曲や編曲、演奏家として、オーケストラや室内楽等の演奏会をはじめ、放送音楽、演劇、コレペティートルなど、活躍は多種の分野にわたる。東京音楽大学等講師。

中野亜維里(『魔笛』夜の女王)
ソプラノ歌手。東京藝術大学大学院修士課程修了。日本大学芸術学部長賞受賞。聖Paolo大聖堂、Fortuna歌劇場、Rossini歌劇場のソリストをはじめ、文化庁文化推進特別事業オペラ、Rossini歌劇場管弦楽団来日全国ツアー、読売新人演奏会、ラ・フォル・ジュルネ等に出演。多数の国際音楽コンクールで優勝。元横浜開港祭親善大使。

鷲津美帆(『魔笛』パミーナ、パパゲーナ)
国際基督教大学(ICU)及び東京音楽大学声楽演奏家コース卒業。ICU時代に卒業旅行で行ったイタリアでオペラを見たことがきっかけで声楽家の道を志す。ICU時代に培った語学力と論理的思考力を生かし、歌のみでなく、通訳や演出助手として様々な形でオペラと関わる。現在、聖徳大学博士前期課程研究生及び東京二期会62期マスタークラスに在籍中。

渡邉智美(『魔笛』三人の童子のメゾソプラノ)
声楽家。東京藝術大学大学院修士課程(独唱)修了。バロックから新作まで幅広くクラシック音楽演奏活動を続ける。この春には三輪えり花演出のシェイクスピア遊び語り『オセロー』でデズデモーナ を演じ、女優デビューも果たす。市川市新人演奏家コンクール優秀賞受賞。日本声楽アカデミー会員。

山本耕平(『魔笛』タミーノ)
テノール歌手。東京藝術大学大学院首席修了。国内二大声楽コンクールに優勝後渡伊。ミラノ・ヴェルディ音楽院修了。五島記念文化賞・オペラ新人賞、文化庁新進芸術家海外研修制度の支援を受け更にイタリア研修を重ねる。オペラ主演から『ジョジョの奇妙な冒険』劇伴等幅広く活動。キングレコードから2枚のアルバムがリリースされている。

土橋創(『魔笛』パパゲーノ)
バリトン歌手。甲斐市出身。武蔵野音楽大学大学院声楽専攻修了。山梨県ミュージカル『シンデレラ』の大臣役出演他、介護施設を中心に多方面での演奏活動を続ける。国際ライブインタラクション研究所認定講師。

笠井麻里子(『魔笛』三人の童子ソプラノ)
声楽家。都留文科大学・東京芸術大学卒業。山梨県ミュージカル『シンデレラ』では魔法使いと副演出を務める。6月には三輪えり花演出のシェイクスピア遊び語りスタディプログラム『オセロー』で主演も務める。

第2部の『魔笛』については、お写真が出来次第、改めてお届けします。


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