スピーチのコツ:「ん」の発音

海外からの留学生に尋ねられてあらためて意識する、日本語のあれこれ。

今回はスピーチの際の発音「ん」

Q 「ん」は、「ん」という音をはっきり発音しますか? つまり、口を閉じますか?

皆さんはどう発音していますか?

私は、英語で発音する場合は、必ず「n」で、舌の奥が口の中に蓋をして、その音を通過することを意識しています。

が、日本語の会話の中では、ほとんど意識しません。

「せいじんしき(成人式)」と普通の会話の中で使う際、「ん」では口の中のどこも閉じていません。

ものすごくゆっくりやってみると、たしかに舌の奥が喉の奥に軽く蓋をしているのですが、英語の発音のように、n 音をきちんと響かせて出すことはしません。

さて、至近距離の会話の場合は、そのように曖昧なままでも良いのですが、人前でのスピーチの際は、いつもよりも「ん」を意識してみてくださいね。そのほうが遠くまでことばがはっきり聞こえます。

【今日のライブインタラクション】

「ん」のつく単語をゆっくり練習してみよう。

オーラはセルフイメージで決まる

春の嵐に悩まされる今年。

事故や災害に皆様が遭遇なさっていないことを祈るばかりです。

さて、三輪えり花の使命のひとつに、シェイクスピアの魅力をわかりやすく伝える、というのがあります。

今年もやります。

シェイクスピア遊び語り。

第14弾は、シェイクスピア四大悲劇のひとつ、

『オセロー』

遊びたい語りは、せりふや登場人物の由来や行動の意味などを間に入れていく、まさに立体教養イベント。

そのため、私は原作の原文と睨めっこしながら、どんな解説を入れようかなぁと考えるわけですが・・・

これがね、いやはや、四大悲劇と言われるわりにはなかなか上演されないわけがわかりました。

登場人物全員が極めてセクシーでオーラがある必要がある!

のです。

しかし、オーラって、出そうと思って出せるものなんでしょうか?

答は、イエス&ノー

最近、オーラのある人といえば、第一がフィギュアスケーターの羽生結弦さんだと思います。

あれは、世界一だぞという実績が心理として現れたものです。

あれができるようになるには、その心理、精神状態になる必要があります。

ということは、それができない限り、筋肉をそのように動かしても、表現とは無縁の、機械の体操のようになってしまうでしょう。

ですから、ノー。

一方で、かれの腕の使い方や首の使い方、あれができると、相当、オーラがあるように感じられると思います。

となると、オーラがあるように見せるのは、筋肉や息の使い方次第と言えます。

なので、オーラを出すことはできる、イエス。

オーラは、自分の存在そのもののエネルギーです。

自分は注目を浴びて良い存在である、とセルフイメージしてください。

オーラはセルフイメージで決まる、といっても過言ではありません。

自分がここにいることをお客様と喜びを持ってシェアしたい、

そんな気持ちが羽生選手からも感じられます。

私たち実演表現者は、あらゆる人になれなくてはいけません。

オセロー組も、存在感と色気のあるオーラを目指してがんばります。

【今日のライブインタラクション】

羽生結弦選手の平昌五輪閉会式の登場を動画で観てみよう

聴きやすいスピーチのコツ:伸ばす音

【伸ばす音はどう発音するのか?】
私がライブインタラクションを教えている大学院のクラスには、優秀な留学生が何名も参加しています。
ある留学生から、日本語の発音について、質問がありました。
日本語話者にとっても、なるほど、と思えるポイントなのでおつたえしますね。
Q「おおい(多い)」と「おうい(王位)」の発音は同じですか?
皆さんはどう発音していますか?
私の感触だと、どちらも同じ発音です。
「お」や「う」を意識せず、なんとなくスーッと伸ばしているだけのような感じ。
せいじか(政治家)、せいり(整理)、えいい(鋭意)。
伸ばす音って、案外、多いもの。
日常会話ではあまり気にならなくても、マイクを通すスピーチでは、伸ばす音が短いとせっかちで舌足らずで、要するにあまり信頼できない人物に思われてしまいます。
その音を伸ばしている時間を、スピーチのときはやや長めに感じてください。
【今日のライブインタラクション】
会話の中の「伸ばす音」を意識してみましょう。

舞台での演技 せりふのない時間の使い方

連続してお伝えして来た、舞台での演技シリーズ、今回が一応最終回です。
舞台でせりふがない時間の使いかたですので、舞台での演技が必要のない場合はスルーしてください。
良い戯曲には、せりふがたくさんある登場人物もいますが、せりふのない時間も多くあります。
本当は、せりふのない時間の演技がいちばんたいへん。
休んでいいわけでもないし。
せりふを言っている限りは、することがあるので、そこに集中すればよいだけです。
が、せりふがなければ、いったいなにをして時間を潰せば良いのでしょう???
登場人物像を深めればいいのです!
たとえば、ある題材の女性二人は親友同士。
そして、あるのいたずらを仕掛けた相棒同士でもあります。
交わすセリフはなくても、視線を交わすことはできますよね。
書かれていないからといって、してはいけないわけではないのです。
自分の演じる登場人物は、誰とどんな関係にあるのか、その話題をどれほど共有できるのか、などなどを考えてみてくださいね。
【今日のライブインタラクション】

How to Use Your Legs on Stage: Performance on Stage

I teach opera and classical singers at National Tokyo University of Arts and Music.  In the class, they perform a short scene from an 18th century play.  I find it so important that I decided to tell those important skills on this blog.
First, remind your legs.
To be natural on stage is probably the most important skill.
But in most cases, people themselves who are so tensed and panicked are naturally there, rather than the character whom they need to show.
The key is the legs.
First, stop stepping up and down and walking about.
Especially at some dramatic momentum, amateur actors use their legs to show how much they are in trouble.
Stop that.
Because, the character’s frustration are probably more still and condensed; if they are adult characters, they could be quieter.
But when you yourself are panicked and if the character you are portraying are not, what should you do?
To be continued…
【Today’s Live Interaction】
Recognize how you use your legs normally.

舞台での演技 ストップモーションのコツ

観客の目を引き付けるために、ストップモーションは役に立ちます。
今日は、ストップモーションのコツをお伝えします。
さて、ストップモーションのコツは2点。
1  息をゆっくり細く長く吸い続けること。
息を止めてはいけません。ゆっくり細く長く吸い続けることで、その場の求心力が消えずにすむのです。
2  手の指先にエネルギーを集めること
ストップモーションの手が死んでしまうのはダメ。ストップモーションだけではなく、表現する際の指先のエネルギーは最高に大事です。爪の先に、言いたいこと、気持ち、あなたの感情があると思ってください。そして爪の先で表現するくらいのつもりで。
【今日のライブインタラクション】
友達と、ストップモーションを遊んでみよう

舞台での演技 顔を見せる

舞台初心者のかた、スピーチやプレゼン初心者のかたにお届けします。
顔を見せてください!!
まず、女性は両脇の髪の毛、前髪をとにかく上げること。
照明の陰になって顔が暗くなってしまいます。前髪や横髪のために、瞳が見えないと表情が伝わりません。だから観客は見る気を失ってしまうのです。
前髪と横髪がすっきりしていると、たとえ横を向いていても表現がよく伝わります。
照明にも映えて、日本人の黒髪・茶髪でも、顔が暗くならず、しっかり存在感をもつようになります。
前髪と両脇の髪を下げておくスタイルが求められる演出の場合は、顔が前と上を向かなくてはなりません。が、そのために演技から真実味が消える危険性があります。できるだけ顔の輪郭がはっきりと出るデザインが可能か、演出家や衣装デザイナーと相談してくださいね。
ところで!
なぜ日本人女性は、前髪を下ろすスタイルが好きなのでしょう? 電車の中で見かける中学生、高校生、大学生なんて、前髪が瞳の前まで垂れてきて、ほとんど目が外から見えない女性が多いのに気がつきます。
その人たちに、授業でもリハーサルでも、前髪をあげておでこをしっかりみせるように、と伝えると、一斉に「え〜〜〜〜!やだ、恥ずかしー」と大騒ぎになります。
前髪は、心を隠してくれます。安心しますよね。
でも、おでこは古来から、美と知性の象徴です。
(知性とは、学歴のことではありません。人間誰もが持っているものです)
おでこを出すと、その人の本当の輝くパワーが出てくるので、その人の力を見くびっていた人は驚いてしまうでしょう。たとえば、おでこを出している女性が苦手な男性がいます。それは、その女性の方が自分より強いと感じられてしまうから。
おでこを出すことに慣れると、気持ちは晴れるし、前向きになれます。
映画俳優やモデルたちはおでこを出しているスタイルがほとんどですよね。
(もちろん、例外あり。ショートカットのときは前髪ありも多いです)
舞台に立つ機会の多い人は、ぜひ、普段の生活から、おでこを出してみてください。
人生が明るくなること請け合いです。
今日はスピーチがある、人前で発表がある、という場合も、勇気をだしておでこを出す髪型にしてみましょう。
男性も同様です。
【今日のライブインタラクション】
今日はおでこを出してくらしてみよう

舞台での演技 アドリブは大切か

初めて人前で演技する、それだけでもかなり上がると思います。
上がると失敗も生まれます。
(上がらなくても失敗は生まれます)
自分の失敗や相手の失敗に対処していくには、その場での即応力が必要ですね。
ところで、その場の即応力というと、つい、アドリブ、と思いがちですが、実はアドリブは大切ではありません。
アドリブ、というのは、「勝手にやって」というもの。
ジャズプレイヤーやお笑いのような、「あなた自身のやりたいこと」ができる状況下で可能なものです。
いっぽう、台本のあるドラマでは、その登場人物が観客の幻想を壊さずに登場人物のままでいることが第一。
アドリブに頼ろうというマインドがあると、確実にポシャります。
では、舞台では失敗がおきたときの対処はアドリブではないのか?
ないです。
舞台の上では、登場人物の即応力 Spontenaiety と言います。
即応力とは、登場人物としての咄嗟の反応のこと。
そのためには、
その登場人物像をつかむこと、その場面の流れを知っていること。
それが本当にできれば、本当にリアルな登場人物ができ、本当にナチュラルな反応ができ、なにが起きても本当にナチュラルでリアルな即応力を発揮して、その事態にその登場人物が対処する、ことができるようになります。
実は私は、お笑いでさえ、アドリブではなく、即応力の賜物、と思っているのです。お客様に見せているタレントとしての自分というキャラを崩さずに対応していくわけですから。
登場人物解釈、大事ですね。
【今日のライブインタラクション】
演じているキャラがありますか?

舞台での演技 独白のエネルギーの方向

オペラやミュージカルのアリア(独唱)にも使えるテクニックを紹介します。
独白(以下、アリア含む)は、観客への告白です。
必ず、視線を客席に向けましょう。
観客に対して話しかけているという気持ちです。
とはいえ、前を向いているだけで、視線が死んでしまっていたり、自分が喋っているところをみせているだけになってしまうときがあります。
グループで練習する機会があれば、観客席で見てくれる人に、登場人物として舞台から話しかけるようにせりふを言いましょう。
そのうちに、大勢の観客ひとりひとりの顔を見なくても、観客に話しかけている、という感じをつかむことができるようになります。
補足:
18世紀〜19世紀に形作られたオペラの場合は、まだナチュラルな演技という概念がなかったので、「悲しそうにしているところを見せる」演技が中心でした。写真に撮ったら美しかろう、というすがたかたちを、それらしく見せる、という演技スタイルだったのです。
しかも、その演技スタイルは、「それらしくするだけ」で良かったので、とても簡単。演技に関してズブの素人でもできます。
現代の観客に対して上演するオペラでは、ナチュラルな演技を求めるプロダクションなのか、心理描写はどうでもいい表面的な登場人物を美しく見せるだけで良いプロダクションなのか、プロデューサーと演出家の意向を聞いて、対処しましょう。
世界のスタンダードは、かなり実験的なオペラでも、心理描写を深めるリアルな登場人物像で勝負するのが基本となっています。
【今日のライブインタラクション】
相手の目を見て話しかけてみよう

今年も桜にありがとう🌸

2月、3月と年明けから怒涛の舞台が続き、その合間に執筆、書道、歌、そして春からの舞台の準備と充実して過ごしています。

忙しくしてるだけじゃ、なんのために生きているのかわかりません。旧約聖書でさえ休むことを推奨しています。

私は先週は梅見。

昨日は浜離宮庭園へ桜を見に行きました。

青空に満開の桜。

花のひとつひとつに命があります。

この蜜蜂は🐝大量の花粉を太腿に溜め込んで、重くて動きがノロノロでした。

【今日のライブインタラクション】

さわやかな自然に触れて、それを言葉にしてみましょう